小休止 またも秋光の問題発言
話はまだまだ続く。
「母さんは有紗に大学行かないなら早く嫁げって言ってるよね」
「アレはちょっとうんざりだわ。16になってすぐ結婚話とか・・・どんな親よ」
「・・・・ってことは来年から結も言われるんじゃ?」
「ゲッ、そういえば。・・・でも、しばらくは学業専念だし」
「有義姉、その頃全然勉強する気なかったからじゃない?」
「・・しばらくは学業専念だし、大丈夫かな・・・?」
「ならいいんだけどな」
「大丈夫だよ、結」
嫌な予感を察知。また秋光の変な発げ・・・
「後2年もすれば俺も結婚できる年になるから・・・ね」
『後2年も何もあるかぁ!!』
「ね、じゃねぇよ!!」
本当に秋光はそろそろヤバイんじゃなんてレベルをとうに超しているのではないかと思う。双子の姉弟なのをわかっていないんじゃないか。
「秋・・・常識と法律の勉強してこい」
「だいじょーぶ、書類上ではできなくても心でするか」
「結婚は本当に好きな人に言うものだ、常識欠如馬鹿」
「それが結だか」
「全力で拒否する。高校卒業したらこの家でていくからな」
「お金な」
「働きゃいい」
「あぁ、でもどうしても出て行きたいんだったら一緒に住」
「ふざけんな。てめぇじゃ行けない国立のトップ校辺り行ってやる」
「結に追いつくようやるよ?愛のちか」
「無理、キモイ、いらねぇ」
「・・・無理なら近場選んででも一し」
「詩穂に相談して詩穂の家に居候する」
すごい。さっきから秋光に最後まで喋らせないでいる・・・・!!というか、回りの兄弟が入れない超早口。オレも口をはさめない。
「・・・新井田は嫌だ」
「秋義兄のこの考えはどうやったら出てくるんだろうね」
「知りたくない」
「次、ちなみだよ」
結城の友人の名前が出て、秋光が蒼くなった隙にちなみにまわされる。
結城の女の友人は揃って秋光の苦手な人なのだ。詩穂とはその中では随分マシなほうだが、秋光よりも結城を理解し、秋光から簡単に結城を奪える凄腕の人だ。感や運が強く、結城が一番困ったときに出てくる不思議な奴だ。多分、結城が詩穂の家に言ったら秋光がどんなに頑張って毎日通ってもすれ違いになるだろう。
・・・ストーカーしかねないけどな、コイツは。