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60 エピローグ フェイクラブ

 青すぎるくらい青く、それでいて爽やかに澄み切った空。


 鳥の鳴き声と頬を撫でる風と風に乗せられた潮の匂いが心地いい。


 味覚以外の感覚が街の空気に包まれて学生なのに平日の昼間に出歩く罪悪感はいつの間にか消えていた。


 こんなに豊かな海の町であれば味覚が満たされるのも時間の問題だろう。


 照りつける初夏の太陽に目を細めながら、港に近い海沿いの歩道を僕は歩いていた。


 海に突き出るように設置された木の桟橋の先端に細くスラっとした体つきの女性がいた。顔は見えていないが美人と確信できる。丸みのあるボブの髪を風に揺らしながら堂々と立つ姿に目を奪われ思わずカメラを構えた。


 ピントを合わせて、あとはシャッターを切るだけという状態で僕の手は動かなくなった。


 やっぱりだめか。地元から離れた場所に引っ越しても変わらなかった。写真を撮ることができなかった。


 カメラを構えたままの僕に気づいて女性が振り向いた。


 ファインダー越しにだが、目が合った。


「どうしたの、撮らないの?」


 少し距離は離れていたが、確実に僕に話しかけている。


 桟橋の先端にいると女性が海の真ん中に立っているように見えた。


 そんな姿が絵になると思ってカメラを構えてしまった。どうせ撮ることなんてできないのに。


 僕がまだ撮れていないことを知っているかのように女性は続けた。


「それとも気づいた? 撮っていいのは撮られる覚悟があるやつだけだって」


 女性は右手で顔の左半分を隠しながら不敵に言った。


 くっきりした目鼻立ちと薄い唇、口を開くと覗かせる八重歯。特筆する何かがあるわけではないけど紛れもなく美人に分類される人で、1度見ていたら忘れないはず。


 この女性の顔や声に覚えはまったくないはずなのになぜか懐かしく感じる。


 コードギアスのやり取りもどこかで経験した記憶があるけどいつ経験したかは思い出せない。


 すごく最近の出来事のようにも思えるし、ずっと昔の出来事のようにも思える。


 自分のこれまでの人生すべてを脳内で振り返ってもこの女性は見つからない。


 なのにどうしてだろう、記憶はないのに必死に思い出そうとしているのは。


 弾かれたようにその女性のもとに駆け寄る。


「クリス……」


 ふと、つぶやいた。


 自分でもどうしてその名前が出てきたのかわからない。


 そしてその名前を口にしてからしてからなぜか涙がぼろぼろと溢れてくる。


「あなたは誰ですか?

 なぜあなたと話すとこんなに熱い気持ちが込み上げてくるんですか?」


 初対面の女性の前で涙と鼻水をすすりながら話しかける姿は変質者にしか見えないがそんなことを気にしている余裕はない。


 今はこの気持ちの正体を確かめたい。思い出せないけど、思い出さなくちゃいけない大切なことな気がする。


「龍守豊姫。またの名を綾辻クリス。ただの人間に興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたらあたしのところに来なさい。以上」


 その痛い()()紹介を聞いて全て思い出した。


 記憶に蓋がされていた出来事が堰を切ったように脳内に流れ込んだ。


 クリスに出会って少し昔のアニメの話をしたこと、写真部に入って葉月先輩を好きになったこと、葉月先輩とクリスと色々な部活を見たこと。


 そして何度もやり直したお祭りのことも。


「七森さん、私のことを忘れていましたね? ギアスはかけたはずなんですけど」


「思い出したから忘れてないよ」


「それまでは忘れてたってことですよね?」


「もう全部思い出したんだから勘弁してくれ。

 あなたが助けてくれた命だ。本当に感謝している」


 素直に感謝を述べると豊姫さんはバツが悪いそうに顔をそむけた。


「いさなを助けるためにやったことで、別に七森さんのためにやったことじゃないです」


「あなたの年齢のツンデレに需要はない」


 中身は出会ったクリスだが、見た目は元の姿の豊姫さん。小学生の子どもがいるにしては若いが30前後だろう。


「失礼なことを言いますね!

 大体敬語を使ってください! なんで年上の私が敬語で七森さんがタメ口聞いてるんですか!」


 照れたかと思えば今度はぷりぷり怒っている。年齢は30くらいだろうけど、テンションが若い。


「じゃあ敬語使いますよ。豊姫さんはここで何をしているんですか?」


「あー、なんか違いますね。やっぱり今まで通りでいいですよ」


 こいつ……。


「ここで七森さんを待っていたんですよ。私のことを覚えているかどうかを確認するために。もし覚えていたら変わった未来についてもお話しようかと」


 案外真面目な用事だった。それなら僕も態度を変える。


「それじゃあ、気になったことを聞かせてもらうよ」


「最終的には僕もいさなも生きている結末にしたわけだけど、その結果は変わらないってことでいいんだよね?」


「本来なら変わりません。バタフライエフェクトの逆バージョンで、変えた未来になるように人の行動が収束していきます。

 ですが、未来予知に関する能力を与えていた神が消滅したのでどうなるかはわかりません」


「ならお祭りまで気が抜けないってことか? また何かある可能性があるのか?」


「それは大丈夫です」


 神が消えたことで自分の能力もなくなって、もうやり直すことはできないのに自信のあるこ答えだった。


「清正は悪だくみをしていなし、いさなの子育てにも協力的です。地域の発展にもすごく協力的で彼の能力をフルに活かしています」


「表立ってはってことだろ? 裏では何をやっているかはわからない」


「もちろん、あらゆることを調べました。探偵にもお願いしました。その結果悪事は何もやっていないということでした」


 探偵を使うなんて随分と本格的だ。雇ったのは小学生か、魔人か、仮面ライダーか。


「本当に何も悪いことをしていないとしたらあの時の清正は何だったんだ?」


「お母さんにそれとなく聞いたら、神によって人格を支配されちゃう人もいるみたいです。彼は信心深いし様々な才能に恵まれているから目を付けれたのかもしれません」


 神に支配されるか。あの時はそんな感じだったかもしれない。狂っていた。でもその狂いはいつから始まったのだろうか。


 生まれたときから? 小学生? 中学生?


 今さらそんなことを考えても意味はないか。


「とりあえず、今のところはいい方向に進んでいるんだね」


 「ふーー」とクリスが両手の掌を空に向けてため息とともに、やれやれと言いたげなポーズを取った。


「なんだよ」


「七森さん、気づかないんですか? 私はいい方向に向かっていますけどあなたはわかりませんよ?

 これまで作ってきた人間関係がリセットされているんですから」


 人間関係がリセット……。


 葉月先輩との関係がなくなった。お祭りデートできるくらいには好感度を稼げていたのに。


 慎吾や茜みたいな友達もそうなるのか。また知らない間柄として始めなきゃいけないのか。自分の置かれている現状を把握して無力感に襲われる。


 今まで楽しんできた思い出を自分だけが知っていて相手とは共有できない。それに自分は相手のことをよく知っていても向こうは何も知らないから、下手なことを言うと警戒されて友達どころじゃなくなるかもしれない。


 僕が黙って悪い思考の沼から抜け出せないでいると豊姫さんが肩を叩いた。


 顔を上げると穏やかに微笑む美人がいた。


「彩音さんや他の友達との関係をここから始めましょう。イチから、いいえゼロから」


 お前、それが言いたかっただけだろ。


「あー、くそ。振り出しに戻るのかよー。

 でも葉月先輩や慎吾がループしていたこととかクリスのことを覚えている可能性だってあるよな」


 そうだよ。僕が思い出せたんだから他の人だって知っている可能性は充分ある。思い出してもらえさえすればこっちのもんだ。


 だがクリスは僕の期待を打ち砕いた。


「覚えていないと思いますよ」


「なん…だと…」


「一体いつから錯覚していたんですか? 七森さんのことをみんなが覚えているなんて」


「嘘だッ! 僕は頑張ったよ。すごいすごい頑張り物語だったよ」


 最初は覚えていないのが当たり前だと思っていたけど、そうだとしたら自分はどうなるんだ? なぜ覚えているんだ?ってなった。そこから今回の件を知っている人はいるはずだと期待してしまったからこそ落胆が大きくなってしまった。


「ふふふふ、やっぱり七森さんは面白いですね」


 僕の気持ちとは裏腹に豊姫さんは楽しそうに笑っている。


「ああ、なんか豊姫さんと話すとそういうスイッチ入っちゃうんだよ。他に伝わる人なんていないし」


「七森さんのワードセンスのお礼としてどうしてみんなが覚えていなくて七森さんの覚えているのかを説明しましょう。

 理由は簡単です。七森さんがループしていることに気づいたからです。これが他の人と七森さんとの最大の違いです。

 七森さんは私の乗り移りという能力に伴う未来をループする効果にかかり切っていません。本来は全員が記憶がまっさらな状態で未来を繰り返すことになるのに、ループしていることいに気づいている人がいるということは能力が不完全だったということです。完全にかかっていなかったから私のことを覚えていたのでしょう、とタツモリは懇切丁寧に説明します」


 豊姫さんは長い説明を無表情で機械的に行った。


「説明が長すぎて、ナナモリはナナモリは逆に混乱しちゃったりー」


 振ってきた豊姫さんに幼く明るい感じで応えたのにスルーされた。


「なら、細かい理由は置いて現状を伝えます。能力の影響にない私たちは何も変わりませんが、私たちが清正の未来を変えた影響で他の人も変わっている可能性は十分にありえます。

 つまり、あなたが好きになった彩音さんはもうあなたの知っている彩音さんじゃないかもしれません」


 なん…だと…。


 本日2度目の使用。ただ、驚きはしたもののそこまで落ち込んではいない。


「それなら問題はない。僕は葉月先輩に一目惚れした。性格を知る前から好きだった。だから葉月先輩の性格が僕の知っている葉月先輩じゃなくても好きになれる自信があります。むしろ別の側面を見れるって楽しみじゃないか!」


「要するに顔が好きってことですね。ラブコメの主人公だったら最悪ですよ。ヒロインを選ぶ理由が顔って。誠死ね」


「一目惚れをそこまで悪く言う奴初めて見たぞ。ていうか僕は葉月先輩一筋だから刺される展開を作るような発言はやめろ」


 お互いに話し疲れて少し黙る。改めて豊姫さんを見て驚く。あの小っちゃいクリスと名乗った女の子がまさかこんなに美人だったなんて。


「やっぱり違和感しかない。小学生の姿でしか見てなかったから」


「見惚れちゃってましたもんねー。カメラ構えて盗撮しちゃって。そんなに私のことが好きですか?

 彩音さんの性格は変わってるかもしれませんが、私の性格は変わらずいい女ですし、見た目も結構いいと思いますよ?」


「あなた既婚者でしょ。それに何度も言いますが、葉月先輩への気持ちは揺るぎませんから」


「一途ですね。ま、逆に七森さんのことをかなり好意的に見てくれる性格に変わっている可能性もありますから楽しみにしてください」


 葉月先輩の性格が変わってもまた好きになる。もし葉月先輩が自分のことを好ましく思わない人になっていても関係ない。彼女が僕に写真を撮ることができるきっかけを作ってくれた事実は僕には変わらないし、永遠の片思いだって悪くない。そういう日常を送れていることが幸運なことだとループを通して経験した。


 思いを馳せていると、聞き覚えはあるけど印象が異なる声が聞こえた。


「そこの君、ちょっと付き合ってよ!」


 呼ばれた先を見ると真っ白なドレスの裾を両手でつまみながら走ってくる女性がいた。


「はぁはぁはぁ……」


 走り終えて両手を膝について息を整えている。


 ヒールを履いて全速力なのに転ばないことに感心しつつ、誰だか聞いた。


「どちら様ですか?」


「私は葉月彩音。よろしく。突然だけど、私の恋人になってよ」


「は?」


 突然の申し出に呆けた声が出た。


 あどけなさが残る顔立ちは幼い印象を与えるがスタイルの良さと着ているは花嫁衣裳のような白いドレス姿を見て大人の女性だと感じた。


 それよりも名前だ。この人が本当にあの葉月先輩なのだろうか。見た目や声質は同じだが受ける印象が全く違う。


「だから私の恋人になってって言ってるの。あくまでも恋人役だけどね。ガチ恋しないでね。あと、拒否権はないから。

 君の名前は?」


 葉月先輩はもっとおっとりした柔らかい雰囲気だった。今の葉月先輩は勝気で自分の要求を説明も何もせず通そうとする非常識な人にしか見えない。


「その前に事情を説明してください」


「その暇がないのよ!」


「お嬢様ー!」


 こちらに向かって1人の長身の黒髪の男が走ってきた。年齢は20代後半くらいだろうか。


「来ちゃったわ。話し合わせてよね」


 僕の返事を聞かずに男の方に向いた。


「お嬢様、探しましたよ。結婚式を急に抜け出さないでください! 早く式場に戻ってください!」


「嫌よ! 私は彼と結婚を前提に付き合ってるの!」


 そう言って彼女は腕を絡めてきた。幸せな感触を感じるが修羅場っている状況で満足に堪能できない。


 そして小声で「ちゃんと話合わせなさいよ」と耳打ちしてくる。


「ほほう。君は本当にうちのお嬢様と付き合っているのか?」


 男は目を細めて懐疑的な視線を向けてくる。


「いや、」


 否定しようとすると、彼女は腕を組んでいると見せかけて関節を極めてくる。


「痛ったっ」


 無言で彼女が睨んでくる。関節を犠牲にしてこのゴタゴタを回避するか、関節を守るためにい一時的に嘘をつくか。


 僕の対応は後者だ。ここでテキトーに話を合わせて後で別れたことにすればいい。


 痛いのは嫌なので嘘に極振りします!


「もちろん、お付き合いさせてもらっていますよ! 

 こんな素晴らしい女性他にいませんよ!

 僕は七森叡人です。今後ともよろしくお願いします、お兄様」


「そうか。お嬢様が認めた相手であれば文句はつけたくないところだし、望んでいない結婚式に参加させるわけにもいかない」


 それを聞いた彼女は激しく首を縦に振って同意している。


「いいだろう。今回の結婚は少し無理矢理なところもあったから俺も否定的だった。お嬢様には心に決めた相手がいるとボスに伝えておこう。

 それと俺は兄ではなく彩音お嬢様のボディーガードの黒川だ。

 だから万が一にでもお嬢様を傷つけるようなことがあればどうなるかわかっているよな?」


 ドスの効いた声で脅してくる男に僕は無言で頷くしかなかった。 


「そして、あなたは?」


 黒川と名乗ったボディーガードは豊姫さんに話しかけた。


「私は豊姫。叡人の姉だ。弟の幸せを邪魔するなら感謝の正拳突きの1つでもお見舞いしてやろうと思ったが、そうならなくてよかった」


 よくもまあ、ぬけぬけと嘘をつける。


「俺は女だとしも容赦しないぞ?」


「女に負けた言い訳ができるように、女には手を出せないと言ったほうがいいんじゃないか?」


 2人の間でジリジリと視線の火花が散っている。


 豊姫さん、なんであなたはそんなに喧嘩腰なんですか?


「俺はお嬢様に危害が加わらないならなんでもいい。だから七森君、君がお嬢様を傷つけないか、そしてお嬢様に相応しい男かどうかはしばらく見極めさせてもらう。

 じゃあ、俺は戻る」


 黒川さんは来た道を真っ直ぐ引き返していった。


「ふー、なんとかなった!」


 彼女は額の汗をぬぐって一息ついている。


「なんとかなった、じゃなくて。状況を説明してください」


「あー、ごめんごめん。協力してくれてありがとね。

 改めまして、水翠高校3年の葉月彩音です。」


「水翠高校2年の七森叡人です」


「へー、後輩だったのかー。でも見たことないかも」


「転校してきました。登校するのは明日からです」


「転校初日からこんな美人な先輩と付き合っているって知られたらすごく目立つね」


 ループして未来を変えた影響なのだろう、僕の知っている葉月先輩とは大きく違っている。前は謙虚でお淑やかな人だった。どちらも葉月先輩だから比べるべきではないのだが、違いすぎて戸惑っている。


「本当に付き合うんですか?」


「うん。まあ、ふりでいいよ。一緒に昼休みにご飯食べたり、放課後出かけたりするのを繰り返していれば黒川も納得するでしょ」


 それだけなら、まあいいか。友達としていることは変わらないし。


「もしかして、えっちなことできるかもって期待してた? 残念、君にはまだ早いよ~」


「そんなこと考えてませんから!」


「でも~、顔赤いよ~? 想像したんじゃないの~?」


 あの葉月先輩の口からそういうことを言われたら嫌でも意識してしまうからしょうがないだろ。それを言っても意味はないけど。


「してませんから!

 それよりもどういう状況か早く説明してください!」


「七森さん、無理矢理話を逸らそうとしないでください。今のところ、特に想像したのかどうか、どんな想像をしたのかkwsk教えてください!」


「豊姫さんは入ってこないで。ややこしくなる!」


「ところで2人はどういう関係?」


「後で説明しますから、先に先輩のことを聞かせてください」


「えー。気になるなー。絶対姉弟じゃないよね。

 まあ、巻き込んじゃったのは私だから先に説明するね」


 文句を言いながらも葉月先輩(まだ認めたくない)は状況を述べた。


「私の家ってギャングなの」


「えええ!」


 いきなりの情報に大きな声が出てしまった。


「ちょっと、いきなり話の腰を折らないでよ」


「すいません、続けてください」


 ギャングってここ日本だよ? 僕はとんでもないことに巻き込まれたかもしれない。


「ファミリーの存続のために私がとある家に嫁ぐことになったんだけど、その男が嫌で嫌で。それで逃げてきたってわけ」


「それだけですか?」


「うん」


 もっと積もる話があると思ったが、あっさり終わってしまった。


「七森さん、どこかで聞いたことがありますね!」


 目をキラキラさせて豊姫さんが言った。


「言っておくけど、ペンダントも鍵もないからな。そんなフラグを幼少期に立てた覚えはない」


「ちぇっ。つまらないですね。

 でも良かったですね。好きな人といきなり恋人からスタートできるなんて」


 一目惚れだったから葉月先輩に会えれば仲良くなって、絶対に思いを伝えようと思っていたが、想像とあまりにも性格も背景事情も違いすぎて飲み込みきれない。


「2人だけで話さないでよ」


「あ、ごめんなさい」


「ちょっと急なことになっちゃったけど、これからよろしくね。ダーリン♡」


 そう言ってはにかむ笑顔は僕の知っている葉月先輩と同じで不覚に心臓が高鳴ってしまった。


 やれやれ、勘弁してくれ。僕は静かで平穏な毎日を送りたいのにこれから騒がしくなりそうだ。


作者の趣味全開な作品でしたが最後まで読んでいただき本当に本当にありがとうございます!!!!


作品が面白いと思った方は☆5、つまらないと思った方は☆1の評価をお願いします! 


高評価やブックマーク、作者の他作品を読んでいただけると大変うれしいです!


『僕は今生まれて初めて人に頭を下げている。恥も外聞もない。これ以上は何もいらない。

 ギアスだって。

 だから高評価といいねとブックマークをくれ!


 神よ! 集合無意識よ!

 読者を止めないでくれ!


 ナナモリー・ヴィ・エイタニアが命じる。高評価といいねとブックマークをしろ!』

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