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結局どっちなんだーーーー!  作者: 楓真パパ


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第36話 無抵抗をフルボッコは卑怯?2

 

 洞窟の外は、夕暮れの赤が濃く染まり始めていた。


 壮真とサーヤは、ついに準備してきた罠の最終確認を終え、ガガブルが縄張り巡回に現れる時間を待っていた。


「・・・本当に、これで倒せるかな?」


 壮真は、汗ばんだ手でロープを握りしめながら呟いた。


「倒せるかな?ではない!。倒すのだ!!!」


 サーヤはいつものように胸を張って言ったが、その表情には緊張が滲んでいた。


「まあ、あれだけの化け物だ。緊張するのは当然だろう。」


「ふん!私は緊張などしていない!ただ・・・その・・・罠が本当に作動するのか?とかネットをうまく負けれるかなとか、少しだけ心配なだけだ!」


「それを緊張って言うんだよ。」


「う、うるさい!」


 サーヤは耳を赤くしながらそっぽを向いた。


 壮真は苦笑しつつ、罠の全体を見渡す。


 今回の罠は、2段階の罠だ。


 ● ①ゾルの木くくり罠


 ゾルの木は異世界の植物で、すごくしなり丈夫な木だ。


 それを巨大な弓のように湾曲させ、ワイヤーロープ(くくり罠用)を取り付けた。


 ガガブルが踏板を踏み込むと、ワイヤーが脚を絡め取り、ゾルの木の反発力で一気に宙吊りにするという仕組みだ。


 ● ②ワイヤー入りネット


 ガガブルがくくり罠にかかり移動力を奪ったあとサーヤがワイヤーで補強したグリーンネットをガガブルへ投げつけぐるぐる巻きにし動けなくする作戦だ。


「よし、全部問題なし・・・あとはガガブルが来るのを待つだけだな。」


「壮真、気を引き締めろ。あやつは森の王だ。油断すれば一瞬で肉片だぞ。」


「わかった・・・」


 壮真は深呼吸し、木陰に身を潜めた。


 サーヤは剣を抜き、罠の反対側へ移動する。


 ガガブルを誘導する役目は彼女だ。


「サーヤ、本当に大丈夫か?」


「任せておけ。私はロコック王国の女騎士だ。かわいいものと仲間のためなら命を賭ける覚悟はできている!」


「いや、かわいいもの関係ないだろ・・・」


「ある!かわいいものは正義だ!」


 壮真は思わず笑ってしまった。


 その瞬間――


 森の奥から、地響きのような音が聞こえてきた。


 ドォン・・・ドォン・・・ドォン・・・


「来たぞ!」


 サーヤが鋭く叫ぶ。


 木々が揺れ、鳥が一斉に飛び立つ。


 そして――


 黒紫の巨体が姿を現した。


 グオオオオオオオオオオ!!!!!


 耳をつんざく咆哮。


 その声だけで木の葉が震え落ちる。


 ガガブルは、サーヤを見つけると目を血走らせて突進してきた。


「サーヤ!気をつけろ!」


「わかっておる!」


 サーヤは木々の間を軽やかに駆け抜ける。


 ガガブルは巨体に似合わぬ速度で追いかける。


 地面が揺れ、木がなぎ倒される。


 壮真は息を呑んだ。


(やべぇ・・・あんなの正面から戦ったら絶対死ぬ・・・)


 だが、サーヤは恐れず、罠の中心へと誘導していく。


「こっちだ!この脳筋魔獣め!」


 グオオオオオオ!!!!!


 ガガブルが罠の中心へ踏み込んだ――その瞬間。


 バチィィィィィン!!!


 ゾルの木の巨大な反発力が解放され、


 ワイヤーロープがガガブルの両脚に絡みついた。


 次の瞬間――


 ドガァァァァァァァン!!!


 ガガブルの巨体が宙へと引き上げられ、


 逆さ吊りの状態で木々の間にぶら下がった。


「グオオオオオオオオオオ!!!!!!」


 暴れるが、ゾルの木の強度は凄まじい。


 ワイヤーはびくともしない。


「よっしゃあああああああ!!!成功だ!!サーヤ任せた!!」


 壮真が叫ぶ。


 サーヤもワイヤーネットを手にしガガブルの近くへ駆け寄る。


「見事だ壮真殿!おぬしの罠、完璧に作動したぞ!次は私の番だ!てりゃああああああああああ!!!!」


 サーヤはネットを肩から大きく背負い投げの形で、ガガブルに向かって投げつけた。


 ネットは弧を放ち、ガガブルの体に張り付く。


 グギャアアアアアアアアアアアアアア!!!!!


 暴れれば暴れるほどネットが絡まり動けなくなる。


 サーヤはネットの端に取り付けているロープをさらに巻き付ける。


「よし!これで動けまい!」


「ナイスだ!サーヤ!」


 ガガブルはまだ暴れているが、動きは明らかに鈍くなっていた。


「よし……これで動けないはずだ」


 壮真が息をついたその時――


 ガガブルが最後の力を振り絞り、


 ワイヤーを引きちぎろうと体をねじった。


 ギギギギギギギギ……


「まずい!耐えられない!サーヤ急いで止めを刺すぞ!!!」


「わかったのだ!」


 サーヤは剣を掲げスキルを使うために集中をしだした。


「よし!俺も!」


 壮真も魔力を手に集め始め、バレーボールぐらいの魔力九が壮真の手に集まった。


「古の大地よ、眠りし根源の力よ、 揺るぎなき礎を砕き、岩塊の輪を顕現せよ! 我が命を響かせ、震動の球を生み出し、 全てを圧し潰す――アースボール!」


 壮真の詠唱が終わると同時にサーヤのスキルの準備も整う


「でりゃああああああああ!!!!」


 サーヤの剣から巨大な光のエネルギーが放たれガガブルに命中する。


 ゴギャアアア!!!!


 その後、ガガブルの顔向けて壮真の放ったアースボールがガガブルの顔のあたりに命中する!


 ギャアアア!!!


 森中にガガブルの断末魔が響き渡り、動きが止まった。


「・・・やった・・・のか?」


 壮真は膝から崩れ落ちた。


「うむ。見事な勝利だ。おぬしの知恵と私の力・・・最高の組み合わせだな。」


「いやいや・・・お前の誘導がなかったら無理だったよ。」


「ふん!もっと褒めてもよいぞ?」


「寝っ転がりながら偉そうにされても・・・・はいはい、すごいすごい。」


「雑だぞ!」


 サーヤが頬を膨らませる。


 壮真は笑いながら、ガガブルの巨大な体を見上げた。




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