【第1話 キャラクターエディット】
5話+掲示板回の合計6話を一気に投稿します。
【第1話 キャラクターエディット】
Adventurer Story
異世界より召喚された勇者となって、世界を滅びから守れ。
君に、この世界の謎が解けるか―――
→『スキップ』
「スキップボタン安定ですね」
Adventurer Story、通称ASの稼働が今日から始まる。
俺はβテストから参加している為、ある程度の知識はある。
が、特に攻略組に参加することなく友達とのんびりやる予定だ。
誰かに拉致されようとものんびり友達と攻略するんだ!
『ようこそAdventurer Storyの世界へ。キャラクターエディットを開始しますか?』
「はい。容姿はβ版のをそのまま使用します」
『β版のデータをインストールしています。少々お待ち下さい………完了しました。こちらで間違いないでしょうか?』
「んー………うん。間違いないです」
全体的に細く、小さくをテーマに作られた俺のキャラがディスプレイに映される。
身長は150cmとかなりの小柄で、腰まで届く長い銀髪。
ライトブルーの瞳に現実の俺とは似てもいない整った顔。
力作なだけあってかなりのイケメンだ。
『それでは、各種種族、職業、ステータスポイント、スキルの選択をお願いします』
βテストの時にステータスを決める計算式は全て判明している為、この選択はかなり重要になる。
この段階でやりたいことに合わせた種族に決めないと後から大変なことになるからな。
大まかな計算式は、
HP/MP =初期+レベル×20+種族補正×5+職業補正×5+自由割り振り+装備
LUK =初期+装備
その他=初期+レベル×3+種族補正+職業補正+自由割り振り+装備
となっている。
LUK…幸運は初期ステータス以外では装備でしか増やすことが出来ない。
この幸運はかなりやっかいな存在で、全ての確率に作用する。
具体的に言えば、クリティカル率やレアドロップ率だ。
このゲームでのクリティカル率やレアドロップ率は一律で0%に固定されている。
そこに自身のLUK分プラスされるため、LUKが高ければ高いほどそれらの確率も上昇する。
βテスト時代、LUKを0にしていたプレイヤーはレアドロップが一切出ず、泣いていた。
逆にLUKにかなり振っていたプレイヤーはレアドロップが大量に出た………が、ステータスが貧弱ですぐに死んでいた。
バランスを考えてポイントを振らないと器用貧乏で何も出来ないキャラになるから注意。
HPとMPが初期で100あり、その他は全て0になっている。
そこに100pt使って自由に割り振る訳だ。
俺のステータスはこちら。
[ステータス]
HP:100
MP:100
STR:0
VIT:0
DEX:0
AGI:0
INT:0
MIN:0
LUK:100
残ポイント:0pt
はい、遊びました。
いやだって、確定クリティカルに確定レアドロップだよ?
やるしかないじゃん……。
最前線に行かなきゃ何も問題無いでしょ。
友達とのんびり遊ぶ程度なら問題無いはず………はず!!
βテストでも同じステータスでやってたし、大丈夫だって。
別の意味で何度も死にかけたけど大丈夫なはずだって。
種族は人間、職業は盗賊を選択。
人間は他の種族と異なり、種族補正を自由に設定できる。
例えば、HPの補正値を-10、MPの補正値を+10などが可能になる。
βテスト時代、この補正値でキャラを作った人がいたらしいけど、かなり面白いことになっていた。
レベルが上がったらHPの最大値が減り、最終的にHP最大値が0になった。
その結果、街から出たら即死ぬ。
掲示板でその報告が来た時は草しか生えてなかったな。
HPとMPのプラスマイナスの合計が同じであること、STRからMINのプラスマイナスの合計が同じである事という制限がある。
これはどの種族でも同じなので特に言うことは無い。
そしてこれが俺の補正値だ。
[補正値]
HP:0+0
MP:0+0
STR:0+0
VIT:-3+0
DEX:3+1
AGI:3+1
INT:-3+0
MIN:0+0
LUK:0+0
左の数字が種族補正値、右の数字が職業補正値となる。
賢い人はここであることに気付くだろう。
俺のVITとINTはレベルが上がっても0のままである。
自由割り振りと装備で上げることは出来るけど、ここまで特化した以上振るつもりはない。
VIT……体力、耐久。
この値が低いと戦闘中にデバフ【スタミナ切れ】が発生しやすくなる。
【スタミナ切れ】が発生すると、移動速度低下、攻撃力低下、スキルが一定確率で失敗、自身へのクリティカル率の上昇などかなりのデメリットが発生する。
βテスト時代では確か3分くらいしか連続戦闘出来なかったはず。
INT……知性。
この値が低いと味方からの補助魔法や回復魔法の効果がかなり劣化する。
0の場合は、ぎりぎり効果が発揮するものの、気休めレベルになる。
マイナスの場合はバフがデバフになり、回復魔法でダメージが発生する。
βテスト時代で検証された最大ダメージはINTがマイナスなプレイヤーへの回復魔法だったはず。
余談だが、職業補正は持つ武器によって変わる。
盗賊の場合、短剣はDEXとAGIにそれぞれ+1、弓はDEXに+2、ナイフはAGIに+2される。
今回は短剣を選んでいる為、DEXとAGIが上昇だ。
最後がスキルだ。これは特に説明することはない。
βテスト時代でもそこまで解明出来た訳じゃないし定期的に修正が入っているから今説明しても無駄になる可能性がある。
とりあえず、種族によって覚えられるスキルに差があることを覚えておけばいい。
物理関係はドワーフや獣人、魔法関係はエルフや人間に適性があると知っていればいいレベルだ。
そしてこちらが俺のスキル一覧。
[スキル]
【短剣:Lv1】
【盗む:Lv1】
【隠蔽:Lv2】
【体術:Lv1】
残ポイント:0pt
ここは真面目に選びました。
【短剣】はメイン武器のスキルであり、特殊なスキルが使用可能になる。
【盗む】はモンスター相手にしか使用できないものの、特殊アイテムを確率で盗むことが可能。
【隠蔽】は自身を含む、何かを隠すことが可能になる。
【体術】は身体を動かす全てに影響を与える近接職必須スキル。
スキルには難易度があり、取得時とレベル上げ時に同じだけのスキルポイントが必要になる。
短剣と盗むは1、体術は2、隠蔽は3となっている。
初期スキルポイントの10以内で俺のやりたいことを目指した結果がこのスキルだ。
余談だけど、俺のLUKは100の為、敵に触れてスキルを発動すれば100%アイテムを盗むことが可能になる。
まぁ、戦闘終了後まで生きていればの話だけどね?
『最終確認をお願いします』
【名前】グランエル
【種族】人間
【職業】盗賊
【性別】男
【レベル】1
【ステータス】
HP:100
MP:100
EN:100%
ATK:10
DEF:9
STR:0
VIT:0
DEX:0
AGI:0
INT:0
MIN:0
LUK:100
【スキル】
短剣:Lv1
盗む:Lv1
隠蔽:Lv2
体術:Lv1
ふむ、問題無いな。
美しさすら感じさせる俺のステータス。
まぁ、レベルが上がればこの美しさは消えちゃうんだけどね。
「問題無いです」
『ありがとうございます。それでは、本登録を行った後、転送しますので少々お待ちください』
これで俺のキャラクターエディットは終了だ。
この後の予定は一緒に遊ぶ友達と合流すること、一緒にレベル上げをすることだな。
1人は一緒にβテストをやっていたけど、もう1人はやっていない。
だから、最初に色々と教える必要がある。
のんびりと行きますかね。
『お待たせしました。それでは、当ゲームをお楽しみください。行ってらっしゃいませ』
さぁ、冒険の始まりだ!
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