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ミツケタ

 真剣な声色の謝罪に、俺は首を傾げた。いったい何があったんだ?


「どうした、リーゼント?」


 俺の言葉を聞き、リーゼントは顔を上げる。


「俺は自分が真の漢と認めない漢には、決して従わないと決めてました。真の漢というのは強いだけじゃ駄目なんです。強さと共に『優しさ』がなければ、真の漢とは言えません。正直初めはただの子供だと。だが、違いました。貴方は『強く』、『優しい』真の漢でした。俺の目が節穴でした」


「俺は強いが、優しくはねえよリーゼント」


 そう言って、リーゼント部分を指で軽く弾く。


「一度裏切ろうとした仲間を、全てを知ったうえで許し、仲間のために怒り、命を懸けて助けにいく漢が、漢じゃない訳がないです。俺はしっかりと感じました。道弥さんの高潔な魂を……!」


 とキラキラした目でこちらを見つめている。

 そう思っていたら、宙から莉世が降って来た。


「えらいわ! あんたもようやく気付いたのね。道弥様の素晴らしさに! 凡人の癖にやるじゃない!」


「姐さん! すみません……俺の目が曇ってました。道弥さんは強く優しい仁義の漢でした」


「姐さんなんて……! 私がまるで、道弥様の妻のような響き……嫌いじゃありませんわ」


 喜んでいる莉世。

 人の式神を姐さんって言うな。


「凄いね、道弥君」


 と苦笑いをするゆず。

 とりあえず、ゆずの治療でもするか。


「莉世、ゆずも治してやってくれ」


「今行きますわー」


 莉世の力により、ゆずの骨折や傷は痕が残ることもなく綺麗になった。


「ありがとうございます!」


 ゆずが何度も莉世に頭を下げている。


「道弥様以外を治すことなんて、滅多にないのですから感謝しなさい」


 話していた莉世が空に顔を向ける。


「道弥様、羽虫が」


 莉世の目線の先には三本足の烏、八咫烏が飛んでいた。

 誰かの式神か? それとも偵察?

 八咫烏はこちらに目を向けると、言葉を発する。


「コッケイ! コッケイ!」


 なんだあいつ。とりあえず祓うか。


「ヤツキガアベケデアルコトモシラナイマヌケ、ミツケタ!」


 八咫烏はそうはっきり言った。


「え……?」


 俺は突然の言葉にただ思考停止した。

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