表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

正しい人は責任を取らないので、悪役令嬢は一切付き合いません

私の名は、ヴィオラ・フォン・エルンスト。

王都学院で“悪役令嬢”と呼ばれている。


高慢、冷酷、無慈悲。

平民に厳しく、愛想がない。


……だいたい合っているので、訂正する気はない。


私は人に好かれる努力をしてこなかった。

好かれることは気持ちがいいが、責任を伴わない。

嫌われることは不快だが、必ず責任が発生する。

私は後者を選んだだけだ。


放課後の評議広間に、張り詰めた声が響いた。


「ヴィオラ様!」


声の主は、平民出身の令嬢セシリア・ノアール。

心優しく、正義感が強く、誰にでも分け隔てなく接する――

この学院が好む模範的な少女だ。


「あなたの行いは、間違っています!」


教師、生徒、そして王太子ユリウス・アルベルト。

全員の視線が、私に集まった。


「身分を盾に、弱い立場の人を追い詰めるなんて……!」

「それは、どんな理由があっても許されません!」


涙を浮かべ、拳を握りしめる姿に、

周囲から小さなどよめきが起きる。


私は椅子に座ったまま、静かに口を開いた。


「それで?」


空気が、一瞬で止まった。


「……それで、とは?」


セシリアが戸惑ったように瞬きをする。


「あなたは私を“間違っている”と断じました。

ですから次は、“どうしたいのか”を伺おうかと」


「反省してほしいのです!」


即答だった。


「謝罪し、過ちを認め、

もう二度と同じことをしないと誓ってください!」


正義としては、完成形だ。

周囲から拍手が起き、王太子も満足そうに頷いた。


「ヴィオラ、君は冷酷すぎる。

力を持つ者には、思いやりが必要だ」


私は、ゆっくりと瞬きをした。


「なるほど。では質問します」


私が規則を破った記録はありますか。

暴力、脅迫、虚偽の告発。

いずれかの証拠は?


誰も答えなかった。


「ありませんよね」


私は淡々と続ける。


「私は学園規則に基づき、

身分に応じた距離と礼節を求めただけです」


「それを冷たいと感じたのは、

あなた方の感情です」


セシリアが、震える声で言った。


「感情を……無視するのですか?」


「はい」


即答した。


「私はあなたの感情を尊重する義務はありません」


場がざわつく。


「あなたは正しい」


私はセシリアを見据えて言った。


彼女の表情が、わずかに緩む。


「弱い人を守るべきだ。

権力は抑制されるべきだ。

――美しい理想です」


そこで、言葉を切る。


「ですが」


声を落とした。


「あなたの正義は、

誰が後始末をするのですか?」


沈黙が落ちた。


「あなたが泣き、

あなたが訴え、

あなたが称賛を浴びたあと」


「私の評判が落ち、

家が責任を問われ、

契約が切れる」


「その損失を、

あなたは引き受けますか?」


「……そんなつもりじゃ……」


「つもりの問題ではありません」


私は切り捨てた。


「結果の話です」


「あなたの正義は、

あなたの立場を安全に保ったまま、

他人に責任を押し付ける構造になっている」


セシリアは言葉を失った。


「ユリウス殿下」


今度は王太子を見る。


「あなたも同じです」


「彼女の言葉に頷き、

正しい話だと満足する」


「ですが、その後始末は誰がする?」


王太子は、何も言えなかった。


「それを裁きと呼ぶなら」


私は静かに告げた。


「ずいぶん、楽な正義ですわね」


私は立ち上がった。


「私は謝りません。

反省もしません。

改心もしません」


「なぜなら」


視線を巡らせる。


「私は、何も間違えていないからです」


誰も、反論できなかった。


「あなた方が欲しいのは正義ではありません」


「気持ちよく誰かを断罪できる舞台です」


「そして私は、

その都合のいい悪役に選ばれただけ」


踵を返す。


「私は、あなた方のカタルシスのために

人生を削る気はありません」


「正しい人は、責任を取らない」


「だから私は、正しい人にはなりません」


後日。

セシリアは“勇気ある告発者”として称えられた。

だが次第に、彼女の言葉を引き受ける者はいなくなった。


正しいことを言う人ほど、

最後まで引き受けないからだ。


私は、悪役令嬢のまま日常を送っている。

何も失っていない。


それでいい。


私は正義を語らない。

ただ、自分の人生の責任を

自分で引き受けているだけだ。

誤字脱字や表記の確認にChatGPTを使用し、その後、作者自身でもチェックを行っています。

もし読みにくい箇所や気になる点がありましたら、教えていただけると嬉しいです。


ChatGPTの著作権については、2026年1月時点で以下の案内がされています。


>本コンテンツの所有権限 お客様とOpenAIの間において、適用法令で認められる範囲で、お客様は、(a)インプットの所有権限は保持し、(b)アウトプットについての権利を有するものとします。当社はアウトプットに関する権利、権原、及び利益がある場合、これらすべての権限をお客様に譲渡します。

https://openai.com/ja-JP/policies/row-terms-of-use/


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ