かんなの元彼
「次、かんな姉だよ」
何事もなかったかのようにかんなに話を要求した秋光。本当は見えてなかったんじゃないかと思うくらいに。
「昔付き合ってる人はいたけど、今は付き合ってる人も好きな人もいないわよ」
「どんな人だったの?」
「そうねぇ・・・」
そういって周りを見回した後、ゆっくりと話し始めた。
「秋よりうんと頭がよくて」
「グサッ」
「隆よりずっと物分かりがよくて」
「グサッ」
「でもそれをはなにかけないし、翔よりもっと明るくて」
「グサッ」
「やることは和なんかみたいにバカじゃなかった」
「グサッ」
「恭なんかとは正反対以上だったなぁ」
「グサッ」
男全員に言葉のナイフ。罵倒には慣れてるはずだろうに・・・。それだけ汐見家の娘は強いのだろう。
「要するに、こんな弟たちとはかけ離れた違う人だったわけね」
「「「「「グサグサッ」」」」」
そこに止め、実姉の一言。
「なーる」
「そういうこと♪有紗わかってるね~」
「悪いけど、フォローはする気ないからな」
『結、実兄弟相手に言われてるんだからそこは啖呵きったほうがいい流れじゃないの?』
「期待して・・・・はいないから」
「うん・・・」
「・・・ツンデレ希望だったのに・・・」
残念がるのは想像通り秋光と翔平、恭助だった。別に結城はツンデレってわけでもないんだけどなぁ。