汐見家のガールズトーク
奥野家の息子たち(一応一人、娘もいるが)の輪を見ながらななこが独り言のように呟く。
「なんで翔兄が学校で人気なんだろうね・・・よほど性格変えてるのかな?」
こんなに人がいれば当然話は繋がる。
突然のガールズトークにオレは興味を惹かれてそちらへと向かう。
「確かに和茂も結構モテるのよね、意外と」
「そういえば和も翔も私の友達には人気。って、何で翔が高校で人気なのをななこが知ってるの?」
「・・・友達のお姉さんが翔義兄の事知りたいから教えてって来たから。2,3回」
「ということは秋や結のとこにも来てるのかも(笑)」
「秋義兄と結義姉はお義兄ちゃんやお姉ちゃんのより自分のがかなりすごいよ」
「ちなみいつの間に・・・皆いるのね」
どうやら惹かれたのは俺だけではなかったようだ。るりこやあんずと共にちなみが入ってきた。
「よく秋義兄は告白されてるらしい・・・どこがいいんだか!(怒)」
「あんず、静かに。結義姉は見かけるたびにストーカー馬鹿に付きまとわれてる」
「・・・(冷汗)」
「もしかしなくても・・・」
「察しの通りだと思う」
「えっ?誰??」
「秋義兄。で、昼休みとかたまに隆が突っ込んで大騒ぎになる」
「先生が呆れちゃってもう最近じゃ誰も止めないんだよ(笑)」
「授業とか大丈夫なのかな?」
「結義姉が数少ない友達やなな姉に引っ張られて女子トイレに誘導される」
「流石に一般常識はあるみたいよ、入ったりはしない」
「入ったら当たり前にマズイでしょ」
「うん、諦めて入り口で待ってるらしい」
『それもどうかと・・・』
「・・・(呆)」
「それも嫌ね」
全員が苦笑いをしていると、賑やかな雑談を絶対にやめざるをえないかんなの声が響いた。
「できたから自分の持ってって~!」