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一級会議終了後

 東京都千代田区の一等地のビル群の中に、陰陽師協会本部は堂々とそびえ建っていた。そこには日本中から霊や妖怪など様々な怪異に対する依頼や報告が集まっている。日本で陰陽師をしている者は例外なく陰陽師協会に所属しており、協会から依頼を貰う者も多い。

 その協会本部に今、一級陰陽師が集結していた。


 最上階会議室の円卓に座っている者は五人。日本には八人の一級陰陽師がいることを考えると参加率は七割に満たない。

 既に会議は終わったのか、皆一様にリラックスしていた。


「芦屋道弥君をスカウトに行っていたらしいですね、岳賢さん。ニュースになってましたよ」


 岳賢に声をかけたのは、安倍晴海。最年少一級陰陽師である。


「ああ。スカウトしたんだが、振られてしまったわ! まだ諦めてはおらんがな。あれほどの才、小さい事務所で燻ぶらせるわけにはいかん!」


 と豪快に笑うのは菅原岳賢。菅原家現当主である一級陰陽師だ。

 一級陰陽師であり、御三家の現役当主が自らスカウトに行くということは滅多にない。そのためニュースで大きく報道された。


 その反応は様々だ。長い物には巻かれない態度を評価する者が居る一方、まだ新人にも関わらず御三家の現当主を蹴った態度を不遜ととる者も居た。

 そのためネット上には、調子に乗っていると道弥を批判する者も現れ始めた。


「随分買っているようですね」


「俺は、お前と変わらぬ逸材に見えたぞ。あの坊主はな。油断はしないことだ」


「そんな。私など、しがない陰陽師の一人にすぎません。すぐに抜かされることでしょう」


 晴海は笑顔で両手を上げる。


「抜かしおる。隠しきれておらぬぞ……。それよりお前も随分暴れたらしいな。四条家当主、色々やっていると風のうわさで聞いていたが、まさか逮捕までされるとは思わなんだわ」


 道弥の華々しいニュースの一方で、小さく四条家当主の逮捕が報じられた。

 罪状は妖怪の売買である。現在の日本では妖怪の売買は禁止されているが、妖怪を海外に輸出していたのだ。他にも大量に余罪が出たため、四条家は大きく非難されていた。

 本家である宝華院家に疑いの目を向ける者も少なくなく、宝華院家は関わっていないことを証明することに躍起になっていた。


「彼はやりすぎました……」


 晴海は淡々と返す。

 二人が話していると、会議室の扉が開く。

 扉から一人の三十歳ほどの男が顔を出した。羽織っている狩衣には宝華院家の家紋が刻まれている。

 男はそのまま岳賢の元へ駆け寄ると、声を荒げる。


「どういうつもりだ! 御三家に泥を塗った男を雇おうなど!」

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