事故の結末は・・・
しばらくして、声を出したのはちなみだった
「・・・和兄、ごめんね」
「・・・・痛い痛い痛いぃ!!ちょっ、むりっ。・・・痛い痛いっ!!!頼むからどいてくれぇ!!」
とりあえず、ちなみは目に見える傷もなく無事だった。和茂がクッションになっていたから、おでこを和茂の前頭部にぶつけたくらいだろう。
が、下敷きになっている和茂の急所にはちなみの膝が乗っており、更に退こうか傷がないかを見ようか迷うように上半身を揺すっているため・・・・もう直視できない悲惨な状況としか見えない。
ちなみは見た目どおりの体重だと思う。中2となればかなりとは言わずとも、重くなってくる。まぁ、平均以下なのは確かだろうけど。身長平均以下だし。
「・・・この上打撲の責任はかわいそ過ぎるね」
「かんな姉、やめよう」
「本人がやっているのにする必要はないね」
「姉さんたちやる気だったの!?」
「どっちかというとちなみの過失じゃないの!?」
「あんずが出てきたら乗せてあげれば?使い物にならなくなるだろうけど」
「・・・あんずがうるさいだろうからやめておく」
流石に汐見家の娘たちも哀れんでいる。弱冠2名、更なる悲劇を考えているとこはきっと空耳さ・・・
「男として・・・・最悪だが、・・・捨てがたい!!」
「理解できない、恭兄」
「可愛いちなみにただで触れられるわけないでしょう(黒笑)」
「・・・翔兄、怖いよ」
『ねぇ、結城。もしかして痛みで気絶から立ち直ったのかな?』
「かもな」
毎日何かしら起こるこの家はほんと、面白い。
3年間結城のそばにいてみてきたけど、退屈とは無縁なこの家がオレは大好きだ。