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フェイの賑やか家族観察  作者: L☆E
とある一日
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素行最悪問題児の実弟


 結城は頬を叩いて目を完全に覚まさせると向かいの部屋へと入る。きりかとは違って荒々しく、なんの気遣いもない開け方だ。


「起きろ」


 雑然とした男部屋の片隅においてある目覚まし時計を手にとって、音を無理矢理に鳴らす。毎日起きるまで目覚ましは鳴らしっぱなしだ。

 いつもこのときはこの部屋で寝ている2人に同情する。もっと優しく起こしてあげればいいのに・・・まぁ、結城の性格ではちょっと無理だろう。旧ご主人様も性格を直すことは無理だと断言するくらい大変らしいし。


「だあぁぁ!!毎朝うるせぇ!!」


 うるさい中、2段ベッドの下で寝ていた五男の隆星が延々と長い間鳴り続ける騒音に跳ね起きる。どんなに寝つきが良くても安眠妨害レベルの中いつまでも寝てられるわけがない。

 学校での素行最悪らしい隆星は奥野家の五男であり末っ子。

 少年漫画のようなトゲトゲ頭。あれで完全な天然物なのがすごい。軽く尊敬できるレベルの髪型だ。濡れた時は萎れた様になってペッタンコにならないのもすごい。顔立ちにはまだ幼さが残り、好奇心旺盛そうな悪餓鬼そのまんまであるが、よく見れば結構可愛い顔をしている。

 今年中学に入学したが、既に先生にも見放されているらしい。とりあえずなんとかやっていけていますというようなかなり危うい状態で、義姉とも実姉ともかなり喧嘩が多い上、兄達も手を焼くほどうるさい。学問は平均やや下、運動は天才級で同性好きの異端者。

 学校での喧嘩勃発率の高さは家でも変わらないために女子にしては喧嘩っ早い実姉である結城と朝から怒鳴り合いなんて当たり前。


「普通に起こせよ!!」

「隆も秋も普通に起こしたって起きねぇだろ。秋、起きろ」


 毎度同じ喧嘩はやるだけ時間の無駄だと分かっている上、そんなに機嫌が悪いわけではないらしい今日は軽くスルーして上で寝ているアホを起こすために上のベッドをのぞく。

 同時にオレはそいつの顔のほうへ移動する。なんかオレをこの時代に飛ばした原因の一人に雰囲気と髪の色がそっくり(顔はそんなに似てない)だから、無性に虐めたくなる。結城の手伝いと憂さ晴らしを兼ねて一発だけ頬を殴ろう(オレの力じゃか弱い女の子より雑魚らしいが・・・)として、気付いた。



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