翔平の恋愛は前途多難
「僕は・・・」
おそらく好きな人はいないと言おうとしたのだろうが、るりこや秋光や有紗の黒いオーラとさやかのブラックノートに気付き、腹をくくってまた口を開いた。
「別にお付き合いしたいという気はないのですが、同じクラスのある女の子がいいなとは思ってます」
そう簡素に言って、お終いにしようとしていた翔平を、かんなが許さなかった。
「2週間くらい前に一緒に雑貨屋さん入ってったあの子?」
「なっ!?」
「ツインテールでフワフワした感じで翔よりちょっと小さい子だったよね」
「ちっ、ちがいます!!あの子はクラスメイトで・・・・!」
「かんな義姉さん・・・そのツインテールって、耳の横で、腰まで届くちょっと茶髪?」
「そうそう、ななことちなみとるりこもいたときよね?」
「あぁ、あのちなみに雰囲気に似てるロリっぽい人?」
「いたね、いかにもデートって感じでにやけてる翔義兄」
「にやけてないっ!!ちょ・・・ちょっと嬉しかったんだよ!!」
いつも和茂相手に黒い翔平とは想像もつかない慌てっぷり。どんどんと墓穴を掘っている姿に腹を抱えて笑っている家族一同も面白いが。
「あたしはその人覚えてないなぁ。翔義兄がいたことも知らない」
「・・・きりか、その人って変態安藤の妹だよね?」
「・・・多分」
「あのキモ安藤に妹いたのか!?」
そして、翔平の好きな人を知ってる人は他にもいたようだ。ただし、和茂は別のとこに一番びっくり。
「そうだよ。兄と違って妹は可愛いけど。後、ちなみとるりこの学年にも一人」
「どんな人なの??」
「安藤は・・・まぁ恭助みたいなのって考えればいいよ。その妹はよくわかんないけど」
「って、よく恭兄知ってたね。学年違うでしょ?」
「恭義兄は美人のチェック早いから」
ちょっと見て見たい。ちなみレベルなのか、もっと上なのか・・・性格もきっといいんだろうな。
「安藤さんのお姉ちゃん・・・超腐女子だよ」
「でも、結構腐女子ってこの世に多いから」
「・・・リアルのみを好んでるひとだけどね」
「翔はそう見えるから仲良くされてるんじゃない?」
「・・・(ショック)」
前言撤回、ノーマルを望みます。
『でも、頑張れ』
ノーマルを望むけど、否定はしない。ちょっと応援しておこうと思う。