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第一話 おじさん、健康診断で死亡宣告。

短編版で出したものの連載版です!

ゴールデンウィーク中に完結予定です!

短い間ですがよければお付き合いください。

「カイエンさん、よく聞いてください……」


 目の前にいる小柄な女性の医者の声が随分遠く聞こえた。


 俺は、震えていた。

 手に持っていた診断書がカサカサと音を立てる。鼻にもぐりこんでくる薬品の匂いのせいか頭がくらくらする。白い部屋が眩しくて目がくらむ。


(どうしてこんな……。)


 何度も何度も手に持った紙を確認する。だが、現実は変わらない。


「あなたが久しぶりに受けたという健康診断の結果……あなたは」


 なんで……!


「Gランクでした」


 診断書に書かれていたことと医者の言葉は同じ。

 だが、まさか……俺の冒険者ランクと同じとは……。冒険者ギルドのランクでGはゴミランクと呼ばれている。だけど、健康診断までGなんて。

 そもそも健康診断が久しぶり過ぎて、Gってなに?


 俺はつばを飲み込み、医者に私の疑問をぶつける。


「Gランク……というと?」

「通称、激ヤバ。全身激ヤバGランクでした。すぐに……治療を受けて下さい。でないと……死にます」

「……えええぇえええええええええええ!?」

「急に立ち上がらないで! 叫ばないで! 死ぬかも!」


 ちょっと出てきたお腹を揺らし、痛む腰と足と肩と首と頭をこらえて立ち上がって、よく見えない目で医者を見つめたまま、最近聞き返すことが本当に多くなった耳に入ってきた言葉に驚く。

 最近、何を見ても憂鬱で動くことのなかった心が忙しい。心臓しんどい。死にそう。死ぬかもって言われてたし。ん? 言ってないか? よく聞こえなかった。耳が遠い。


「とにかく! 余命秒かもしれないんで」

「秒なんですか!?」


 エメラルドグリーンの短い髪を振り乱しながら小動物的震えを見せながら涙目の医者が叫んでいる。

 いや、泣きたいのはこっち!


「かもしれない、です! と、と、とりあえず、この延命ポーション飲んでください。ていうより、なんで生きてんの? 奇跡すぎるんですが」

「え? なんだって?」


 ギルドのゴミおじさんと呼ばれる俺、カイエンは久しぶりに行った健康診断で「お前の健康状態、激ヤバ」になってしまった。


お読みくださりありがとうございます。

また、評価やブックマーク登録してくれた方ありがとうございます。


少しでも面白い、続きが気になると思って頂けたなら有難いです……。


よければ、☆評価や感想で応援していただけると執筆に励む力になりなお有難いです……。

また、作者お気に入り登録も是非!

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