性格正反対の双子義妹と薄幸な末っ子義妹
かなり前に降りていったはずのみさきが妹相手に今だ奮闘中。
「ちなみ、起きて!るりこ、起きたのなら手伝って」
「ん~・・・きり姉さんおはよう」
「みさき姉さんだし。寝ぼけてるでしょ」
寝ぼけているのは汐見家七女にあたるちなみ。オレの究極の癒し娘だ。
緩い天然パーマと開いているのか開いていないか判別ができないほどの細目が特徴的な彼女。現在も目を開けているのか判らない。小顔な上に顔のパーツも小さい。あまり他の姉妹と似ていない。でも雰囲気は汐見家の皆と同じだ。
天然おバカでこの家一番の天才頭脳の持ち主という不思議ちゃん。今年中2になったちなみは全国模試で満点トップ、漢・英・数検全て1級1発合格。しかも勉強は過去問を1回。練習問題は解かず、例題を見ただけともはや勉強の神。実技も体育以外は得意。普段から優しく慈愛に満ちており、姉たちに大人気。発育もいいため、エロ恭助の一番の被害者になっている。正直、新しいご主人様はこの子がよかった。
そんなちなみに修正を加えるのは六女のるりこ。
ちなみとは二卵性双子らしい。結城と秋光の姉弟とは違ってほとんど似ておらず、るりこはさやかが髪を伸ばしただけのような風貌である。ただ、カチューシャはつけずに後ろで2つに結わえている為に、旧ご主人様とはかけ離れている。ちなみとは口元くらいかな・・・?
容姿に学問と誰もがうらやむほど優れているちなみに劣等感を抱きながらも優しすぎるちなみを守る為に腹黒くなったというのはここ3年で痛いほどよくわかった。それ以上の間一緒にいる姉たちは当たり前にそれをわかっているため何も文句を言わないが、しばしば義兄や結城や妹と喧嘩になることがある。ルックスは姉に似て良いが、学問・運動は共に平均やや下である。が、喧嘩になると異様に強い。
「大丈夫~?起きて~」
手伝いに来ていたきりかは末っ子のあんずのところに。
いつもなかなか起きないあんずは今日も当たり前のように爆睡中である。いつも一番最初に寝てしまうくせにいつも一番最後に起きるという超睡眠欲求の高い子だ。・・・赤子か?と思うほどにいつまで経っても毎度毎度手こずるため正直きりかもみさきもまいっている。
今年中学に就学したあんず。
特徴的なのは長い前髪。胸の辺りまで真っ直ぐに伸ばした前髪を顔のほうへとおろし、左目が出る位置で2本のピンを使って留めている。行いとほぼ同等の幼い顔立ちの半分を前髪で覆い、後ろ髪や耳周りの髪もそのままおろした状態。おそらくこの家の女子で一番特徴的な髪型。(男子は隆星)
運動も勉強もその他の事でも一番才能に恵まれなかった上、他の弟妹達で手一杯になっていた姉達になかなか構って貰えなかった可哀そうな子である。隆星同様に見捨てられかけているが、本人はめげずに毎日頑張っている。それがおそらく彼女の長所なのだろう。極度の男好きだが、義兄達は論外、毛嫌いして毎日罵声を浴びせるが返り討ちに遭ってよく泣かされるという・・・自業自得のような人だ。
あんずは揺すっても頬を叩いても起きない。普通の方法はほとんど使えない。いろいろな方法で起こしているが、3日ほどで耐性がついてしまうようで、いつも皆苦労しているようだ。