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第16話 俺、魔法使いになるんだ3

 

「蒼穹の涙よ、永劫の海より溢れ出す奔流よ、 静寂を砕き、全てを呑み込む渦と化せ! 我が詠唱に応じ、清浄なる水環を顕現せしめ、 濁世を洗い流せ――ウォーターボール、蒼穹の涙よ、永劫の海・・・よし!覚えた!」


「もう覚えたのか?すごいな!」


「忘れないうちに、やってみよう。」


 壮真は目を閉じ、手のひらを上にして集中する。先ほどのように集中する。すると真っ暗な中、魔力の光の粒子が周りに感じ取れるようになった。壮真はその光が手のひらに集まるように念じる。


 少しづつその光が壮真の手のひらに集まってくる。その光が野球ボールぐらいになった時、(そろそろいいかな・・・)


「蒼穹の涙よ、永劫の海より溢れ出す奔流よ、 静寂を砕き、全てを呑み込む渦と化せ! 我が詠唱に応じ、清浄なる水環を顕現せしめ、 濁世を洗い流せ――ウォーターボール!」


 壮真が詠唱を終え魔力が集まった手のひらを前へ出すと、その魔力の塊が同じ大きさの水の塊になり前方へと放出された。


「やった!出た!」


「おおお!すごいではないか!同等の大きさだったから、今の変換倍率は1倍だな。初めから1倍とは優秀だな。」


「よし、もう一回!」


「蒼穹の涙よ、永劫の海より溢れ出す奔流よ、 静寂を砕き、全てを呑み込む渦と・・・濁世を洗い流せ――ウォーターボール!」


 もう一度魔力を集め詠唱し魔法を発動させた。先ほどと同じく野球ボールぐらいの水球が放たれる。


「だいぶ魔力集めもスムーズになったな。このまま練習すればすぐに中級魔法も覚えるかもな。」


「中級魔法もあるのか?」


「今の教科書に載っているのは初級魔法ばかりだからな、初級魔法は威力より変換倍率を鍛えるために練習する魔法だ。だから殺傷能力は少ないので野営の時に火をおこしたり、飲み水、や身体を清めたりするのに使っているな。」


「そうか、まあ魔法で魔物倒して俺TUEEEEEEE!はまだまだ先だな。」


「俺TUEEEEEEE!が何かわからんが精進することだな。」


「わかった、とりあえず、いつでも使えるように練習しよう。」


 そのあと、ファイアボールを覚え練習しその日は終わった。


 夕食後・・・


「明日はどうするのだ?」


「今のところ、肉、野菜、塩は確保ができた。やはり次は主食の米だ。」


「米は見つけたではないか?」


「見つけたけど米は収穫後はもみ殻を取ったり、精米処理をしないと食べられない。だから道具を作ろうと思う。」


「道具とは?」


「まず米の処理の仕方について説明しよう。米は収穫後、稲のまま天日干しをして乾燥させる、この時に木材で物干しのような骨組みを作り、稲束を吊るす。」


 壮真は説明するために紙に簡単な絵を描いた。


「ほうほう、なるほど。」


「次に乾燥が終わったら、脱穀だ。これは、乾燥させた稲から米を取り外す作業だ。これは千歯扱き(せんばこき)という道具が必要だがこれは釘と板で何とか作ってみよう。」


 壮真は千歯扱きを図に書いて簡単な設計図を作る。


「なんだこのとげとげが着いたものは武器か?」


「違う違う、ここに稲穂を通すと身の部分と茎の部分に分かれる仕組みになっているんだ。」


「ほう、便利なものだな。」


「次に脱穀で出来た籾を割って中から米を取り出す籾すりだ、これはすり鉢とすりこぎがあるからいいな。そのあとは・・・」


「まだあるのか?米とは食べるまでに時間がかかるのだな?」


「昔は米を育てるには88の手間がかかると言われてたんだ。」


「なんと、そんなにかかるのか?」


「今回はたまたま生息している物を見つけたけど、実際育てるのは結構手間がかかるんだ。この島の脱出にどれぐらいかかるかわからないけど、長期計画も考えとかないとな。」


「すごいな、私はそこまで考えなかったぞ。おぬしがいて私は本当に良かったと思っている。ありがとう壮真殿。」


「なっなんだ、いきなり。べっ!別に俺がしたいからやってるんだから感謝なんていらないぜ。」


 急に言われた感謝の言葉に壮真は慌ててツンデレのテンプレみたいなセリフを行ってしまった。


「つっ次の行程に行くぞ、次はもみ殻と米を分ける作業だ。これは唐箕とうみという選風機を使うのだがハンディドライヤーがあるからこれで代用する。次は精米だ。精米については俺はツイてるとしか言えん、なんとフードプロセッサーに精米様の刃がついていたのだ。」


 壮真はフードプロセッサーを見せながらご機嫌だ。


「これを買うときはここまで昨日はいるのかって思ったけど、もし玄米しか手に入らない状況に陥ったらどうするかが頭をよぎってこっちにしたんだよな。あの時の俺グッジョブ!」


「壮真殿は説明するときはすごく早口になるのだな?」


「えっ!俺そんなに早口になっていたか?」


「うむ、何処で息継ぎをしているかわからんぐらいに喋っていたぞ。」


「マジか・・・気を付けよう。」


「私は壮真殿が楽しそうに喋っているのは好きだぞ!」


「えっ!」壮真はその言葉にドキッとした。


「おっおい!あんまり変なこと言ううなよ。」


「ん?別に変なことは言ってないぞ。」


「まあ、お前がそんな意味で言ってないってわかるんだけど・・・」


「そんな意味とは?」


「あーー!もうこの話はおしまい。明日は道具作りで決定だ!!以上!!!お休み!!」


 壮真は寝袋の中に顔をうずめ寝た。それを見てサーヤは


「なんなのだまったく。まあいい、おやすみーー♪」


 と少々腑に落ちない顔をしたが、気にせずに寝た。


(くそっ!調子狂うなぁ、まったく。残念女騎士のくせに・・・)






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