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【prologue】勇者と魔王

 大空から惜しみなく降り注ぐ陽光を浴び煌めく海、身を寄せ合う木々の間から差し込む木漏れ日やそこら辺に生えた苔ですらどこか神秘的に見える森。

 アスレラ――そこは自然豊かな星だった。そんな星に暮らす人々は自然の恩恵を受け、時にその脅威に晒されながらも平和に暮らしていた。

 だがある日。四大大国の一つ――セルガラ王国の予言者であるイザニエルがこんな予言を残した。


「近々、闇の王が姿を現し世界を恐怖で覆い尽すだろう。我々に成す術はなく、ただ只管に身を守ることしか出来ない」


 その予言に王宮中がざわついた。

 だがイザニエルの予言はそこで終わりではなくこう続く。


「しかしその脅威を打ち砕かんと神の加護を受けし聖剣と共に勇敢なる者が現れ、闇の王に立ち向かうだろう」


 結末まで予言はされなかったものの国王は早急にこの予言を各地にも伝えた。予言の勇者が姿を現すまでの間、手を取り合い耐え忍ぼうと団結の意を示したのだ。

 そして月日は経ち――予言通り魔王マ―ドファス・マレブランが闇の軍勢を引き連れ世界に姿を現す。それから恐ろしい魔物が辺りを彷徨き始め、マ―ドファスの魔の手は徐々にだが確実に世界を闇へと染めていった。

 だが魔王の登場から暫くして――あの予言もまた現実のものとなる。世界の希望である聖剣を背負った勇者マルク・ミルケイが勇敢なる仲間と共にセルガラ王国国王ヴァレンス・セルガラの前にその姿を現したのだ。


「ヴァレンス国王様。魔王城へ向かう為、死の森への立ち入り許可をください」


 そしてヴァレンスから許可証を受け取った勇者一行は最終決戦の為、人類の期待を背に魔王城へと向かった。

 陽の光すら拒む程厚くどす黒い雲に怒りの権化のように唸る雷、死の森と呼ばれる森は深く不気味。

 だが魔王城はそれすらもただの背景としてしまう程の存在感を放ち堂々と聳え立っていた。そんな魔王城で立ちはだかったのは無数の魔物と魔王に忠誠を誓う魔族。その猛攻は確実に勇者一行を消耗させていく。しかしそれらの脅威を何とか撥ね除け一行は魔王の元へと歩みを進める。

 そしてついに魔王の待ち構える魔王の間に辿り着いた。

 中には王座に深く腰掛け高笑いと既に勝利を確信したような余裕を浮かべたマ―ドファス。そんな魔王との最終決戦は始めから激しさを見せる。

 そして最後はお決まりのように魔王と勇者がボロボロの状態で対峙していた。マ―ドファスは残された魔力を魔剣にかき集め、マルクは皆の想いを宿すように聖剣へ光の力を集めた。

 ――覚悟を決め。聖剣を軋むほど力強く握り締める。

 そして両者は力強く地を蹴り同時に動き出した。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

               時は来た。

          この世界の望む未来は、光か闇か。

               それとも……

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

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