招待する?
中々進みませんね…今回は異世界とのファーストコンタクトと銃を語る会になりそうです…
オッド·アイそれは正義である。消して結奈が可愛くないと言うことではない。
ハンビィーと馬車の距離はそれほどない。俺はM4を消してP90を召喚する。消せることは出発前に確認済みである。この銃は人間工学にもとづて設計されており、その独特なフォルムは印象深い。差し詰サブマシンガンとアサルトライフルの中間的な役割を担う。命中精度も取り回しのしやすさも、この銃を選んだ理由だ。
「それも銃なの? なんか可愛いね♪」
誰か女の子の可愛いの定義を教えていただきたい!
「使うか?」
「良いの!? ヤッター!」
仕方ない……M9でいいか。と腰のホルスダーに収まっているベレッタを取りだし、スライドを引き弾が入っていることを確認をして何時でも撃てる準備をした。
辺りを見渡せば、まだ生きているやつが少なからずいる。可哀想だが、コイツらのカウンター攻撃は脅威になり得る。それに仲間を呼ばれでもしたら面倒だ。
まず足元で血だらけになり今にも死にそうなヤツが必死で刃こぼれ剣に手を伸ばしている。ゴメン。そう心の中で呟きソイツの頭部へ銃口を向ける。端から見れば一方的な虐殺だ。そうして乾いた破裂音が響き渡る。それは13回にも及んだ。
結奈も数初撃ったようだ。その表情は冴えない。テレビで見た中東での日本人殺害と似たような事をしているのだから。
「終わったか……?」
「う、うん。」
「そっか……じゃあ行こうか。」
再び馬車へ向かい始める。その間も生きてるヤツがいれば、止めを射していった。馬車側からも目の下に大きな傷をもった大柄な男が前に出る。
「我らを助けていたただいたのは、あなた方でしょうか?」
ゴツい顔のわりに話し方はシャープだった。
「え、えぇ。確かに」
言語理解がちゃんと聞いている様で助かった~
「この度は本当に危ういところを助けていただき感謝する! 礼をしても仕切れん!」
「いえいえ、礼なら彼女に言ってあげてください。彼女が場所を教えてくれなければ私も気づきませんでしたから。」
「い、いえ、私は何も…お礼なんて勿体無いですよ……」
そんな俺らの謙遜んな態度に護衛メンバーは呆気に取られていた。
「黒髪に、黒目。それに馬の引かない鉄の馬車……」プルプル……
そうオッド·アイ少女が呟いたかと思うと、
「勇者さ~ま~!」
と、抱き付いてきた。お、おいそれは手榴弾のピンだ!
ヒヤヒヤさせることもあったが、ようやく解放される。
目の下に傷のある男が口を開いた。
「許してやってくれ、けして悪気があったわけでは無いのだ。そんなに警戒しなくとも、こちらも敵では無いことくらい承知している。私はガーデリックだ。」
「いえいえちょっと、ビックリしただけですので、お気になさらないでください。私は吉晴、吉晴と呼んでください。こちらは結奈です。」
結奈はペコっと頭を下げる。
「吉晴殿と結奈殿だな。」
「ところで先程の勇者とは何ですか?」
ガーデリックは驚いた顔をする。
「知らないのですか?」
「全く知らないです。」
そう話したら、昔からトローデス王国に伝わる伝説を聞かせてもらった。
噛み砕いて説明すると、4000年前に魔王が現れたらしい。様々な国が焼き払われ、ついにはトローデス王国と一部の小国しか残って居なかった。そこに馬を必要としない鉄の馬車の一団が現れ彼らは見事魔王を倒し平和を取り戻した。そこまでなら有りがちな伝説で終わったのだが、話はこれでは終わらなかった。彼らは日本から来た。確かにそう言ったらしい。
俺達は驚いた。きっと俺達は知っている。日本で唯一組織めいた戦闘を行える集団を。
「どうされました?」
「この人たちなら、私たちのこと話しても良いんじゃないかな?」
「そうだな……ガーデリックさん。伝説の彼らと僕たちの話をしましょう。」
僕は話した。伝説の彼らは俺たちの国を守っていた自衛隊と言う防衛専門の軍隊と言うこと。そして俺達はその日本からやって来たと言うこと。自衛隊は軍隊ではないがここで説明するのは難しいため分かりやすく軍隊と表現した。
「やっぱり勇者様だ~!」
この女の子のはしゃぎ用は何なんだ?
「姫様! お立場をおわきまえて下さい!」
姫様だって!?
「姫様とは一体……」
「私はこのトローデス王国第三王女のミーシャリア·トローデスだよ?」
「ちょ、えぇ~!お姫様!?」
「凄いよ凄いよ!本物のお姫様だって!」
いきなりの姫様発表に動揺しているなか使用人さんが口を開いた。
「姫様、彼らが勇者でも勇者でなくとも、姫様を助けていただいた事に変わりはありません。城に招待していただいたらどうでしょう?」
「城に招待……」エヘヘ
使用人がこちらに向く。
「いかがでございましょう?」
「あ、勿論です! いく宛もこの世界のお金もありませんし……」
「それでは早速といきたいんですが、先の戦いで馬がやられていまいまして……」
確かに馬は死んでしまっているようだ。
「それならあれで引っ張って行きましょうか?」
ハンビィーを指差して言う。
「それは助かります!早速準備をして参ります」
俺は太めのロープを召喚しハンビィーと馬車を繋げる。ハンビィー! お前の馬力が頼りだ! 馬力上は問題ないんだがハンビィーが馬車を引っ張る何て聞いたことがないため不安がつのる。
結奈とハンビィーに乗り込もとすると、後から呼び止められる。
「私もそっちに乗っては、いけませんか?」
断る理由もないので、座る席を確保する。
「狭いけど良いかな、姫様?」
「ミーシャ。ミーシャでいいから……」
流石に一国のお姫様に呼び捨ては……
「あなた達は勇者。この国では私なんかよりも権利は大きいのよ?」
ビックリ発言だ。
「だから、私を呼び捨て何て考えなくても良いの」
「分かったよミーシャ……」
それを聞いたミーシャはニコリと笑う。
「それと、これとかは武器なの?」
手にしていたのは、9mmルガー弾だ。
「それは、弓で言う矢の部分なんだ。」
「じゃあ、弓の部分は?」
辺りを見渡すミーシャは小動物っぽくて癒される……
「これだよ。使う銃によって撃てる弾も変わってくるんだ」
とベレッタを見せる。
「へぇ……この大きいのもそうなの?」
「そうだよ、それは上に載っかってるM2重機関銃の弾だよ。ちなみにミーシャ達を助けたのもその銃だよ」
もうちょっと驚かして見るか……
「伝説の勇者が使った武器を見せてあげましょうか?」
この言葉にミーシャは大きく目を開く。
「本当に!? 本当に本当にあるの!?」
頷く。この子はどれだけ伝説を愛しているんだ?
「チョイとお待ちください?」
間もなく俺の手に黒い物体が現れる。
「これが自衛隊の89式小銃だ。」
日本のアサルトライフルならこれしかないだろう。アメリカとの共同戦線を前提として作られた89式小銃はアメリカ側の主力のM4と同じ5.56mmNATO弾を使うことで戦場での弾薬の受け渡しを可能にした銃だ。伝説の勇者が銃剣ありか折り畳み式かは知らないがこの際些細なことだろう。弾が入っていないのを確認しミーシャに渡す。ミーシャの中では、89式小銃は差し詰、伝説の勇者が使った伝説の聖剣と同じ認識だろうか……
「重い……これが勇者が使った武器……」グスン……
「!? え、ど、どうしたの!?」
「いえ、大丈夫です。すみません……取り乱して。後で二人にお話したいことがあります。」
「そ、そうか。分かったよ、ついでにその銃はプレゼントするよ」
そう言ってマガジンは空の状態で渡す。
「ただし、勇者の武器とは無闇に言わないこと。盗まれたり無くなったら直ぐに俺に知らせてくれ。一人で探そうとするなよ?」
ウンウンと頷く。遠距離からでも消去を使えば盗まれることはない。それにそこまで国の中心である城の警備がずさんとも思っていない。
「最後だ。この銃を隠そうが飾ろうがどっちでも良いけど、危険なときにはためらわず撃つんだ。その為に1発だけ弾を渡しておく」
一国のお姫様に何言ってんだか……自分でも何を言っているのか分からなくなってきた。
「分かった。この銃は家の家宝にする。」
俺は苦笑いをする。銃が家宝って何処の軍国主義国家だよ。そこまで言わないが……
「それじゃあ出発しようか」
「運転手は私が努めまーす!」
「結奈良いのか?」
「吉晴君は、ミーシャさんに銃の使い方を教えてあげてください!私は人に教えるのは得意ではないから……それに私にも役を下さ~い!」
「わ、分かった……」
ミーシャもハンビィーに乗り込む。
「柔らかい……」
それが第一声だった。
こうしてハンビィーは王宮御用達の馬車を引っ張りトローデス王国へゆっくりと進んでいった。
吉晴「可笑しいな…まだ異世界初日なのか…」
作者「本当にすまない…君達の睡眠はもう少し待ってくれ…」
結奈「何々…私達が寝たあともイベントがあるって書いてるんだけど…」
吉晴「貴様~!ここはブラック企業か!?」
作者「これは後々必要なことで…」
結奈「次回 隠された優しい真実。」
ミーシャ「感動するぞ!」
???「「「行ってらっしゃいませご主人様!またのお帰りを心よりお待ちしております!」」」
吉晴「何これ…懐かしい雰囲気…」
結奈「…。」