活報にのせたSS *今後について語るノエルとモルフェ
厨房を追い出された二人は、オアシスのほとりでオランジュの収穫をしていた。
「おい、ノエル、これからどうするつもりなんだ?」
「前から言ってんじゃん。オリテとゼガルドをその、うん、アレするって」
「アレって何なんだよ、匂わせんな、はっきり言え。滅ぼすのか」
「んー、まあ、いやぁ。伯爵令嬢にそんな物騒なこと言わせんなって」
「……ッチ」
ノエルの頬を炎の球がかすり、木に直撃した。
焼きオランジュの良い香りがする。
「あーもったいない! 無詠唱で炎打ち込んでくるのやめてくれよ!?」
「お前のことを令嬢だと思ったことは一度もねぇ」
「あー……そうだよな。一度ちゃんと話そうと思ってたんだけど」
ノエルは顔をモルフェに向けた。
「モルフェってしたいことないのか」
「したいこと?」
「そうだよ。俺はさ、国がどうこうってのもあるけど、まー、流れでここまで産まれて生きてきちゃってるから」
「なんだそれは」
「だからなあ、個人が何がしたいかってのが大事だと思うわけだ」
「俺は……別に……」
「なんかあるだろ。美味いもん食いたいとか、オネエチャンと仲良くなりてぇとか」
「……いや」
はぎれの悪いモルフェに、ノエルはぴんときた。
これは本心では、何かあるに違いない。
「ほらぁ、金が欲しいとか、名誉が欲しいとか、そういうのなんかないか?」
「欲しかったものはもう全部ある。別に何も無ぇが……」
「何だよ、言えよお。オネエチャンかあ? それとも年下が好みかあ?」
「いや……」
「ぱふぱふか!? ぱふぱふなのか!?」
モルフェはふいと視線を逸らして呟いた。
「……ゼガルドに残ってる奴隷を全員解放したい」
「モルフェ、俺にファイアボール打ってくれ! でっかいやつ! ボアのステーキ俺の分もいる!?」
「なんだよ急にキメェ。ステーキはもらう」
END