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シーフ・ストーリー・ボード ~神々の踊り子~  作者: 方丈治&ととろ
第一章:ミリバール城~旅立ち
4/19

ストーリー3


 ※プレイヤーの選択:①皮のよろい×1、③皮のたて×1を買う

 ※プレイヤーの選択:⑥ミリバールのぼうぐ を売る



 皮のよろいと皮のたてを買ったディオスは、それぞれ装備した。隊長の証である徽章は、持参してきていた皮の嚢の中に大事に入れておくことにした。

「まあ、はじめはこんなものでもよいだろう。どこかの国の言葉では、質実剛健、とも言うしな!」


 ◎ディオス・データ

 E:カイバーブレード

 E:皮のよろい

 E:皮のたて

 大事なもの:たいちょうのあかし

 レベル:1

 攻撃力:19

 守備力:25


 ※所持金:680M


 ミリバールの鎧の品定めをしながら、店主の男は不思議そうに口を開く。

「それにしても、この鎧を売っちまうなんて……何か重要な任務でも王様から仰せつかったのかい?」

 その瞬間、ある言葉がディオスの頭の中によぎった。

(──今回の旅は、ミリバールの民にも知られてはいけない秘密の旅!)

「そ……そんなことはありません!! ま、まさか、私が旅になど、出るわけがない! それでは失礼いたす!」

 ディオスは不自然な咳払いをしながら、防具店を出て行った。これ以上店内にいては、余計なことを喋ってしまうと察したのだろう──現時点で「余計なこと」は喋ってしまっているのだが、ディオス本人が気づいているわけがない。

 その場に残された店主は、感心したように溜息をついた。

「へえ……ディオス坊、旅に出るのか」


「ふう……危なかった……」

 ディオスは手の甲で額を拭うと、辺りを見渡し、そして気付いた。そう言えば、エルマと待ち合わせの場所や時間などを申し合わせていない。

「まったく……一体、あの賊はどこで道草を食っているのだ?」

 ディオスは不満そうに呟いた。まだ旅に出る前なのに、既に問題発生だ。

 そうやって防具屋の前に立ち尽くしていた時である。


 バアアァ────ァン……


 城下町に爆音が──何かが破裂したような音が響いた。

「なっ……何事だ!!?」

 ディオスは驚いて、辺りを見渡した。道行く人々も突然の爆発音に驚いて、顔を上げている。

 その時、ディオスは南東の方角に一筋の大きな煙が立ち上っているのに気が付いた。目算では、ここからそう遠くない。

「待っていろ! このディオス、今からそちらに向かおう!!」

 ミリバールの治安を守るのは自分の務めだと自負しているディオスは、エルマを探すことなどすっかり頭の外に追いやってしまっている。代わりに、民を救うことで頭がいっぱいのようだ。煙のもとで何が起こっているのか、さっぱり分かっていないのだが。

 空にもくもくと立ち上る煙を不安そうに眺めてはざわついている人々の間をすり抜け、ディオスは「事件」の場所に向かって駆け出した。


 南東の方角に走っていくと居住区域に入ったようで、沢山の民家が立ち並んでいる。商店の並ぶ大通りとは違って、住民が仕事で出払っている昼間は閑静なものだ。

 しかし、今は違う。

 一軒の民家の前に大勢の野次馬が集まって、辺りは騒然としていた。ディオスも人々に倣って上を見上げると、なんと二階部分が半壊状態になっている。二階の窓という窓のガラスはものの見事に全て割れ、一部の屋根など吹っ飛んで、家屋の中身が丸見えだ。破られた屋根や窓から出てきている煙が、先ほどディオスが目撃した煙らしい。今は少し収まってきているようだが、まだ二階部分からゆっくりと立ち上っている。

(何が起きたというんだ? こんな普通の民家で……)

 ディオスはゴクリと唾を飲み込むと、前に踏み出した。野次馬を押しのけて民家の入口前に立つと、思い切って扉を開けた。

「御免!」


 *****


 その頃、エルマはというと──城下町の道具屋に訪ねているところだった。

「──……何!? 今の音……」

 城下町のどこからら聞こえた爆発音に、エルマもハッと顔を上げた。

「……ま、いっか♪」

 しかし、すぐにエルマの興味は目の前のことに戻る。再び顔を下げて、ガラスケースの中を覗いた。ガラスケースの中には、薬草や木の実類などの商品が陳列されている。

「おじさーん、ダイナッツは置いてないの?」

 切り替えの早すぎるエルマと違って、まだ心配そうに窓の外を見ていた店主が、自分を呼ぶ客の声を聞いて我に返った。慌てて振り返ると、大きな猫目の女にこう答えた。

「あ、ああ……ダイナッツかい? すまないが、ちょうど今、入荷中でね」

「そっか~……」

 エルマはしばらく考え込むと、ガラスケースの中の木の実を順に差しながら口を開いた。

「じゃあ、これとこれ、二つずつちょうだい!」

「はいよ、ナマーナッツとイートナッツだね。全部で50Mだよ」

 店主がガラスケースから二種類の木の実をそれぞれ二つずつ取り出す。それを包装し始めたのを見て、エルマが、あっ、と声を上げた。

「ちょっと待って! 他にも買うものがあるから……」


 ※何を買う? 買う品物の番号と数を指定してください(所持金:1600M)


 品物(品名、値段、説明)

 ①せかいちず 300M 世界を旅する際の必需品。地図の正確さに定評がある。

 ②やくそう 10M 怪我をした時に張ると、傷の治りが早くなる。

 ③ラーマのおまもり 120M どこかの国に存在する宗教、ラーマ教から伝わるお守り。身につけていると、ラーマの精霊が守ってくれるという言い伝えが……。


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