隠させた優しい真実。後編
トローデス王家の隠された真実が明らかに!?
今回は短めかな?
俺は今現在あり得ない事尽くしな日常を送っている。
まずは異世界にいると言うこと。
銃を自由に使えると言うこと。
お姫様と同じテントに居ること。
そして最後にお姫様に求婚をされたことだ。
「それってつまり……あれだよな……プロポーズってやつか。本当に俺なんかでいいのか!?それに私達とって言ったが……それって……?」
視線を結奈に向けると彼女は此方にコクリと小さく頷いた。
「ダメ……かしら……」
ミーシャが俯きながら呟いた。
「い、いやダメと言うわけではないんだ!ただ俺の国では一夫多妻はなかったから……その~動揺しているだけだから……でも何で俺なんだ?」
ミーシャがひと呼吸して語り出す。
「姫というのはね……恋愛結婚なんて出来ないのよ……」
「それは大体イメージつくが……」
「ほとんどの場合が政略結婚……私も誘われたわ……何度も。イチイチムカつく態度をとる貴族のボンボンからどこの誰かも分からないじじぃまで。……勿論全て断ったわ」
「…………」
姫と言うのは想像以上に大変だと思い知った俺は言葉を失った。
「そんなときに、父に言われたのよ……15の誕生日までに相手を見つけなさい、って。そして3日後が約束の15の誕生日……これを過ぎれば私の意思は関係なくなるわ。そんなとき貴方に出会ったのよ」
あまりの理不尽さにミーシャが可哀想に見えてきた。
「最初見たとき、あなたと一緒にいる結奈さんが何故か羨ましい……そう思ってしまいました……。それが始まりです。それに相手が勇者様なんて姉様達に自慢できるし!」
何ともな~でも本音を聞けたような気がする。
「分かった。結奈、ミーシャ…………結婚しよう!」
「「はい!」」
こうして婚約話が一旦幕を閉じた。
「もうひとつ。吉晴さん達に知っていて欲しいことがあります。それは王家だけに伝わる真実の伝説についてです」
「隠されている部分があると言うことですか?」
ミーシャはゆっくり頷きこう続けた。
『トローデス王家は一度魔王によって滅んでいる』
ど、どういうことだ?なら今のミーシャ達は一体……
「詳しくお話ししましょう」
魔王が倒されたあと、実は伝説の彼らはしばらくこの世界にとどまっていたのです。彼らは魔王によって破壊された町の修復を笑顔でやっていました。そんな中、ある勇者がとある平民の女性に恋をしました。他の勇者も彼の恋を応援したそうです。そうして、その勇者と女性は見事に結婚し子供を授かりました。そんなときです。王宮で王を含めた王位継承権を持つ者が次々に亡くなっていきました。魔王の呪いでした。
最後には王になるものが居なくなってしまい、国を治める者を誰にするか……相当議論されたようです。そこであがったのが、その結婚した勇者でした。しかし勇者達には不安がありました。いつか帰らなければならない。大勢の勇者達は祈りました。彼だけでもこの世界に残してくれ……と。
一時的な王になった彼も祈りました。どうか…どうか、息子が18……いや15歳になるまでこの世界に残してくれ……そんな彼らを神は見てその願いを受け入れたそうです。次の日、王になった勇者以外の勇者は光となって消えて行きました。もとの世界……地球に帰ったのです。残された彼も少ない時間を思う存分、家族に捧げました。息子の誕生日が来るたび、息子の前では喜び、二人の時は泣きました。13歳の誕生日をむかえるとき、王である勇者は真実を息子に語りました。その時に立ち会った人は見ていられないと言ったそうです。
……遂に15歳の誕生日を向かえた日。今年も毎年と変わらない親子だけのパーティーでした。使用人は口を押さえて廊下で泣いていたそうです。刻々と1日の終わりを告げる鐘が近づいている中、三人は抱き合いながら笑っていました。長年付き添った使用人は邪魔にならないよう部屋の外で静かに泣いていました。
とうとう鐘がなってしまいました。城は静まり返りました。鐘が鳴り終わる頃には、部屋から王女様と王子様の泣き声だけが響いてきました。国民には王の病死として発表されました。
後日、王の書斎に二通の手紙が綺麗に置いてありました。1つは王女様宛にこう書かれていました。
《もうひとつの手紙を読めるものが現れるまで保管しておいてくれ。最後まで世話をかける。》
紙にはいくつもの涙のあとがありました。そしてもうひとつは、確かに読めない文字で書かれた手紙でした。王女は国中の魔導師を集め、永久保存の魔法をかけさせ国宝として保管したそうです。
俺はこの時泣いていた。こんなの感動映画なんてレベルじゃない……結奈も号泣していた。
「この伝説は王家だけに代々伝わってきた真実です。この話は王家の仕来たりとして13歳になると聞かせられます。そして15歳が成人と定められたのもこの時と言われています。つまり、私の中には少しながら吉晴さんと同じ世界の血が流れていることになります。」
「この国にはそんなことがあったのか……」
「そして手紙と言うのもまだ当時のまま保管されています。」
「吉晴さんには王国に着いたら手紙を見てほしいのです。」
状況的に見て、日本語で書かれている確率が高いだろう。
「分かった」
「それでは、今日は寝ましょう! 明日は早いです」
それぞれ布団に潜り込む。
「じゃ、消すぞ?」
LEDランタンのツマミをOFFにする。
「おやすみなさい……」
俺は目を閉じ寝た。 はずだった……
ここは……神界!? 何で!? いつか見たお花畑に俺はいた。
「ん?」
足に違和感があると思ったら、結奈が頭を置いて寝息をたてている。
「結奈さ~ん?」
「ん、んにゃ?」
起きた……結奈の目覚めってこんな感じなんだ~
「お目覚めのようね」
「フィーリアさんじゃないですか! どうしたんです?」
「それより初日からお姫様と婚約なんて中々やるじゃない?」
「そんなことを話すために人の睡眠邪魔したんですか」ムス
「違う違う! 結奈ちゃんのことだよ! ちょっと問題が発生してね……」
何なんだろう……
「今の結奈ちゃんが魔法を使うと宇宙が壊れます」
「な、何……でも使いましたよ?」
「あの時は危なかったです。魔力無限……無限と言うのはそれほど危険なものなんです。その気になればビックバン以上の何かもおこせてしまうんです」
結奈は事の重大さを分かっていないようだ。
「なので魔力のセーフティーをかけたいと思います。安心してください。どんなに使っても魔力に困ることはありませんから」
「是非お願いします! ガッチガチにかけちゃってください!」
そう言うと結奈の体が少しだけ輝いた。
「これで終了です。もう帰って良いですよ?」
扉が現れたと思ったら、数人のメイドが現れた。
「s、そうですか……ではまたは……」
結奈は訳がわからず別れを済ませる。
「ば、バイバイ?」
「「「行ってらっしゃいませご主人様、お嬢様。」」」
何だか分からないが、フィーリアの仕業だな。口押さえて笑っていやがる。
扉をくぐると俺は眠りから目が覚めるところだった。全く寝た気はしないが今日も1日頑張るか!
両腕が美少女二人に抱きしめられ柔らかな感覚を楽しみながら、心の中に気合いを入れる吉晴だった。
吉晴「今回は驚きばかりだったな…結婚か…」
作者「ミーシャの頑張りのお陰なんだぞ!感謝しなさい。」
結奈「結婚…」ポッ バタン…
吉晴「た、倒れたぞ!?」
ミーシャ「結婚…勇者様と結婚…」ニヒヒヒ トロ~ん
作者「次は遂に王国入りだぞ!」
吉晴「は!?、ミーシャのお父様にあって…ご挨拶…」ダラダラ…
ガーデリック「姫様も大きくなられた…このガーデリック、嬉しい限りです!」
作者「全員ダメじゃな…次回 トローデス王国」
見回りA「あ~このコーヒー温めたらウマそうだな…」
見回りB「ガム飲んじまった!俺死ぬのか!?」
作者「まったく…」