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凍結惑星シェフィル  作者: 彼岸花
第六章 恋する乙女達

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恋する乙女達10

「コオオオオオオオオ!」


「コッキャアアアアアアアア!」


 甲高い雄叫びを上げながら、二体のプリキュが駆け出す。アイシャでも反応出来る程度のスピードだが、しかし自分達が全力疾走しても振り切れないであろう速度は出ているように感じられた。

 この恐るべき狩人達から、改めて背を向けて逃げ出すのは得策か?

 否である。後ろを振り向く、体勢を整える、足を前に出しながら身体を傾ける……実際に走り出すまでにこれだけの『動作』が必要だ。その間は一歩も前に進んでおらず、ただ距離を詰められるだけ。挙句走り出してすぐには最高速度にならず、加速には時間が必要となる。その間に追い付かれるのがオチだ。そもそも最高速度で負けているのだから、闇雲に逃げたところで意味がない。

 冷静に考えれば、逃げるのが論外なのは簡単に分かる。しかしアイシャは戦い慣れしていない小娘だ。危険を前にすれば、とりあえず逃げるという選択肢が頭に浮かんでくる。

 逃げずに立ち止まっていられたのは、アイシャよりも早く、本能的に戦わねばならないと理解したシェフィルが動き出したお陰だ。


「っはあああああ!」


 こちらも負けじと言わんばかりに叫び、シェフィルは跳び蹴りを放つ。強靭な脚力はシェフィルの身体を悠々と数メートルの高さまで上げ、彼女の足は正確にプリキュの頭を打つ。

 同時にプリキュも拳を振るっていたが、シェフィルがここまで跳ぶとは思わなかったのか。攻撃は空振りに終わり、プリキュだけが頭に大きなダメージを受けた。大きく身体がよろめき、追撃のチャンスを露呈する。

 尤も、それはプリキュが一体だけであれば、の話だが。

 もう一体のプリキュはすかさず反撃として、腕を大きく振りかぶった。跳び蹴りの体勢となっているシェフィルにこの攻撃は躱せない。咄嗟に身体の前面で腕を交差し、守りの体勢に入るのがやっと。無論、飛行能力がない彼女は空中で踏み止まる事も出来ない。

 殴られたシェフィルの身体は、小石のように軽々と飛ばされてしまう。軌道上にある何十ものトゲトゲボーに突っ込み、トゲトゲボーの破片が大量に、赤い雫が僅かに混ざって周囲に飛び散る。


「ぐ、だぁあぅ!」


 しかしこれで止まるほどシェフィルも軟ではない。地面に足を付くや、即座に大地を蹴飛ばす。

 足先さえもプリキュには届かないが、蹴れば地面が抉れ、土(厳密には砂や石。柔らかな有機物(土壌)はウゾウゾなどによって食べ尽くされている)が飛んでいく。シェフィルは正確に狙っていたらしく、飛ばした土がプリキュのうち一体の顔面に命中した。

 人間など地球に生息する獣であれば、目潰しとして効果的な攻撃だ。プリキュの目は丈夫な複眼なので潰すところまではいかないまでも、付着した砂が視界を奪う。プリキュは両手で複眼を擦り、汚れを落とそうと苦戦していた。

 今が好機、と言いたいが、シェフィルは前に出ない。土を当てられたのは一体だけ。もう一体は全くの健在だ。


「コアァ!」


 一体が藻掻いている間、もう一体のプリキュがシェフィルに肉薄。鋭い爪の付いた手を振り下ろし、つがいへの攻撃を許さない。妨害を予測していたであろうシェフィルは素直に後退したため、攻撃は受けずに済んだが……折角のチャンスが潰えた。

 数が多ければ有利に戦える。ろくな戦闘経験がない、アイシャですら知っている戦いの基本だ。シェフィル一人だけでは隙を作り出してももう一体が即座にフォローし、隙を見せれば確実に突かれてしまう。最早有利不利の問題ではない。

 このままではシェフィルが負けてしまう。シェフィルが負けたら、次は自分が――――


「(違う! 見ているだけじゃ、今までと変わらない!)」


 自分の中に湧いたネガティブ、何より他人任せの考えをアイシャは切り捨てる。

 このままではシェフィルが負ける、ではない。自分はシェフィルの『つがい』になったのだ。共に生き、共に困難を切り抜けるパートナーとして、見ているだけでいる訳にはいかない。

 加えて、これは極めて私的な感情であるが……プリキュ達もつがい。同じつがい同士だというのに、おろおろするばかりなんて情けない姿を見せたくない。というより息の合った動きをされると、()()()()()()()()()気がして腹が立つ。

 アイシャは嫉妬深くて自慢したがりの、面倒臭い女なのだ。その自覚が、恐ろしい怪物二体に向けて足を進ませる原動力となる!


「こ、のぉ!」


 渾身の力を込めたアイシャの拳が、プリキュの背中を打った!


「コフッ」


「げふ!?」


 が、怯むどころか一歩と動かす事も叶わず。プリキュは面倒臭そうに後ろ向きに蹴りを放ち、その一撃でアイシャは簡単に蹴散らされてしまう。

 とはいえ本当に雑な攻撃だったため、アイシャは然程ダメージを受けずに済んだ。ごろごろと地面を数回転しただけ。転がる中で突き刺さったトゲトゲボーの方がずっと痛いぐらいだ。すぐに立ち上がる事が出来た。立てればまたすぐに走れる。


「や、やああああ!」


 今度はシェフィルと戦っている相手の足目掛けて跳び、そしてしがみ付いた。

 これには流石のプリキュも動きを鈍らせ、意識を一瞬アイシャへと向けてくる。その一瞬があればシェフィルには十分。相手の後頭部を狙った跳び蹴り(延髄蹴りと呼ばれる類の技だ)が決まり、プリキュの身体が大きく仰け反った。

 もう一体のプリキュがこの仰け反った隙を補おうと前進するが、この動きはシェフィルも読んでいたのだろう。蹴った反動も利用して身体を捻じり、もう一体のプリキュと向き合う。シェフィルの隙がなくなったと察したプリキュは、『無理をしない』という種としての本能か大人しく後退していく。

 ここでアイシャがしがみついている一体を拘束出来れば良かったのだが、そこまでは上手くいかず。


「コガァア!」


 むしろ今抱き着いているプリキュの咆哮を聞き、それどころではなくなった。直感的に不味いと感じたアイシャは、地面を転がりながらプリキュとの距離を開けようとする。

 そうしていなければ、プリキュが繰り出した踏み付け攻撃を躱す事は出来なかっただろう。


「ひやぁあああぁ!?」


 ごろごろと転がり続け、踏み付けを避ける。言うまでもなく、人間の身体は構造上転がり移動に向いていない。だから速度は出ず、何時までもプリキュを振り切れないのだが、アイシャとて好きでこんな避け方をしている訳ではない。立ち上がる暇がなく、その場凌ぎの回避を優先せざるを得ないのだ。

 一瞬でも止まれば踏み付けという、内臓破裂の可能性もある手痛い一撃を喰らう。今の生命力なら内臓の一つ二つ潰れても死にはしないが、しばし動けなくなって戦力外となってしまう。二人で戦っても戦力不足だというのに、一人負傷となったらもう勝ち目はない。

 戦力外としても、庇われる状況だけは避けなければ。そう思い必死に逃げるが、しかし踏み付けようとするプリキュの方が機動力は上だ。何時までも逃げ続けられない。


「ぬうぁっ!」


 この状況を変えたのは、シェフィルだった。

 アイシャを攻撃していたプリキュに対し、体当たりをお見舞いしたのである。足を上げているタイミングだった事もあり、プリキュはこの攻撃を受け止めきれず転倒。トゲトゲボーを砕くほどの勢いで、頭から地面に倒れ伏す。

 シェフィル一人であれば、ここぞとばかりに背中に跨り、頭を掴んで引っこ抜こうとしたかも知れない。だが今回彼女が優先したのは、未だ立ち上がっていないアイシャの方。すぐに駆け寄り、アイシャの手を掴んで立ち上がらせた。


「アイシャ! 離れていてください!」


「で、でも」


 距離を取るように促され、反射的に反論しようとするアイシャ。あなたの『つがい』として一緒に戦いたい……

 そんな想いはあったが、此処は苛烈な自然界。人間がどんな想いを抱こうが、それが隙であるなら容赦なく叩き潰してくる。

 アイシャと話していたシェフィルは、プリキュから見れば隙だらけだ。


「っ!」


「きゃ!?」


 シェフィルはアイシャを突き飛ばす。直後、倒れていない方のプリキュが、さながら仕返しでもするかの如く体当たりしてきた。

 アイシャに構っていなければ、シェフィルはこの攻撃を躱せたかも知れない。しかしアイシャを見ていた分だけ反応が遅れた彼女は、プリキュの攻撃を受けてしまう。

 全くの無抵抗ではなく、避けられないと判断して防御を固めたのか。体当たりで突き飛ばされても倒れはしなかったが……飛ばされた先にいたのは、シェフィルが体当たりで転ばせていた方のプリキュ。四つん這いの体勢で起き上がっていたその個体は、自由な尻尾をシェフィル目掛けて振るう!


「がっ……!?」


 避けられず、シェフィルは背にこの攻撃を受けてしまう。頑丈な獣の皮で作った服は、しかしプリキュの攻撃的な尾を防ぐほどの防御力はなかった。甲殻に覆われた多節構造の尾は、頑強な獣の皮の服を切り裂き、シェフィルの背中に深々とした切り傷を刻む。

 これには流石のシェフィルも怯む。そして怯めば、もう片方のプリキュが追撃を行う。追撃で怯めば二体のプリキュは更に攻撃してくる。

 ただでさえ不利な二対一の状態。加えて挟み撃ちだ。これでは逃げるどころか、まともな反撃さえ出来ない。

 なんとかしなければと、アイシャの心に焦りが生まれる。とはいえ焦ったところで妙案など浮かばない。ろくな戦闘経験がない身であれば尚更に。


「こ、この! このぉ!」


 アイシャに思い付いたのは、近くにあった石を投げる事ぐらい。

 尤も小石をぶつけたところで、プリキュ達はアイシャなど構いもしない。普通の人間なら難なく殺せる大きな石も投げてもみたが、そういったものは軽く身体を傾けるだけで躱されてしまう。足止めどころかろくに見向きもされない。

 相手の関心がアイシャに向いたのは、両手で持ち上げるほどの大岩を投げてから。これも躱されてしまったが、大きく動く必要があり立ち止まりはした。それによって多少は『障害』と認識したのだろう。


「コカァ……!」


 プリキュの一体がようやくアイシャの方に振り向いた。その隙にシェフィルは連続攻撃から抜け出し、もう一体のプリキュがシェフィルの後を追う。

 振り返ったプリキュはそのままアイシャに迫る。


「こ、この、く、来るならこ」


 来るなら来い、と人類ではお決まりの挑発をしようとするも、プリキュが肉薄する方が早い。

 プリキュは軽く腕を振った。こんな雑魚に構っている場合ではない。そんな気持ちが感じ取れる一撃は、アイシャにとっては防御すら間に合わない高速攻撃。直撃を受け、何メートルもアイシャは殴り飛ばされる。

 トゲトゲボーの茂みに突っ込み、腕や首など服に守られていない場所が棘で傷だらけになる。しかしそれは身体を打ち付けた痛みに比べればずっとマシだ。全身を駆け巡る痛みに意識が持っていかれ、四肢を動かせない。

 ばたりとアイシャは倒れてしまい、しばし起き上がる力も出せなかった。


「う、く、ぅ……」


 全身の痛みで呻きを漏らしながら、アイシャは一人で立ち上がろうとする。けれどもその動きは半端なところ、肘で身体を支える状態で止まってしまう。

 抵抗や戦いを諦めた訳ではない。

 しかしここまでの戦い方を繰り返しても、状況は打開出来そうにない。考えてみれば、いや考えるまでもなく当然の事だ。今まで戦闘はほぼシェフィルに任せきり。アイシャがこの星に来てから繰り広げられた戦いで、多少なりと活躍したのは精々マゼマゼとの戦いぐらい。その時だって石を運び、シェフィルに渡しただけではないか。

 こんな人間が戦力に加わったところで、プリキュ達からすれば誤差でしかない。アイシャを適当にあしらいつつ、シェフィルを集中攻撃すれば良いのだ。

 このままではやはり負ける。付け焼刃でもその場凌ぎでも構わないから、自分の『戦闘力』を上げる方法を考えなければ不味い。例えば武器でもあればちょっとはマシに……


「(そうよ、そもそも拳で戦うのがナンセンス)」


 洞穴の家がまだあった時、中には槍のような武器が飾られていた。あんなに強いシェフィルでも、大きな獲物を狩る時には武器を使うのだ。

 武器を持てば、自分でも今よりマシな戦力になるだろうとアイシャも思う。殴られない距離からチマチマやるだけで、シェフィルの負担をかなり減らせるのではないか。当然シェフィルが使えば鬼に金棒だろう。そして二人で武装すれば、戦闘能力は大幅に向上する。

 とはいえシェフィルが作っていた槍は、原種返りの攻撃で洞穴と共に消し飛んでいる。新しく作ろうにも材料が大型生物の骨や甲殻なので簡単には集まらず、夏を迎えてそういった大型生物と出会う機会もなく、制作の機会に恵まれていない。仮に作っていたところで、家から遠く離れたこの場所では全く意味のない状況であるが。


「(何か、何かない!? 私、なんか持ってない!?)」


 服のあちこちを弄り、使えそうな武器や材料を持っていないか調べてみる。

 しかし何も出てこない。いや、厳密には服にしまっていたナイフが出てきたが、これは料理用のナイフ。あまりにも短く、射程的には殴るのと大差ない。攻撃力は上がるだろうが、プリキュの身体能力を思えばナイフの方が砕かれる可能性もある。こんなものでは駄目だ。

 使い物になる武器はない。ならばどうすべきかは明白だ。

 ないなら作れば良い。必要なものを自らの手で作り上げる。それこそ人間が自然界で繁栄し、宇宙にまで進出した原動力だ。その『生存戦略』はこの星でも決して無力ではない。

 問題は、どうやって、どんな武器を作るか。

 アイシャは人間だが、技術者ではない。料理以外の技量はお世辞にも高くないのが実情だ。無論武器なんて作った事もないので、精巧な武具や鎧なんて作れない。そもそもそういったものは、精錬した金属や鞣革などを必要とする。鉱石すら見覚えがないこの星では、熟練工でも無力だろう。

 つまり作るべきは、何処にでもある素材で簡単に作れるもの。性能はあるに越した事はないが二の次だ。この条件でさえ、理想を追い求め過ぎかも知れない。


「(なんでも良い! 何か、作れるものは……!)」


 アイシャは辺りを見回す。作る武具のアイディアを閃くため、片っ端から情報を集める。

 しかしあるのはトゲトゲボーと石ばかり。トゲトゲボーなどに食べ尽くされて雪がなくなっているため、地面は見えやすいが、今では何処にも希望がない事を示して精神的に追い詰めてきた。

 どうにか気持ちを前向きに持ち直し、トゲトゲボーで何かを作ろうと考えてみるが……妙案は浮かばない。トゲトゲボー自体は幾つもの種がいるらしいが、結局のところどれも『棘付きの棒』である事に変わりない。作れる武器には限りがある。

 作れるとしたら槍ぐらいか。しかしトゲトゲボーは突き飛ばされたシェフィルやアイシャがぶつかるだけで、粉々に砕ける程度の硬さしかない。食べる時には厄介だが、武器としては心許ない強度だ。柔軟性もあるので、思いっきり叩き付けても打撃の衝撃はあまり伝わらないだろう。

 せめて速度が出せれば、トゲトゲボーでもプリキュ達にダメージは与えられる筈だ。運動エネルギーは質量だけでなく、速度の二乗にも比例して増大する。重さ数十グラムの弾丸でも、秒速数百メートルで撃つと人間を殺せるのはこの物理法則があるからだ。しかし数多の生存競争を生き抜いたシェフィルがトゲトゲボーを投げつけないのだから、生身で出せる速さでは意味がない――――


「……! そうよ、あれなら……!」


 あれこれ考えた末に、ついにアイシャは一つの道筋を見付ける。

 この『武器』ならアイシャの戦闘力を大きく上げられる。それにこの武器が上手く作れたなら、自分達の『弱点』を補い、尚且つ人間の『長所』を活かせる。自分とシェフィルの力が合わされば、きっとプリキュ達を倒せる……

 問題は、アイシャはその道具を作った経験がないという事。銃ほど複雑な機械ではなく、金属加工技術のない原始人や原住民でも作れる道具なので、理屈の上では今のアイシャにも作れるだろう。設計図だって頭の中に思い描ける。だがこれだけで上手く作れるなら職人なんていらない。素人がぱぱっと作った代物にどれだけの威力があるか、悪い意味で未知数だ。

 何より一番の問題は、肝心な素材がない事。アイシャが思い描いている武具を作るには、最低でも三種の素材が必要だ。うち一つは問題なく確保出来るが……残り二つのうち一つは、適したものがあるかは分からない。近くにある可能性は高いが絶対ではない。そしてもう一つについては全く当てがなく、今から探さねばならない有り様だ。何かで代用出来れば良いが、見付からなければ完成にすら辿り着けないだろう。

 それでも、やらないという選択肢はない。やらなければアイシャは戦えず、二人揃って死ぬだけだ。


「シェフィル! ちょっとで良いから時間を稼いで! 私は、武器を作る!」


 大きな声で、アイシャは自分の行動をシェフィルに伝える。

 突然の叫びに二体のプリキュはアイシャの方をちらりと見た。しかしすぐシェフィルに意識を戻す。獣であるプリキュ達は(奴等の間で使うものはあるかも知れないが)言語を持たない。アイシャがシェフィルに『話した内容』の重要性を、この生き物達は理解出来ない。

 対して人間であるシェフィルは、言葉がどれだけ強力な『武器』であるかを理解している。


「ええ、任せてください!」


 力強い笑みと声。迷いも躊躇いもなく、シェフィルは応える。

 突然大声を上げた人間二人。プリキュ達は若干警戒心を露わにしていたが、二体は揃って一人――――シェフィルの方を見遣る。より強く、より逞しいシェフィルの方が危険だと判断したのだろう。自由なアイシャが何かをしてくる可能性はあるが、より脅威度が高いのは戦闘能力が高い方だと考えたのだ。

 自然界ならば正解の対応だが、人間相手には通じない……と言いたいところだが、何も出来ていないうちに誇っても強がりですらない。まずは目の前の事に集中。そう心の中で呟きながらアイシャはプリキュ達に背を向け、トゲトゲボーの森に入る。

 人類の英知にして、世界各地で開発された武具を、自らの手で作り出すために。

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