表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/69

「IF-Another So Black Story-」

もっと精神の壊れたとある2人の殺し屋の話をしないか?

そんなバッドエンド2。


条件は2つ。

・番外編序盤で、初めて菅野を押し倒しますが、あの後から菅野が避けるようになる。

・裾野も菅野もろくに精神ケアをしなかった。


それだけです。

もう何をするのも面倒になった2人の末路とは。


分岐点:前のお話と一緒の場所で分岐します。(番外編本編19話)

ただ、けーちゃんと話し終わってはいますが、お部屋に戻る前です。


※約2,600字程度です。

※BL微注意、微ホラ

※病み、闇注意。一切の責任を負いません。

2012年9月6日夜……

後醍醐家の山付近

菅野



 もう帰ろう……そう言うて、ふらつく足を何とか動かして帰っている2人。

「今敵襲があったらどうするん?」

裾野は返事もせえへん。当然や。裾野に1回押し倒されてから、もう俺はこいつを避けて生きてきた。

せやけど、しつこいねん。

メールも電話もずっと入れてきて、やっと病んだと思えば俺まで病むってアホらしい話やろ?

俺よりどうせ4年早く殉職するんやから……。

あーあ、こいつの性癖がもっとマシだったら、こんなことにはならんかったのに。

……カワイソウニ言うてくる奴らもずっと居るし、病むのも当然か?


「……かんの。」

裾野は突然俺を草むらに連れ込んで、押し倒してん。

いきなり早い動きするから、驚いたやんか。いつもの病みはどこ行ったん?

「もう……そろそろ良いだろう?」

「……」

裾野は俺の返事も聞かずに服に手をかける。

 はぁ……どうせこういうことがしたかったんやろ?

ほんま面倒やなぁ……。それでもっと病んでくれるなら、俺はそれでええし。

「どうして……嫌がらない? あの時は、嫌がっていただろう?」

裾野は俺の服を全部剥ぐと、首をゆっくり指でなぞってん。

「は? お前、どうせ襲うんやろ?」

俺は面倒やし、こう答えたんやけど、なぜか裾野の表情が一変してん!!

「ふざけるな!!」

急にキレた裾野は俺の首に手をかけて、そのままぎゅっと潰すように絞めてん。

「うっ……!! やめて……やめて…………うぅ…………」

めっちゃ苦しい。

人に首を絞められたことも無いし、どないしたら……!?

それさえも何だか……面倒やな。

裾野も我を失った目をしてはるし……このままでもええんちゃう?

「…………こ……ろせ……ば……?」

俺が最期に、ぼやけて色を失っていく意識の中で言うた言葉は、そんなことやってん。



 その後、裾野視点では……


 何も言ってこない。

 何もしてこない。

 何も反応しない。


 俺は菅野を殺したのか……?

手をそっと離してみる。そこには赤黒くついた俺の手の跡。

その俺の手には、菅野が引っ掻いた爪の跡。

そして息も無く裸で横たわる……俺の恋人になる筈だった男。


 俺はまた……また好きなった人を……。

あの時も、あの時も、あの時も、あの時も、あの時も、あの時も、あの時も…………

片桐組で1人、佐藤だって…………菅野を守るために傷つけたじゃないか……。

あぁ……あ……あ…………ああ……

あ…………あ……ああ………………あ……あ……


 菅野……

震える手で彼の頬を包んでみる。

なんて小さい顔なんだ……こんなに綺麗な顔をしていたのに……

彼の胸に触れてみる。

案外薄い胸だが、浅黒い肌のおかげか、質感が良い。

腹、腰、脚と順に触れてみても、嫌がってくれない。

病んだことを喜んでくれたあの顔が……触る度に醜い者を見たようなあの顔が本当に好きなのに。

「誰に殺されたんだ? 俺が復讐してやるよ。なぁ……お前にまだ”愛してる”も言ってないのに……菅野……目を開けてくれよ……俺の事、嫌いでいいから……お前じゃなきゃ……」

俺は服を着させ、涙をボロボロ流しながらそう言い、彼をあの時のように角材みたく担いだ。

「こんなところで寝ていたら、危ないじゃないか。お前は綺麗なのだから、狙われてしまう。」

俺は何度も返事する筈のない”菅野”に笑顔で話しかけながら、帰路についた。


 部屋に戻った俺は遺体保存の処置を施し、その体を胸に抱いた。

「竜斗。愛してるよ。」

「何だ? 気持ち悪いか? ……そうだよな、嫌だよな。」

俺は笑いながら菅野……いや、竜斗の髪を撫でる。

ふわふわした手触りで、本当にこいつの髪に触れるのは好きだ。

 もっと俺が手をかけてやったら、お前は頬を赤く染めて「くすぐったい」とでも言ってくれたか……?

……全く。何を言っているんだか。

本人がここに居るのだから、聞けばいいだろう。

「お前の髪、本当に好きだ。くすぐったいか?」

「そうか。目を閉じているお前も……好きだ。」

俺はそのまま竜斗を抱いていたら朝を迎え、朝食を2人分作った。

「俺の料理が好きっていつも言ってくれていたな。ずっと……一緒に食べような。」

俺は竜斗に前掛けをつけて、汚れないようにしてやった。

そうでもしないと、目を閉じたままなら危ないからな。

「あぁ……横顔も好きだ。」

俺がじっと端正な横顔を見つめていると、俺の尻ポケットで携帯が震えた。


 ……鳩村から電話、か。

仕方なく出ると、「おう、裾野」という眠そうな藍竜総長の声が耳に飛び込んできた。

『今部屋の前に居るんだが、開けてくれるか?』

『……まだ、菅野が食事中なので後にしてもらえません?』

『はぁ…………お前はミイラ研究家か?』

『はい? おっしゃっている意味がよく――』

『菅野はお前に殺された。遺体はどこだ? どこに隠した?』

『遺体なんてありませんよ、総長。俺と居るのは、生きている菅野です。』

『…………もういい。』

ブツと突然切れる通話。

その直後、なだれ込むように入ってきた藍竜組の幹部たち。

 そして俺の愛しい人を見つけるや否や、俺を拘束し、竜斗をブルーシートに包んで連れ去っていく。

「離せ! 菅野を返せ!」

俺がガラガラ声で言うと、総長はギィッと歯をくいしばり睨みつけると、俺の腹に蹴りを見舞った。

「てめぇが殺したんだろが!!!!」

一瞬視界が白黒する。総長の言っている意味がわからない。

竜斗は死んでいない。ただ、眠っているだけだろう?

「……裾野。お前は拷問の刑だ。総長があんなんじゃあ、おそらく二度と太陽の光なんざ浴びられないだろうがな。」

俺を拘束している幹部がボソボソと呟くように言う。

 このやり取りの間に竜斗は居なくなっていたことで、俺の壊れ切った精神は更に修復不可能な状態へと……陥った。



現在に戻る……


 今は。

何月何日何時何分何秒なのだろう。

1日1食だけ与えられ、音も無い真っ暗な部屋で拘束具も付けられたまま、歩き回ることも出来ずに過ぎていく。

 総長の拷問は酷いものだった。

拳銃で腹を撃ち抜いたり、そこを爪で引っ掻き回したり、目隠しを外されたと思いきや竜斗の遺体の写真を見せつけ、お前が殺したと只管に言う。

脚は傷だらけになり、ナイフで傷を抉られ、竜斗が引っ掻いた俺の手を見るなり骨を折った。

 それでも俺は生きていると思った。

俺は殺していない。

あんなに安らかに眠っていたのに、急に連れ出されて写真まで撮られて怖かったよな……?

俺が助けないと……俺が……

 だがそもそも助ける為の俺の腕も脚も……目も耳も鼻も……一体どこに行ったのだろうか……?


IF-Another So Black Story-

”相棒殺しの末路”


うわ……もうこんなん嫌……オエ……

そんなこと言わずに、次の話を押してください^^

ハッピーファンシー薔薇園が広がっていますよ~♪


とか言いつつ、時間切れでして……

続きは11月27日(日)に書きます。

病ませるだけ病ませてすみません。


これを読んだらお風呂に入るか、癒し系アニメや好きな音楽を聴くことをオススメします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ