03-03(おまけ)
→空腹を満たしに売店を目指す
「湊、ちゃんと見て。ここはこうです」
「…はい」
「そう、すごくいいですよ」
「…………」
「どうしました?ほら、集中して」
「…はい、あっ」
「ああ湊、デリケートなものですから、もっとやさしく、ね」
「すみません」
「ううん、難しかったですかね。お手伝いしましょうか」
「結構です。やって出来ないはずないんで、きちんとやります!」
「ふふ、そんなところも大好きですよ湊。では続きを」
「う…」
「要領は同じです。ほら、わかりますか?ここは…」
「ん?」
「そう、それを」
「ああ!」
「よくできました、湊。次に進みますか、それとも忘れないようにもう一回、します?」
「いいえ!後は自力で何とかします。ありがとうございました」
苦手な教科の課題を片付けるため、協力を乞うた相手の教え方は的確だった、とは思う。けれど正しい人選だったかと訊かれれば、一問解く間に犠牲にしたシャープペンの芯や精神への負担的な何かから察するに、適任とはとても言えなかった。
自力で問題に向き合う時よりも明らかに大きな疲労を抱え、自室に戻る湊だった。
読みづらい作品に最後までお付き合いくださって、ありがとうございます。