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異世界でも、チートよりも大切なこと。  作者: 芳賀勢斗
世のため国のため。
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長めに書いたと思います。異世界ハーレムで定番の…が登場です。あぁ~高校の合格発表が間近…。胃が痛い…。

出撃当日。予想外な問題があることに気が付いた。それは滑走路と言う平坦な土地が無かったことだ。

「これじゃあA-10が飛ばせない…空母から発艦させるなんて聞いたことないしな…」

俺が深い溜め息を付いているところに結奈が問いかけた。

「その戦闘機じゃなきゃダメなの?」

「正直なんでも良いんだけどね…ただ飛んで爆弾とビラを撒いてくるだけだから…」

「しょうがない…空母から発艦させるか…結奈、A-10からF-35に変えよう。」

「なんか戦闘機にありそうな名前だね~」

「一応最新鋭戦闘機だぞ?あ、空母必要ないかも…垂直離着陸できるF-35Bなら…」

しかしそれではミーシャが乗れなくなってしまう。結局空母からの出撃になった。つまりF-35Cと言う、空母からの発艦を可能とした型を使うことに決定した。中でもMk.84と言う爆弾の威力はすさましい。

「もうニミッツはついたみたいだから、早速ヘリで向かうよ?」

早速ヘリを召喚し原子力空母ニミッツへ向かった。

ヘリ内では、ミーシャが興奮を抑えきれない様子でちょっとうるさい…

「音より速い!?それは凄いです!ソニックドラゴンに匹敵しますよ!?」

しばらくして巨大な空母が見えてきた。今のニミッツは食糧確保がいらないため半永久的に航行可能になっている。これが原子力空母の良いところだ。

「お待ちしておりました。艦長。海龍種戦の録画データはお役にたちましたか?」

「もうバッチリだったよ♪」

「それは何よりです。今回の作戦内容は聞いていますが、A-10の発艦は難しいですよ?爆装なしでブースターを使ってやっとです。」

やっぱりか…となるとF-35に決まりだな。

「F-35Cなら問題ないな?」

発艦実績もあるし問題ないはずだ。そしてA-10の後続機としての意味合いも強いF-35なら今回の任務も適任かもしれない。

「それなら可能です。5機で宜しかったですか?」

「あぁ、その内の2機は俺と結奈が操縦する。残り3機のうち1機にミーシャが乗るけどミーシャは操縦ができないから緩めの操縦を頼むぞ?」

人間が乗る有人機と無人機では機動性能の面では無人機が勝る。これは人間が耐えられるGが決まっているからだ。人間がいくらGスーツを着ても、戦闘機の本気の旋回をすれば、あっという間に脳から血が減り意識を失ってしまう。しかし無人機には制限がないためその機体が出せる最高の性能を引き出すことができる。これが日本を含め世界各国が無人機開発を進めている理由の1つだ。

「それと、無人の方のコックピットにこのビラをありったけ入れたいけど…問題ないか?その機体は作戦中に消してしまうのだが…」

「大丈夫です。お早くお着替えください。こちらの準備は出来ておりますので。」

何処からともなくジェットエンジン特有の甲高い音と、地響きのような排気音が聞こえてきた。

俺達は直ぐにGスーツに着替えてコックピットに乗り込んだ。当然ミーシャの着替えは結奈に任せた。

準備を始めた俺だが思い出したようにミーシャの乗る機体に駆け寄り手短に説明した。

「よく聞けミーシャ。ここに話せば俺達と会話できる。くれぐれもボタンには触るなよ?」

「これから音より速く…楽しみです…」

ダイジョブそうだな…。俺はミーシャのGスーツから伸びるホースを機体に繋げ、自分の機体に戻った。

「何時でも発艦OKです。」

無線からニミッツの声が聞こえた。それを聞いた俺はスロットルを押し込んだ。

スゲー、カタパルトが勝手にセットされた。直ぐに急激な加速が始まった。

「グッ…」

想像以上の加速で体が後に押し付けられる。それでも俺はスティックを引き寄せ無事に発艦することができた。結奈もミーシャも俺と似たような反応だった。無人機の方は、何か何事もなく全てプログラムにより制御されてるように3機全てが同じ様に発艦していた。それから俺達は燃料消費の良い上空にむかい、高度5000mを飛行している。ミーシャは雲の上に来るのは初めてらしく、目に焼き付けるように食い見ている。

どれくらい飛んだだろうか、もうそろそろ目標上空に差し掛かろうとしている。

「結奈、1000mまで降下するぞ。」

「了~解!」

俺達が降下を始めると、それを知っていたかのようにニミッツ操る無人機達もそれに合わせ降下してくる。

雲を掻き分けるように降下して行くと、次第に雲が薄くなりガレッド帝国と思わしき大陸が見えた。

作戦内容はあまり変わらないため、俺は2発のJDAMの投下の準備をする。無人機と結奈を見ても兵装ハッチが開いているため同様な作業をしているのだろう。

「もうすぐ第一目標だ。各機JDAM投下準備。」

5機のF-35の編隊は、真っ直ぐにガレッド帝国の王宮に突っ込む。

「投下!」

投下した俺達は、直ぐに次の目標である軍港に向かう。今は町の上空500mを威圧するかのように失速ギリギリで飛んでいる。その時激しい爆発音が何回も聞こえてきた。どうやら無事に命中したらしく空高く伸びていた塔は消えてなくなって、黒い煙が立ち上っている。

「恐ろしいな…次の目標が見えてきた。Mk84投下準備。」

次のは破片殺傷範囲300m以上の強力な爆弾だ。

「散開して広範囲に投下する。」

先程は城と言う1つの目標だったが、今度はかなり広い港だ。造船所も隣接して配置されているため広範囲に広がるように投下する必要がある。

「各機自由に投下開始。接触に気を付けてくれよ?」

「了解でーす!」

5機の編隊は残り全ての爆弾を消費させる。コックピット内にまで爆発の衝撃が伝わってくる。その時、機体の異常を知らせるアラーム音が鳴り響いた。

「うぉ!?どうした?って、燃料漏れ!?マジかよ…」

減り方を確認するが幸い今すぐどうこうなる損傷ではないが、ニミッツまでは持ちそうになかった。

「どうしたの?」

結奈から心配の無線が届いた。

「あぁ~悪い…何かいつの間にか高度下がってって、自分の爆弾の攻撃範囲内を飛んでいたみたいで燃料タンクに穴空いちまった…」

「え!?それって一大事じゃない!どうすんのよ!?」

余りにも声が大きすぎて音割れしていたが大体言いたいことは分かったのでこれからのプランを結奈に伝えた。

「落ち着け結奈、今すぐ墜落する訳じゃない。まだ大分飛べるみたいだ。でも空母までは持たない。ビラ撒きがまだ残っているから、港への空爆は終了だ。ビラ撒きが終わったら結奈達は空母に戻っていてくれ。俺はそこら辺で、また戦闘機召喚してすぐ戻る。」

「艦長…大丈夫なのですか?」

ニミッツも大変心配しているようだ。

「おそらく、ガレッドはこの騒ぎで手一杯だと思うから、追っては来ないはずだ。」

「吉晴君のドジ…」

それからは町の上空で編隊の最後尾についたビラ入りF-35を能力で消し、残されたビラだけがそらに降り注いだ。

「それじゃあ気を付けてね…」

「吉晴様…」

「すぐに帰るよ♪」

そう言い残して俺は編隊から離れた。あぁ…ドジやらかしたな~

最後の最後で詰めが甘い自分に、文句を良いながら深い森に向かった。

「別れて正解だったな…燃料漏れが激しくなってきた…急いで平な土地を見つけなきゃヤバイな…」

町の近くにはたくさんあるのだが、いくらなんでも危険すぎる。そこで森に来たのだが…何も見つからない。一旦降りてしまえば、木が邪魔でヘリも飛ばせないだろう。そうなれば徒歩で探すしかなくなる。そうなればかなり時間がかかってしまうことば容易に想像がつく。

「なんてついていないんだろうな~」

燃料ももうなくなる寸前まで来た。ここまで来たらもう徒歩しかなさそうだ…。

「脱出するか…」

俺は座席にあるレバーを引いた。よくある座席ごと飛んで行くあれだ。それと同時に今まで乗っていたF-35を消した。

無事にパラシュートが開きゆっくり降下して、…

「何で木に引っ掛かるんだよ…お約束だけどさ…」

この光景がかなりカッコ悪いことは、よく映画で見ていた吉晴自身が一番知ってる。

足から地面までは2m弱だからこのまま落ちても、楽に着地できる。

召喚したナイフでロープを切り無事に着地するが、これからのことを考えると溜め息が出る。

「さっき見つけた川にでも行きますか…」

バギーを使ったがマングローブのような木の根っこに引っ掛かり壮大にコケたので、やっぱり歩きになった。

5kmほど歩き続けた頃には、水の流れる音が聞こえ始める。

「やっとついた…」

久々にこんなに歩き続けた吉晴はもう汗だくだくで、無性に川に飛び込みたくなった。

この辺りの気候は熱帯なのか、非常に蒸している。そんな気候の中で川の付近は涼しい空間になっている。「てか、Gスーツのままだったな…そりゃ暑いか…」

その時、石の転がる音が聞こえた。注意深く辺りを見渡すと、ある大石から傷だらけの細い腕が見えていた。サイズからして子供…いや少女か?俺は慎重に近づいて行った。

「お~い、聞こえるか~…。」

声をかけてみるが応答も無ければピクリとも動かない。まさか…

「おい!大丈夫か!?」

「来ないでください!!!!」

「ふぇ!?」

駆け寄ろうとしたが、少女のいる位置とは、ちょっと違う方向から声がしたので俺はビックリしてしまった。しかしそこには誰もおらず、聞こえた声もピクリとも動かない少女から発せられたとは到底思えない力強さでよりいっそう謎が増えるだけだった。

「ど、どうしたんだ?」

「善人ぶっても無駄ですよ!どうせ私達を殺しに来たんでしょ!?」

何だか訳ありのようだが、二人いることは分かった。しかし何か誤解しているみたいだな…

「よくわからんが俺はただ、迷っていただけだ。」

俺は傷だらけの少女をサーモグラフィーで見たが、体の所々が冷え始めている。これでは時期に死んでしまう。外傷は擦り傷だけで大きな怪我は無いようだ。どちらにしてもこのままでは命の危険があるのは確実だ。

「君達が何者なのかは知らないが、倒れている彼女はこのままでは死ぬぞ」

「…。」

元気そうな彼女も分かってたみたいだ。

「じゃあ、貴方はどうする気なの…」

「俺は君達を殺す理由はない。できるならその子を助けたいのだが…」

「私達が何者でも?」

「意思疏通ができれば俺は何でも人として扱うつもりだ。」

「…本当ね…。」

彼女等がどんな存在でどんな生活を送ってきたのかは知らないが、少なくともミーシャよりも幼そうな少女を助けて、バチは当たらないだろう。

「良いわ…ただし、変な真似したらその首落とすわよ…」

未だに会話の相手の姿は見れないが、その声には殺意が感じられる。

「良いだろう。」

俺はゆっくり少女に向かって歩いていった。当然サバイバルナイフの類いは消してある。

遂に少女の全体像が見えたが、服が軽くR15位まで破けている。浅いが切り傷のような痕も確認できる。

「約束は守ってもらうわよ。」

声をした方向を見るがそこには誰もいなく、首をかしげ視線を下に向けると彼女はいた。

身長10cm位か?大きさ的にフィギアだな。もしかして妖精の類いか…?

「いったいどうしたんだ?」

「川に流されて、ここに打ち上げられたわ…二日前のことね…」

「そうか、よく無事だったな…取り敢えず温めるぞ?」

いくら熱帯の気候でも弱った体で、これ以上冷えるのは不味い。

俺はテントと電気ストーブを出した。電気はカーバッテリーをAC100Vに変換してまかなっている。ついでに乾燥機と布団も出した。

「この子を運んでもいいか?」

「良いわ…。」

許可を貰った俺はゆっくり少女を抱き上げた。お姫様抱っこなんて初めてだが何とか布団に寝かせることができた。それにしても軽かったな…。

電気ストーブの設定温度を27℃に設定した。まずは目覚めてもらうのを待つしかない。本当なら栄養剤を注射とか点滴で与えるのだが、ここでいきなり注射なんてすれば後の彼女に殺されかねない。今できるのはここまでだ。

「名前は何て言うんだ?」

「シヴィ」

「そうかシヴィと言うのか、俺は新島吉晴っていう。シヴィちゃん、彼女が目を覚ましたら、これを飲ませてやってくれ。ただの栄養剤だよ。」

2日何も食っていないのだ。相当衰弱していることだろう。

「分かった…」

「んじゃ、俺は外で見張ってるよ。何かあったら呼んでくれ。」

「聞かないの?私たちのこと…」

「聞いて話してくれるなら今すぐにでも知りたいが…」

「それを知れば、私達をそんな優しい目で見れなくなるわよ…」

今度は殺意は感じられないが、その言葉に今までの悲しみが感じられたような気がした。

しかし彼女が何者であれ俺は彼女を退けることは無いだろう。

「ま、気が向いたら話してくれ、それでいいぞ?」

俺はそういい残しテントをあとにした。シヴィの視線は未だ目を覚まさない彼女に向けられている。



あの男は何なのでしょうか…いい人なのは分かる。でも私達は人間からいつも憎まれてきた。私達の正体を知ればきっと彼も、私達を憎む。もう憎まれるのは嫌…裏切られるのも嫌…差別されるのも嫌…。どうすればいいの…

「…寝てしまっていたのね…」

「し、シヴィ…」

「!?だ、大丈夫!?め、目が覚めたの!?」

傷だらけの少女は、うっすらと目を開けていた。

「ここは…どこなの?」

シヴィは涙が出るほど喜んだ。しかし何かを思い出したように、近くに置いてあったビンを見つめる。

彼が嘘ついてあれが毒だったら?でもそれならわざわざここまで看病する必要がない。何時でも殺せるチャンスはあった…なら…

「これを飲んでちょうだい…」

「これは?飲み物?」

「栄養剤みたいよ…2日も寝込んでいたのよ?」

「そうなんだ…」

少女は吉晴とか言う男の出した栄養剤に口をつけた。

「美味しい…」

少女は一気に飲み干した。シヴィはホッと胸を撫で下ろした。それからシヴィは少女に今までの経緯をすべて話した。

「会ってみたい…お礼もしなきゃいけないし…」

「そう…なら呼んでくるわね…」



は~ニミッツに今頃結奈達は到着する頃かな~メールしとくか…


《なんか戻るの遅れそうだ…飛べる場所見つかんなくて、森の中歩いてたら怪我した女の子見つけて看病してる。なるべく早く戻るようにするから心配しないでくれ。》


「これでよしっと。」

スマホをしまったところで、テントの開く音がした。

「目を覚ましたわ…」

意外に早かったな~後は傷の手当てか…

「それは良かった!そうだ、服ボロボロだったろ?サイズ合うか分かんないけど、良かったら着させてあげてくれ。」

「あ、ありがとう…」

服を小さな体で受けとると、そそくさとテントの中に戻っていった。

(これを私に!?いけませんよそんな…)

(良いのよ!早く着替えなさい!そんな格好で会うつもりですか?ほら見えてますよ?)

(あぅ…分かった…分かったから、外に聞こえちゃうよ…)

(ほらほら早く!)

やべ…猛烈に中に入りたい…そんなことすればシヴィに殺されるな…

「もう良いですよ…」

「お、おう…」

俺は恐る恐るテントに入った。そこには布団の上に正座した赤色の目をした銀髪少女がいた。

「こ、こんにちは…バンパ…すみません…リュミって言います…」

「リュミちゃんか…俺は新島吉晴だ。宜しくな!」

「こちらこそ…よろしくお願いします…。その…ありがとうございました!」

「いいよいいよ♪それよりこれからどうするんだ?」

「………。」

二人は黙ってしまった。どうやら行く宛も無いみたいだ。困ったな~この世界に交番なんてないしな~このままほっとけば、またいつかこんなような事になりかねない…だったら

「良かったら一緒に来るか?俺達はちと普通じゃないけど…」

「それは無理よ…」

シヴィがしたをうつむきながら呟いた。リュミも同様だ。

なにか無いのか…うーん…。まず何で彼女達はそんなに人を信用していないのだろうか…あれ?こういう展開はまさか…一か八かだな!

「何でだ?俺は吸血鬼でも魔族でも仲間として付き合えるぞ?」

リュミは目を丸くしてこっちを見てる。シヴィも同じだ。これは完全ヒットしたな…

「い、今何て言ったの…?」

「吸血鬼でも魔族でも仲間として付き合えるぞ。だ」

「本気で言っているの?」

シヴィも今までにない動揺をしている。リュミに至っては口にてをあて泣いてるぞ…

「おぅ!確かに魔族には悪いやつがいるけど…全員じゃないだろ?」

あれれ…シヴィも涙出てるぞ…本人は気づいていないようだが…

「嘘よ…そんなの…魔族と人間が…うまくいくはずないわ…ずっと、魔族からも否定されて、人間世界に追放されて…仲良くなっても、魔族と知ったらみんな逃げていって…命狙われたり…」

「大変だったんだな…お前ら…。」

「ぐすん…貴方は信じていいのね…。」

「俺は裏切らない。何時も味方だ。これでも俺は偉くて強いんだぞ?」

「リュミ…どうする…?」

シヴィがリュミに泣きながら確認した。リュミも泣きながら頷くだけだ。

「んじゃ飯食うか!明日は仲間と合流するけど心配すんなよ?みんな受け入れてくれるよ♪」

気付けば辺りは暗くなり、すっかり夜になってしまった。俺はスマホを見ると未読メッセージが60件!?どんだけ心配なんだよ…一応返信に今回の出来事を全て書いておいた。すぐに返信が来て、トローデス王国には数こそ少ないが無害な魔族は差別されるようなことなく暮らしているようだ。

「だそうだ。」

「そんな…国があったのですか…」

「本当なの?」

「これはトローデス王国第3王女の情報だぞ?」

「え…はい?」

言ってなかったかな…そうだ言ってなかった!

「すまない…言ってなかったな…俺の嫁様は第3王女様なんだ。」

「な!なんですって!?」

「はわわ…偉いってレベルじゃないです!」

「そうかな…アハハ…」

そんな出来事があったが俺達は眠りにつく。俺は寝袋でシヴィはリュミと同じ布団で寝ている。

明日は離陸場所探しか…はぁ…

そんな深い溜め息をして目を閉じた。



「吉晴様はまだでしょうか…お腹空いてしまいました…」

「お腹減ったよ~」

「あらあら…お二人とも…」

空母の上で空を見上げる二人は思った。

「お腹空いた~!」

これから来る魔族のことなんて頭から消えている二人はただただ空腹に耐えるだけだった。

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