2話 現状把握
また説明回……すいません。
異世界というものがある。
数は全部で6つ。
4つの世界からなる下界と、魔界、天界だ。
魂を持つものが転生できるのは下界だけと決まっている。
4つの世界にはそれぞれ名前が付いていて、存在する特殊な『力』もそれぞれの世界に1つと決まっている。
魔法の「イルシオン」、闘気の「シュラハト」、能力の「アラギ」、科学の「エクシト」だ。
――世界はこれに魔界、天界を足した6つ、6つだけなんだ。
――なのに何なんだこの世界は!?
俺がこの世界に生まれてから6年が経った。
いつもの人生ならこの歳くらいで魔界へ鍛錬しに家出するのだが、今回の転生先は明らかにおかしい。
そこで俺は、この6年をかけてこの世界について調査してみた。調査といっても、ばれない様に親父の書斎の蔵書を読み漁ったりしただけだが。
結果、重要な4つの事が分かった。
1つ目、俺が生まれたこの家について。
これは本に頼るまでもなかった。そこに住んでいるんだから簡単だったな。
予想通りいいとこの家だったようだ。
それも軍(この世界は騎士団等では無かった)に優秀な兵士を輩出する名家だった。
親父本人は司令官クラスのお偉いさんで、おふくろはその副官のようだ。その他にも親父の兄弟たちも同じ軍に所属していて、皆親父クラスらしい。
そしてこの6年間でちょくちょく家訪ねてくる奴がいた。
何でも、親父たちの上司である男性の娘らしく、仕事の話に来るその男性によくついてきて「子供は子供で遊んでなさい」と無理やり遊ばされた。名前は東条紗枝。まあ、幼馴染ってやつになるかもな。幼馴染といえば、分家に如月美香子という奴もいて此奴もそれにあたると思う。仲が言い訳ではないが。
次に2つ目、世界について。
どうやらこの世界は、6つの世界が混ざった感じのところらしい。
――下界だけでなく魔界もだ。
全部の『力』が存在することにも驚いたのだが、俺が1番驚いたのはこの事だ。
何と魔界が混ざったせいで普通、「移動門」を使用してしか魔界から現れられないはずの魔物が、この世界で繁殖しているのだから。
そのせいでこの世界の奴らの魂は他の世界の者たちの比べるととても大きい。せいで、というほど悪いことではないが。
次に文化。
どうもこの世界は科学の「エクシト」――――つまり地球が元になっているようだ。
言語、通貨、風習などは現代日本のもの、建物や技術レベルは地球で言う西洋中世風のものだった。まあこの部分は大体の異世界と共通のことだが。
しかし、やはり他の世界とは違い、いくつかの科学技術が存在していた。
だが俺が確認できたものは銃と多少の家電と布製品、家電は電気ではなく魔力で動くらしいということだけで、とても少なかった(家の広い敷地から碌に出させてもらえなかったのが原因だ)。
…………これだけでもいい収穫だと後で思い直したんだがな。
後は現在位置。
まず、俺がいるのはヴォンターデ大陸という大陸の、中心にある永世中立国家ベネットの首都エリザベートだ。
そして、この大陸にはベネットを入れて8つの国が存在する。ちなみにどの国も国王制だ。
それでなぜ、ここのベースが「エクシト」か分かった理由。
これは外に出ただけで分かった。なんせ、最新技術の病院やら学校やらがあるんだからな。
そして最後に、その学校についてだ。
その学校は首都エリザベードに存在する。
グロワール王立『護神騎士』学校。
俺はこの学園の情報を入手したとき、自分の頭を疑った。
『護神』だと?
護身ならまだしも、護神?
神を護るって?
どういうわけだ?
よくよく調べてみるとなんでも、王城に時々「神」が降臨して未来を予言するんだとか。そして90年くらい前、にこんなお告げがあったそうだ。
「この先100年以内に大きな争いが起こる。それに備えて私達神を護る騎士、護神騎士を育成してほしい。その中でも優秀な者達には私達が、直々に力を授けよう」
……これが創立の由来だそうだ。
その後、神の頼みで空けた土地に現代風の学校を神自身が作ったらしい。
護神騎士学校……ねぇ。
もしかしたら気づいている人もいるかもしれませんが、ぶっちゃけ
「エクシト」は地球みたいなところです、というか地球です、地球のことです、はい。
時間があれば感想、アドバイスよろしくお願いします!!
あと誤字脱字報告もできたらお願いします。
10/31学校名変更
12/04ヒロイン名前変更追加
3/20文化の項目少し変更
4/30独立→永世