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宝華院詠未

 すごい剣幕の男を前にして、岳賢は冷えた声で返す。


「御三家に? 主語が大きいな。泥を塗られたのは宝華院家お前達だけだ。しかも、返り討ち。ご自慢の小僧が少しやられたからって大人気ないことこの上ない。ちょうど良いお灸になっただろう。それに俺は……強い男が好きだからな!」


 岳賢は豪快に笑う。


「あんなガキ……なれて三級だろう」


「本気で言っているなら、見る目がないな。既にお前よりはるかに強いぞあの小僧は。お前如きとは器が違うのだよ」


「この……!」


 男は顔を真っ赤にして岳賢を睨む。


「やるか?」


「……ちっ!」


 男は大きく舌打ちすると、そのまま部屋を出て行った。


「ふん、だからお前はいつまでも二級止まりなのだ」


 岳賢は淡々と呟いた。


「うちの者がすみません、岳賢さん」


 頭を抑えた女性が岳賢に声をかける。

 年は三十代前半ほど。

 身長は百七十を優に超える長身で、すらりとモデルのように背筋が伸びている。


 腰まで届くような長髪を一つ結びにし、顔は大変整っており、二十代と名乗っても十分通用するだろう。

 意思の強そうな目には、確かな強さが感じられた。


「詠未、馬鹿の躾くらいしておくんだな」


 この女性の名は宝華院(ほうかいん)詠未(よみ)。宝華院家の現当主である。


「元分家なもんで、未だに舐められているのかあまり言うこと聞かないんですよ」


 詠未はため息を吐く。宝華院家は当代に本家から一級陰陽師が出なかった。だが、分家の詠未が一級陰陽師になってしまったのだ。

 一級陰陽師の有無は御三家のメンツにおおきく関わる。そのため、詠未はすぐに本家に迎え入れられた。

 だが、本家の一部の者はそれを快く思っていなかった。先ほどの男もその一人だ。


「愚か者の掌握も力のうちだ。強権を行使してでも、無理やりおとなしくさせておけ」


「気を付けます」


「まあまあ。では、今回の会議も無事終わったので、ここらで解散いたしましょう」


 晴海が間に入り、会議は解散した。

 会議室の外では宝華院家の男が凄い形相で歯ぎしりしていた。


「コケにしやがって……このままでは終わらんぞ!」

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[一言] 宝華院家の本家は落ちぶれるかな?
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