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凍結惑星シェフィル  作者: 彼岸花
第三章 進化の根源

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進化の根源10

「はぇ? ……は、え?」


 その光景を前にして、アイシャは目を丸くしながら呆けていた。

 野生の世界であれば、こんな隙だらけの姿を晒すなんて自殺行為でしかない。ましてや警戒心を消すなど断じてすべきではない。いくら住処の近くとはいえ、猛獣達が気配を消して迫っているかも知れないのだから。

 しかし此度、この星に来たばかりのアイシャのみならず、シェフィルさえも同じ顔になってしまった。長くこの星で生きてきたシェフィルでさえも見た事がなく、そして思いもよらない出来事なのだから。

 食材を煮込んでいた頭蓋骨の中から未知の生命体が姿を現すなんて、経験も想定した事がない。


「(な、なんですか、これは……!?)」


 驚き、戸惑い、思考が止まりそうになる。アイシャと同じ反応をしてしまうシェフィルだったが、されど彼女の本能は自分に迫る危険性を感じ、素早く思考を切り替える。

 まずは状況把握を優先。相手の観察を最優先にする。

 頭蓋骨(入れ物)の中から現れたのは、長さ二十センチほどの『触手』。うねうねと蠢くそれは、白くぶよぶよとした肉塊のような外見をしていた。視覚などは持ち合わせていないのか、あちこちに振り回され、弄るように触っている。

 そして数は十を超えている。触手の太さは数センチしかないが、これだけいると頭蓋骨の中は触手だらけだ。暴れているのは油石の加熱に加え、狭苦しさが原因なのだろうか。

 しかし狭苦しさに関しては、触手側の自業自得と言わざるを得ない。

 何故なら触手は今も、肉眼で把握出来る速さで()()()()()()のだから。


「な、なに、こ、れ」


「アイシャ! 一旦逃げますよ!」


 これは危険だ――――相手の正体は不明だが、直感で危険だと判断。未だ呆然としているアイシャの手を引き、シェフィルは一度触手から離れる。

 二人が離れた後も触手はのたうち、成長を続ける。ついには長さ五十センチほどにまでなると、地面をしっかりと踏み締めた。最早のたうつ事もしない。

 まるで、自分の置かれている状況を理解したかのように。

 それを示すかの如く、触手達は同調したような動きで、ぐるんと鍋にしていた頭蓋骨ごと体勢を変えた。頭蓋骨はあたかも本物の頭のように触手達の上に位置し、触手は足として大地を踏んで体勢を保つ。

 アイシャはその動きに驚き、姿ばかりを見ている様子だ。だがシェフィルは別の事象に強く関心を寄せる。

 それはひっくり返った頭蓋骨から、溶けた脂が殆ど溢れなかった点だ。食材を煮込むため、なみなみと入っていた筈なのに。


「(まさか、これは……!?)」


 脳裏に浮かぶ、一つの可能性。

 シェフィルの考えは間もなく証明された。

 立ち上がった触手、否、生命体は更に身体を大きくしていく。白くぶよぶよとした触手の一本が太く、急速に肥大化。他の触手を何本か吸収していった。最後に出来上がったのはウゾウゾを思わせる、ぶよぶよとした蛆虫型の体躯。

 他に残った六本の触手は、吸収されるどころか肥大化。柔らかな外見は打って変わり、筋肉質で逞しい足と化す。足先には小さくも鋭い爪が生え、地面を踏み、体重を支えるのに適した構造となっている。

 頭蓋骨には薄く白い膜が張られ、その膜は時間と共に厚みを増していく。バキバキと鳴り響く音は、圧力によって頭蓋骨を砕いているものか。イモムシ的な丸みを帯びた頭に、上下に開く顎が生えてくる。顎の内側にはずらりと、人間を思わせる『歯』が並んだ。頭部には目どころか触角さえもない。

 身体の末端からは長く伸びた尾が、鞭のようにしなっている。先端には黒々とした丸い玉があり、まるで鈍器として振るうかのよう。

 そうした数々の変化の果てに、体長は二メートルを超えるまで成長した。尾の長さを含めれば、全長四メートル近い。恐らく周囲の雪などな物質を無差別に取り込んだ結果だろうが、だとしてもあまりに大きい。圧倒的な体格差を有した猛獣の出現だ……料理をしていた調理器具の中から。


「な、な、なん、なんで!? なんで、お鍋の中から生き物が……!?」


 アイシャの疑問は至極真っ当なものである。料理をしていたら中から怪物が、なんて展開は最早ホラーどころかギャグ寄りだ。不条理であり、不可解であり、不可思議な現象と言うしかない。

 だが、それは文明に浸った人間の考え。

 この星の生命として生きてきたシェフィルは知っている。実物を目にした事はないが、母から教わっていた。かなり特殊な条件が整わないと起きないものであり、まさか料理でその条件を満たす事になるとは思わなかった。しかし想定外という理由で現実を否定するほど、シェフィルは愚かではない。

 即座にシェフィルは原因を推測し、自分達の前に現れた生き物が何かを特定。


「これは、緊急自己進化ですか……!」


 この星の生命特有の現象を、言葉として発した。


「き、緊急自己進化……?」


「我々の身体に秘めている力の一つです。発動に色々条件が必要なため、私も今まで見た事すらなかったのですが……成程、確かにあの頭蓋骨の中なら満たしていますね」


 未だ鍋から現れた生命体に、こちらを襲う気配はない。それと春になった時、母から大事な話はちゃんと共有しなさいと叱られた。話せる時に話すべきと考えれば、今のうちに説明すべきか。

 シェフィルは警戒を怠らないよう努めつつ、アイシャに此度起きた出来事について話す。

 緊急自己進化。

 まず、自己進化という能力が惑星シェフィルの生物には備わっている。これは自らの遺伝子情報を()()()()()()()()()()()()()()形質だ。これは身体の中に複数種の遺伝情報を持ち合わせる事で可能としている。体内で様々な遺伝子を持った細胞が共存しつつ、餌や体温などからより適した細胞が数を増やし、不適応な細胞が数を減らす……即ち自然淘汰を繰り返していく。これにより身体全体を、より環境に適したものへと変えていく。そして適合する遺伝子の子を生む事で、ごく短期間で進化出来るのだ。

 驚異的な能力、と言いたいところだが致命的な弱点もある。それは無数の形質の細胞を持つため、「自分以外を排除する」事であらゆる病原体と戦える獲得免疫の仕組みと相性が悪い事だ。何しろ遺伝子が複数ある所為でどれが『自分』なのか分からない。最悪、体内の細胞同士が殺し合う。おまけに突然変異で有利な形質を獲得しても、元々いなかった存在として攻撃されてしまう。

 何より、獲得免疫は非常に優秀な免疫システムだ。これを捨て去るのは、病原体に対する抵抗力が弱くなる事を意味する。ちょっと擦り傷を負っただけで、そこから病原体が侵入し、命を落とす可能性がぐんっと上がる。

 このためこの自己進化を使えるのは、特定の物質に対して攻撃する『自然免疫』が発達している生物種のみ。この自然免疫に優れる種は、惑星シェフィルでは小さくて非力な生物達に多い。よって自己進化も、基本的には小さな生物が使う生存戦略だ。


「な、成程ね……世代交代もなく進化するとか、そりゃ一つの種の寿命が一万年とかになるか。それだけ常に進化していたら、生態系がすぐ変わっちゃって環境も目まぐるしく変化するだろうし。でも、それがどうしたの?」


「……例えば、なんらかの要因でいきなり熱い場所に投げ込まれたとします。私達でも死にそうな熱さです。ですが手足はもがれ、身動きは出来ないので脱出も不可能。さて、その生物にとって大人しく死ぬのは適応的でしょうか?」


「え? 適応的も何も、動けないんじゃ足掻きようも――――」


 シェフィルからの問いに答えようとした、アイシャの口が止まる。まさか、と言いたげな顔をしている彼女に、シェフィルは「そのまさかです」と伝えた。

 どうにもならない。だけどこのままでは死ぬ。

 そのような状況下に置かれた時、自己進化能力を持つ生物は()()()()()()()()()()。分裂速度を加速させて無数の細胞を作り出し、そのまま劣悪な環境に晒して淘汰。生き残った細胞が死んだ細胞を餌にして再び増殖し……という流れを繰り返し、急速に環境へと適応。困難を打破して生存を図る。

 これが緊急自己進化と呼ばれる能力だ。無論これは口で言うほど簡単な話ではない。細胞レベルで危機を感じる状況でなければ発動しないし、あまりに過酷過ぎると進化する前に細胞が全滅してしまう。捕食されて、消化器官で消化されている状況から逆転出来るほど便利ではないのだ。『程々』に劣悪な環境でなければ使えないが、そんな都合の良い状況は早々ない。

 おまけに細胞分裂を行うには、大量の資源とエネルギーが必要である。しかも緊急自己進化では兎に角急いで増える必要があるため、効率など度外視した分裂をしなければならず、何時も以上にエネルギーと資源を浪費する。言うまでもないが、今正に死のうとしている時に栄養満点な食べ物を探すだけの時間的猶予はない。身体の中にある栄養、或いは手の届く範囲にある餌が尽きれば、飢えにより死んでしまう。そもそも何故緊急自己進化が発動するのに生命の危機を必要とするかといえば、常時発動していたら飢えて適応の意味もなく死ぬからだ。何事も『無理』は良くない。

 止めに、適応したのはあくまでも今襲い掛かっている『危機』に対してである。どのような変化も長所と短所は表裏一体。例えば大きな神経系を持てば知能や運動能力は高まるが、本能的(合理的)な判断力は低下し、エネルギーも多く消費する。『今』の危機を乗り越えたとしても、その身体が『今後』の環境に適しているとは限らない。実際、大抵はその後の生存競争で淘汰されてしまう。

 どうにも条件が厳し過ぎて、発動する事自体が極めて稀。仮に発動してもそのまま生存する可能性はかなり低めという、メリットの大きさ以上にデメリットが大きな能力なのだ。正確には特殊能力というより、普段使っている自己進化を用いた悪足掻きのようなもの。百億回に一回成功したら良い程度の、ないよりマシな力でしかない。


「ですから普段、ふつーに狩りをする時は気にしなくて良いのですが……今回はちょっと条件が悪かったです」


「じょ、条件?」


 未だ戸惑いを隠せないアイシャに、シェフィルは淡々と語る。


「ぐつぐつしている脂の中。危険ですがすぐに死ぬ熱さじゃありません」


 油石の火力は驚異的だ。直に焼いたのであれば、焼きウゾウゾのようにすぐに死ぬ。

 しかし今回は地面に少し埋めた頭蓋骨の中、そこに満たした脂の中で煮た。接した地面から熱は逃げていき、脂に含まれる水分などが蒸発すれば気化熱で脂自体の温度が低下する。そのため脂の温度は、どうしても油石から吹き出た炎よりも低くなる。


「何より元はモージャの脂身ですからね。栄養満点な上にエネルギーも豊富です」


 脂肪は生命体において、極めて重要なエネルギー源だ。母からの受け売りだが、タンパク質や糖よりも、グラム辺りのカロリー量は高い。

 その脂肪分に満ちていた頭蓋骨の中は、エネルギーのスープと呼んでも過言ではない。また脂肪は細胞膜などの材料として大量に必要な物質だ。そもそも脂肪と言いつつ、少量の血肉も混ざっているのでアミノ酸やビタミン類も豊富。細胞分裂の材料とエネルギーには困るまい。


「緊急自己進化をする上で問題になる二点が、あの頭蓋骨の中では解決していました。そして投入した食材達は、例えバラバラでもまだ生きている。どうにかこの苦難を乗り越えようとして、食材にした肉片が進化・成長したのでしょう」


「で、でしょうって、でも、ならあの姿は何!? なんか、こう、材料に使ったどの生き物の原型も留めてないわよ!?」


「いや、原型はあちこちに見られますよ? 混ざってるだけですね」


「混ざ……!?」


 あの頭蓋骨の中には、様々な生物の肉を入れた。いずれも小さくて比較的構造が単純な種であり、解体されたところで死なないものばかり。どの肉も生きている状態だった筈だ。

 生きた細胞があるなら増殖し、自己進化しながら肉体を再生させようとする。しかしながらどの生物も解体済みの肉体である事に加え、急速な細胞分裂により身体の形は変化中。このため肉体の『輪郭』が曖昧であり、他の分裂中の細胞と混ざってしまった。

 自己進化能力を持つ生物種は、一つの身体の中に無数の遺伝子を有す。自分とは異なる形質を許容する身体にとって、体内にある細胞が自分と同種かどうかは些末な問題だ。自然免疫が反応するのは特定の、病原体が持っている物質に対してなので、それさえなければ異種の細胞でも排除対象とならない。故に混合しても問題なく、一体化してしまった。

 これが安定的な姿となるのか、それとも自己進化の過程で元となった種のどれかに戻るのか。それは分からないが、いずれにせよ今の奴等は完璧なる混ざりもの。

 名付けるならばこの生物、いや、存在は――――


「仮にですが、マゼマゼと呼ぶとしましょうか」


「いやそこはキメラとかキマイラでしょ!? なんで毎回びみょーに気が抜ける名前にするの!?」


 シェフィルが与えた名前に、アイシャは何やらご不満な様子。別段この名前に思い入れもないが、しかし先に名前を付けたのはシェフィルなので譲るつもりもない。

 加えて、反発したアイシャ自身もその事に長く拘らない。ツッコミのため一瞬盛り上がった感情はすぐに落ち込み、顔を青くしていく。


「……つまり、あの怪物は、私が料理をしたから生まれたの……?」


 やがて震える唇で、そうシェフィルに尋ねてくる。


「そうですね」


 シェフィルはアイシャの問いに、迷わず答えた。

 料理をしたからマゼマゼは誕生した――――それは事実だ。不味い不味いと言いながら生肉を喰らっていればこんな事にはなっていない。直火で焼いていても、恐らく問題はなかっただろう。

 より美味しいものを食べようとした結果が、マゼマゼという恐るべき怪物の誕生を許したのだ。

 アイシャはその現実を突き付けられ、ぺたんと座り込んでしまう。青ざめた顔には、恐怖とは別の感情があるようにシェフィルには感じられた。

 しかし事実は事実だ。どれだけアイシャが落ち込もうと、事実を歪める真似なんてシェフィルはしない。する意味が分からない。現実を受け入れなければ、この星の生存競争で生き残る事など出来やしないのだ。

 されど受け入れるからこそ、アイシャを批難しようという気など欠片もないが。


「いやー、自己進化の事すっかり忘れてましたよ。私の責任ですね、うん」


 事実を正しく受け入れれば、自分の判断誤りが『原因』なのは明白なのだから。


「……え? い、いや。私がアヒージョを作りたいって言ったからこうなった訳で」


「? アイシャは自己進化の事を知らなかったのですから、どうしてこの問題を回避出来たのです? 知っていたのは私なのですから、私がなんとかしなければならなかった話でしょう?」


「で、でも! 私が言い出した事で……」


「言い出したから、なんです? どうしたら止められたのです?」


 シェフィルが何度も尋ねると、アイシャは口を噤んだ。

 何故原因を考えるのか。

 それは問題を解決し、繰り返さないためだ。自己進化の事を知らなかったアイシャが反省し、シェフィルが責めたとして、それで問題が解決するのだろうか? 二度と起こらないのだろうか?

 そんな訳がない。それらは問題が起きた事とはなんら関係ない話なのだから。合理的なシェフィルにとって、自分の行動に問題がある事は恥じる話でもなければ拒絶する話でもない。

 そもそもにして、である。


「あとアイシャ。何やら思い詰めていますけど……別にあれ、危険とは限らないですよ?」


 今回起きた問題が、深刻に考える必要があるのかも怪しいとシェフィルは考えていた。


「そ、そんな訳ないでしょ!? だってあんな怪物、しかも自己進化なんてとんでもないもので誕生して……」


「ですから、それがなんだと言うのです? 自己進化なんて小さな生き物じゃ普通にやってる事ですし」


「……ま、混ざってるし」


「だからなんです? 混ざっただけでしょう?」


 シェフィルには分からない。世代を経ず急速に自らの姿形を作り変え、あまつさえ複数の生命が融合した存在を、『冒涜的』だの『不自然』だのと考える感性は。

 あれは自分達が煮込んだ生命の、過酷な環境下で生き残ろうとした結果の形に過ぎない。適応の結果に冒涜的も不自然もあるものか。どうして生存のための形態をあれこれと上から目線で、あまつさえ自分の気分だけで採点し、それが正しいだの誤りだのと言うのか。

 シェフィルにそんな傲慢な考え方は備わっていない。

 もしも人間が語る冒涜の概念を今から学んだとしても、シェフィルはこう答えるだろう――――生き物の生存方法にあれこれ文句を付ける方が余程『冒涜的』だと。


「というかアレ、元を辿ればウゾウゾ達ですからねー。あんな姿になってますけど、どーせ本質的にはビビりですよ多分」


 そしてここまで暢気で語れる理由は、マゼマゼを脅威だとは微塵も思っていたなかったから。

 料理の材料に使われたのは、いずれも小さくて脆弱な生き物達ばかり。融合して身体は大きくなったが、遺伝子的には食われる側のままだ。身体の大きなシェフィルやアイシャを襲うとは考え辛い。

 それがこの星の生物と数多の歳月を共に過ごし、生き延びてきたシェフィルの判断。


「いや、多分それは間違いだと思う」


 ところがここだけは、アイシャはきっぱりと否定した。

 アイシャは真っ直ぐに指を差す。その行く手にいるのは、誕生してからこちらをじっと見つめたままのマゼマゼ。

 顔のない頭部から感情を窺い知るのは困難、と言いたいところだが……アゴムシと同じく人間によく似た顎が半開きになり、だらだらと涎が垂れていれば、察するのは容易だろう。

 考えてみれば、奴等は緊急自己進化でたくさんエネルギーを使っている筈だ。頭蓋骨内にあった脂肪分だけでは足りなくても不思議はない。そして空腹に苦しむ小さな生き物が、一か八かで自分より大きな生き物に襲い掛かるのもよくある話。ウゾウゾやアゴムシはこの星の生物の中では大人しい種であるが、それは気質ではなく生態だ。生きるために必要ならば、他者を殺す事になんら躊躇などしない。

 ならば、どうしてマゼマゼが自分達を襲わないと言えるのか?


「あー……確かに。前言撤回です」


 事実を受け入れるが故に、シェフィルは素直に自分の判断ミスを再び認める。

 もしも認めなければ、次の瞬間襲い掛かってきたマゼマゼの爪により、シェフィルの頭と胴体はおさらばしていた事だろう――――

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― 新着の感想 ―
>「いやそこはキメラとかキマイラでしょ!? なんで毎回びみょーに気が抜ける名前にするの!?」 まぁ、分かりやすい名前の方が良いでしょ。 それに、それまでの人生でアイシャ以外の人間と会った事が無いシェ…
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