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正しい人は責任を取らないので、悪役令嬢は一切付き合いません

掲載日:2026/01/11

私の名は、ヴィオラ・フォン・エルンスト。

王都学院で“悪役令嬢”と呼ばれている。


高慢、冷酷、無慈悲。

平民に厳しく、愛想がない。


……だいたい合っているので、訂正する気はない。


私は人に好かれる努力をしてこなかった。

好かれることは気持ちがいいが、責任を伴わない。

嫌われることは不快だが、必ず責任が発生する。

私は後者を選んだだけだ。


放課後の評議広間に、張り詰めた声が響いた。


「ヴィオラ様!」


声の主は、平民出身の令嬢セシリア・ノアール。

心優しく、正義感が強く、誰にでも分け隔てなく接する――

この学院が好む模範的な少女だ。


「あなたの行いは、間違っています!」


教師、生徒、そして王太子ユリウス・アルベルト。

全員の視線が、私に集まった。


「身分を盾に、弱い立場の人を追い詰めるなんて……!」

「それは、どんな理由があっても許されません!」


涙を浮かべ、拳を握りしめる姿に、

周囲から小さなどよめきが起きる。


私は椅子に座ったまま、静かに口を開いた。


「それで?」


空気が、一瞬で止まった。


「……それで、とは?」


セシリアが戸惑ったように瞬きをする。


「あなたは私を“間違っている”と断じました。

ですから次は、“どうしたいのか”を伺おうかと」


「反省してほしいのです!」


即答だった。


「謝罪し、過ちを認め、

もう二度と同じことをしないと誓ってください!」


正義としては、完成形だ。

周囲から拍手が起き、王太子も満足そうに頷いた。


「ヴィオラ、君は冷酷すぎる。

力を持つ者には、思いやりが必要だ」


私は、ゆっくりと瞬きをした。


「なるほど。では質問します」


私が規則を破った記録はありますか。

暴力、脅迫、虚偽の告発。

いずれかの証拠は?


誰も答えなかった。


「ありませんよね」


私は淡々と続ける。


「私は学園規則に基づき、

身分に応じた距離と礼節を求めただけです」


「それを冷たいと感じたのは、

あなた方の感情です」


セシリアが、震える声で言った。


「感情を……無視するのですか?」


「はい」


即答した。


「私はあなたの感情を尊重する義務はありません」


場がざわつく。


「あなたは正しい」


私はセシリアを見据えて言った。


彼女の表情が、わずかに緩む。


「弱い人を守るべきだ。

権力は抑制されるべきだ。

――美しい理想です」


そこで、言葉を切る。


「ですが」


声を落とした。


「あなたの正義は、

誰が後始末をするのですか?」


沈黙が落ちた。


「あなたが泣き、

あなたが訴え、

あなたが称賛を浴びたあと」


「私の評判が落ち、

家が責任を問われ、

契約が切れる」


「その損失を、

あなたは引き受けますか?」


「……そんなつもりじゃ……」


「つもりの問題ではありません」


私は切り捨てた。


「結果の話です」


「あなたの正義は、

あなたの立場を安全に保ったまま、

他人に責任を押し付ける構造になっている」


セシリアは言葉を失った。


「ユリウス殿下」


今度は王太子を見る。


「あなたも同じです」


「彼女の言葉に頷き、

正しい話だと満足する」


「ですが、その後始末は誰がする?」


王太子は、何も言えなかった。


「それを裁きと呼ぶなら」


私は静かに告げた。


「ずいぶん、楽な正義ですわね」


私は立ち上がった。


「私は謝りません。

反省もしません。

改心もしません」


「なぜなら」


視線を巡らせる。


「私は、何も間違えていないからです」


誰も、反論できなかった。


「あなた方が欲しいのは正義ではありません」


「気持ちよく誰かを断罪できる舞台です」


「そして私は、

その都合のいい悪役に選ばれただけ」


踵を返す。


「私は、あなた方のカタルシスのために

人生を削る気はありません」


「正しい人は、責任を取らない」


「だから私は、正しい人にはなりません」


後日。

セシリアは“勇気ある告発者”として称えられた。

だが次第に、彼女の言葉を引き受ける者はいなくなった。


正しいことを言う人ほど、

最後まで引き受けないからだ。


私は、悪役令嬢のまま日常を送っている。

何も失っていない。


それでいい。


私は正義を語らない。

ただ、自分の人生の責任を

自分で引き受けているだけだ。

誤字脱字や表記の確認にChatGPTを使用し、その後、作者自身でもチェックを行っています。

もし読みにくい箇所や気になる点がありましたら、教えていただけると嬉しいです。


ChatGPTの著作権については、2026年1月時点で以下の案内がされています。


>本コンテンツの所有権限 お客様とOpenAIの間において、適用法令で認められる範囲で、お客様は、(a)インプットの所有権限は保持し、(b)アウトプットについての権利を有するものとします。当社はアウトプットに関する権利、権原、及び利益がある場合、これらすべての権限をお客様に譲渡します。

https://openai.com/ja-JP/policies/row-terms-of-use/


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