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【第17話 イベントの終わり】

【第17話 イベントの終わり】



「さて、まずは現状の確認をしようか」


「ん」



【名前】トト

【種族】エルフ

【職業】魔法使い

【性別】男

【レベル】31

【ステータス】

 HP:400

 MP:1000

 EN:69%


 ATK:419

 DEF:195


 STR:60

 VIT:60

 DEX:135

 AGI:165

 INT:300

 MIN:60

 LUK:10


【スキル】

 氷魔法:Lv5

 雷魔法:Lv5

 闇魔法:Lv5

 魔法操作:Lv13

 MP回復:Lv3



「どんまい」


「ちょっと待って」


トトのステータスを見せてもらったけど……まぁ、うん。

やっぱり人間以外は貧弱だな。

いらないステータスまで結構上がる以上特化しきれない。

汎用性が高いって言いかえれば器用貧乏だからな。


「まず、職業には非公式でランク付けされてる。ABCでAが一番上、Cは中位○○で一番下」


「ふむふむ」


「現状Aランクの中位職業から選べるのは2つだけ」


「充分じゃないの?」


「選べる2つは両方とも汎用性特化、特化系は選べない」


「…………俺特化型あんまり好きじゃない」


「は?お前ロマン捨てるの?」


「最初から持ってねーよ!」


ロマンを持たないとか……ダメだろ。

変身とか変形とか合体とかデメリット付きの超火力とか心躍るだろ。

会社の仕事じゃないんだからアホみたいなことしないと…。


「ロマン楽しいのに………まぁ、置いておいて。1つは混沌魔法使い、もう1つは精霊使い。精霊使いはエルフ専用職業で若干壊れ性能」


「必要ステータスも含めて教えて」



転職条件が50レベル以上と3種類以上の魔法を取得していることが条件の混沌魔法使い。

この職業はレベルアップ時の上昇量が3から5に変わり、別の属性を取得出来ない代わりに持っている属性のレベルを無条件で5上げる。


魔法は必要ポイントが3である為、3か所5レベル上昇させると15レベル分のポイントが必要になる。

混沌魔法使いはスキルのレベルを強制的に5つ上げる為、スキルだけ異常に強くなる。

ステータスは低い組に入り、専用スキルも持たないけどスキルで生み出す火力はトップクラスだ。


転職条件がINT450、AGI250、MP1600以上で種族がエルフ系統が条件の精霊使い。

この職業はレベルアップ時の上昇量が3から5に変わり、専用スキルを5つ貰う。


精霊使いは専用スキルがぶっ壊れに近い。

精霊を召喚し、自身のMPを消費しないで魔法を使える【精霊召喚】。

自身とPTメンバーへのバフ効果を持つ【精霊の加護】。

自身とPTメンバーへの回復効果を持つ【精霊の祈祷】。

ぶっ壊れ性能その1であり、超高火力を持つ【精霊王召喚】。

ぶっ壊れ性能その2であり、超高ステータスになる【精霊纏身】。

5つの専用スキルは同時に使えない為、状況に合わせて使い分ける必要性があるものの、全てが高スペックだ。



「やっば。精霊壊れてない?」


「人間と違ってステータスが貧弱になるんだよ。ほら……STRとか無駄に高いだろ?」


「あー………正直今ある量の半分くらいでいいかなって思ってる」


「特化しきれない分専用系で―――っと、転移しまーす」


「タイミング悪いな……」


説明の途中だけど、次のロッジへ移動だ。

イベント中に説明しなければこんなことは起こらないけど、時間の有効活用しないとね。


転移するとまたもやぐったりしているフィン。

今度はちゃんと五接地転回法成功したのかな?


「また気絶でもしてたの?」


「今回は上手くいったのである」


「じゃあ次は失敗だね」


「次も成功させるのである」


「なんか壊れてない?」


「寒いのである……何故冬は寒いのである……」


「キャラ変わってる……あ、ぼ、僕はちゃんとキャラ守ってるよ?」


「声が震えているのである」


仕様説明だから素で話してるだけ。

だから、セーフ!

誰が何と言おうとセーフ!


しばらくは無言でまったりとお茶と蜜柑を楽しんだ。

うむ……リアルは夏だと言うのに冬の楽しみを味わえる………VRは素晴らしいな。

殺しや軍事利用だと騒がれてるけど、こうやって民間人が楽しむ為に使えるなら有効活用すべきだと思う。

どんなものも使う人次第、技術に罪は無い。

だから、規制するのは止めてほしい。

マジで最近厳しくなってきてるんだよ……。


「では、行ってくるのである」


「てら~」


「うい~」


今回は特にごねたりしないで、素直に出発した。

多分、時間的に厳しいのだろう。

ちょっとだけ同情する。

絶対に交代しないけどな。


「どこまで話したっけ?」


「んー………………精霊がぶっ壊れ?」


「あぁ、そこだね。どうする?もう少し詳しく話す?」


「どうしようなぁ……混沌も気になる」


「…………なら、その続きである上位について軽く話そう」


「おっ?そうだな、そっちも聞いておく必要あるな」


混沌魔法使いの上位版は混沌魔道師。

この職業はレベルアップ時の上昇量が5から7に変わり、別の属性を取得出来ない代わりに持っている属性のレベルを無条件で10上げる。

中位の分と合わせると合計15、つまりは45レベル分のスキルポイントが浮く。

反面、他の職業の上昇量が10とか20あるなか7しか上がらない為、ステータスがかなり貧弱になる。


精霊使いの上位版は精霊術師。

この職業はレベルアップ時の上昇量が5から7に変わり、専用スキルが強化される。

素のステータスは他の職業と比べ貧弱だが、【精霊纏身】を使えば特化勢にも劣らない高ステータスを得るなど、安定のぶっ壊れ性能だ。

唯一の弱点が、【精霊纏身】を使うとステータスが上がり過ぎて制御が難しいこと。

使いこなせれば強いけど、使いこなすのが難しいと言われている。


「どっちもステータス低いね」


「ステータスが高い系のAランク選べないからね。しょうがない」


「それって人間専用?」


「いや?俺と一緒の方法で選べる」


「あー……そっか。忘れてた」


「ソロなら混沌、固定PTなら精霊がテンプレかな?どうしても専用スキルがピーキーで使い難いからさ」


「え?使い難いの?」


「呼べる精霊は1種類、つまりは単属性。で、呼んでる間は他の属性が使えない」


「ってことは………俺なら氷と雷と闇か」


「いや?」


「え?」


「その場所の属性も選べる。例えば火山だと火の精霊とか海なら水の精霊とかね」


「え?強過ぎない?」


「うん。エルフ専用なだけあるよね」


精霊使いは実際かなり強い。

けど、こいつの一強かと聞かれると違うと答える。

なぜなら継続火力の低さに問題があるから。

高ステータスでの高火力魔法連打には最終的なダメージ量で負ける。

瞬間的な火力は高いけど、専用スキルが使えなくなると貧弱なステータスしか残らない。

だから、精霊使い一強にはならない。


「固定PTだから精霊が安定かな……」


「さぁ?他にもあるし、βと違ってるせいでランクが変動してるかもしれないし……自分で調べつつもきちんと納得出来るようにするしかないね」


「だね……グランは……………忍者か」


「うん。生き残ることに特化しようとすると選択肢はそこまで無いからね。その中で自分の好みを選ぶと忍者しかない」


「そっか……同じ忍者なのに合計ステータス負けてるのって辛くない?」


「普通に辛いよ。ステータス特化系の職業になると上昇量がやばいからさ、100の差が200、300に広がるからね」


俺が忍者の職業を得るには54レベル必要。

そうすると、50レベルで忍者になった人と比べて合計ステータスに48も差が出来る。

義賊が相手だと更に差が大きい96だ。

はっきり言ってこの先この差が縮まることはない。

装備で誤魔化せる量じゃないし、普通に戦闘で付いていけなくなる。

敵はステータス特化職業と同じかやや高いステータスだからな、普通に適正レベルじゃ死ぬ。


「まぁ、あれだ。色々言ったけどさ、中位魔法使い選んでも怒らないから自由に選べばいいよ」


「LUK特化の人に怒られたら困惑する」


言い返す言葉が見付からない。

一瞬、シーンとしたが2人して笑いだす。

笑ってる理由なんてくだらないけど、こうやってくだらないことで笑えるのは良い事だ。


「一通り説明が終わったし………熱燗飲むか」


「そう言えばあるって言ってたね」


「んんっ………えへへへへー、お酒だー」


「………あぁ、仕様説明終わったからね。そりゃロープレに戻るか」


この前知り合いに素を出し過ぎだって怒られたからな、なるべく腹黒ショタを演じるよ。

RPGなんだからロールプレイしないとダメだろって若干押し付けに近い説教だった。

うん、中途半端にやってる俺が悪いから言い返せなかったね。


「ふへへへへ……寒い時に炬燵に入って熱燗をきゅっと…………ふへへへへへ」


「グラン君………おっさんが入ってるよ」


「んー?僕、よく分かんない!」


「ははっ、誤魔化せてないからね?」


「チッ………お酒おいしー」


「ふふっ………ちょっと怖かった」


チューハイしか飲めなかったけど、ゲーム内で色々なお酒を飲んで飲めるようになった。

やっぱり、お金が掛からずに二日酔いの心配が一切ないって環境はダメだね。

たくさんのお酒に手を出しちゃう。

あと、料理が美味しいのもダメ。

お酒が進む。


「そう言えばグラン君、いっぱい食べてるけど大丈夫なのかい?食べ過ぎはデバフが発生するんだよね?」


トトからの疑問の声が来る。

ENが100%を超えても食事を続けると、【食べ過ぎ】のデバフが発生する。

効果は毒と同じ効果を持った腹痛だ。

HPが徐々に減っていくのはどうでもいいけど、お腹が痛いのは辛い。


「簡単だよ?お腹を空かせればいいっ」


「………んん?」


「こうやってね?【ステップ】………【ステップ】」


炬燵から出て、徐にスキルを発動する。

【ステップ】で右に移動し、【ステップ】をもう一回使って左に、つまりは元の位置に戻る。

そう、スキルを使った反復横とびだ。


スキルを使えばMPが減る。

その回復にもENは使われている。

もちろん、身体を動かすだけでENは使われる。


あとは簡単に分かる事だろう。

食べる為に無駄にスキルを使ってENを消費する。

βテスト時代から使われている方法だ。

宴会をやる時は隅っこの方でステップしたり踊ったりしてる奴が多い。

食う為に動く、馬鹿な事だけど楽しいから問題無い。


「【ステップ】………っとと、これでENが10%くらい減ったかな?あとはMP回復分も合わせると15%くらいENが減るんだよ!これで食べ過ぎる事はないっ」


渾身のドヤ顔。

はいそこ、笑わない。


「ぷっ……食べる為にわざわざ……くくっ……」


「この前の宴会でもやってる人いたでしょ?」


「あー……遊んでるのかと思ったけどそう言うことか」


「そーだよ?美味しい物をいーっぱい!食べる為の工夫なんだっ」


VRだからこそこの発想が生まれた。

今までのブラウザでやるゲームなら何の価値もない。

ただのアイテム消費で金の無駄遣いになる。

まぁ、バフ付きならやる価値あるけど、重複しないことが多いから結局はねって感じ。


まだまだフィンがノルマを達成するのに時間が掛かる。

今はただ、のんびりとお酒と肴を楽しもう。

リアルが夏なのに冬を満喫出来る。

良い時代になったな。






「もうすぐイベントも終わりだね~」


「辛かったのである……ログアウトしたら暑い部屋なのも追い打ちを掛けたのである……」


「ははは……フィンはまだ語尾が戻らないのかな?それともそれがデフォルトになるのかな?」


「吾輩は……もう少し、キャラを練り直す必要がある。故にこの語尾を今後も使う可能性が……ある、とだけ言っておこう」


「僕も何か面白い語尾を付けようかな~………思い付かない……」


トトに職業の説明をしてから日付が変わり、現在は日曜日の夜。

ずっとイベントを走ってた……うん、文字通り走ってたね。

トトの3連休が終わり、明日からまた仕事になるから今日はもう終わりだ。


3連休で色々と進める予定だったけど、かなり違う結果になった。

金曜日はほぼ装備作りで終わった。

土日はそのままイベントをやり続け、結局は何も進んでいない。

けど、誰も急いでいないし、これでいいのかもしれない。

楽しければ結果オーライだ。


「さて……お待ちかねのポイント交換タイムだね!」


「漸く……漸く寒さ耐性が取れるのである………辛かったのである………」


「ははは………称号だっけ?」


「うんっ!」


イベント報酬の1つで、称号【寒さに打ち勝ちし者】が存在する。

これは5万ポイントで交換可能で、持っているだけで寒さ耐性を得る事が出来る。

具体的に言えば、マイナス10度の環境が自分だけマイナス5度になる。

地味だけど、今後のイベントやフィールドで役立つから結構取る人が多い。

あと、寒さに弱い人はこれを取る為だけにイベントに参加するほどだ。

今だけ我慢して……ってことだね。


ちなみに、フィンは途中で寒さに屈した。

その罰ゲームで称号取得を禁止され、寒さに耐えつつイベントに参加することになった。

炬燵は最強……ここでまた証明されたな。


「この称号以外に取っておくべきものはどれかな?」


「ないよ?」


「…………え?」


「このイベントは称号以外は特にいらないんだよね~。強いて言えば………消耗品くらい?」


「個人的には炬燵がお勧めだ。ホームを買った時に使えるぞ」


「いや……いらない……」


「そうか……迷ったらどてらがお勧めだ。今後、雪国に行く事になるが普通に寒い」


「僕も迷ったら半纏をお勧めするかな?雪国は今回のイベントみたいな環境だし持ってて損は無いよ」


「……どてらと半纏ってどう違うの?」


「「暖かければどうでもいい」」


「あっ……うん、そうだね……」


そんな知識は検索して調べろと言いたい。

ゲーム以外の知識なんてほぼ持ってないんだぞ。


「…………お?見たことないのがある」


「む……どこだ?」


「下の方………アクセサリーが追加されてるね」


「ふぅむ………微妙な性能だな……」


「あ、え?何?このアクセサリーってβテスト時代は無かったの?」


「無かったね……けど、見た目は可愛いけど性能が……………うん……」


追加されたアクセサリーは雪だるまの形をしている首飾り。

性能は……LUKを除いたステータスをどれか1つだけ+1する。

一応どのステータスを上昇させるかは選べるけど……プレイヤーメイドなら普通に+5とか行く。

記念品以上の価値はほぼ無い。


「まぁ……でも、うん。やっぱり記念品って集めたくなるよね……」


「うむ、もしかしたら2度と手に入らない可能性を考えると余計欲しくなる」


「セールとか限定品とかね……」


「うむ……結局使わずに捨てるのにな………」


正直に言えば、いらない。

使い道が無さ過ぎる。

図鑑に登録されるかもしれないけど、コンプ勢に言えば埋めれる。

本当にいらないアクセサリーだけど、結局は全員交換した。

やっぱり無駄に欲しくなるよね、イベント限定品。





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