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勝負を

「お知り合いですか?」


「はい。昔ですが……行きましょうか」


 佐渡さんは表情を変えずに、小さく答えるとそのまま山へ向かった。

 山は申し訳なさ程度の柵に囲まれているが、所々壊れており柵として機能しているとは言えなかった。

 山からは霊力が漏れ出している。第三級立入禁止地区にもなっており、かなり妖怪の量が多い。


「妖怪の数がかなり多いですね」


 佐渡さんが呟く。


「これを放置しながら捜索していると、いざと言うときに囲まれる可能性が高い。数日、妖怪の数を減らしながら捜索を行います。お三方には負担をおかけしますが」


「「分かりました」」


 二人が返事をする。


「分かりました。だけど、君にも戦ってほしいな、道弥君。超新星と言われる、君の実力が知りたい」


 だが、未希はこちらを見てそう言った。


「未希さん、彼は索敵のみでの契約です。私の友人が彼の実力は保証しています」


 冷静に佐渡さんが未希を窘める。


「知ってます。ですが、私だけではありません。他の二人も、今陰陽師界中が彼の実力を知りたがっている。世間を騒がせた超新星の実力を」


 未希はこちらを見て笑う。


「見せるのは構いませんが、ただ働きは御免ですよ」


 俺は両手を上げて、笑う。


「知ってるわ。簡単な勝負をしましょう。この山の妖怪を二十分以内に何体倒せるか。カウントは頭部で行う。私に勝ったら私が自費で報酬を支払おう。五級一体四万。四級四十万、三級一体四百万だ。協会の討伐報酬に準じた正当な報酬よ。どう?」


「いいですよ」


 俺はそう言いながらも、笑いが止まらなかった。

 助かる。金が欲しかったんだ。

 報酬は特別高い金額ではない。だが、数が無制限ならいくらでも稼ぐことができる。

 俺はすぐさま鞄から紙を取り出し、契約書を作成する。


「こちらにサインを」


「し、しっかりしているね……まだ十五でしょあんた……」


 ちょっと引き気味だが、未希はしっかりと契約書にサインした。


「言っておくけど、私に勝った場合だからね」


「大丈夫か、未希?」


 同席している他の陰陽師が心配そうに言う。


「私が負けると思っているの? 陰陽師になって九年。今年なった若造にはまだ負けないわよ!」


 と自信満々に言い放つ。


「はあ……。分かっているとは思いますが、不審な敵を見つけた場合はすぐに鳩で助けを呼んでください。私は安全のため、芦屋君につきます」


 佐渡さんは我が儘を言う生徒を見るような顔で未希を見た後、ため息を吐いた。


「では……スタート!」 


 未希はスタートと共に、式神で熊を召喚し、熊に乗ってその場を去る。

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