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失せろ

「夜月の秘密……?」


 俺は咄嗟にそう返してしまった。

 俺の反応に、陸はいけると思ったのか話し続ける。


「ああ! あんたも感じていたはずだ。夜月は何か隠していると。あんたは騙されてんだよ。なに、何かを求めたりはしねえ。ただ、俺を見逃してくれればいい。先ほどの非礼も謝る」


 陸は必死に頭を下げる。


「確かに夜月は何か俺に隠していたようなそぶりがあったな」


「だろう! あいつは大嘘つきなんだ! 俺はあんたに同情してる。だから俺が真実をあんたに伝えてやる!」


 必死で話す陸。そんな陸に俺は告げる。


「だが、もし夜月が何かを隠していたとしても俺は夜月から直接聞く。お前のような下種から何か聞くつもりはない。俺達の関係にお前が土足で踏み込むことを許すつもりはない。失せろ、下種が」


 陸の顔が真っ赤に変わる。


「てめえ! 夜月は――」


 次の瞬間、真が振り上げた前足を陸の腹部に振り下ろす。

 その一撃は地面を砕き、陸の骨をも砕く。陸の体はビクンと大きく跳ねた後、白目を剥いて完全に沈黙した。

 呆然としているゆずの元へ向かう。


「大丈夫か。遅れてすまなかったな」


「いえ……助けてくださってありがとうございます。私謝らないといけないことが。実は陸さんに――」


「最後にこちらを選んだ。それだけで十分だ」


 俺はゆずの言葉を遮るように告げた。


「ごめんなさい……」


 ゆずは大粒の涙をこぼした。


「泣くでない、少女よ。最後に過ちに気付いて、正しい道を選べた。それが大事なのだ」


 真が、ゆずに声をかける。


「もしかして……大口真神様ですか?」


「我を知っているか。感心だな」


 真が神様モードの対応をしている。


「知ってるも何も、伝説の神様じゃないですか! 私一度神社にお参りに行ったこともありますよ!」


 ゆずが憧れのスターにあったかのような目で真を見つめている。

 俺が死んでいる間に、随分有名になったものだ。


「我は全てを見ておったぞ。良い式神を持っているな」


 その言葉を聞き、凄い幸せそうな顔を浮かべる。


「はい! 自慢の式神なんです! あ……あの、陸は死んでいるんですか?」 


 恐る恐るゆずが聞いてきた。


「いや、生きているはず? 生かす価値はないんだが……こんな馬鹿のために失格になるもの馬鹿らしいからな」


「そうですか……良かったです」


「こんな奴のこと、案じなくていいのに」


「いや、こんな奴のために、道弥君が失格になったら嫌ですから」


 そう言って、ゆずが笑う。中々言うようになったな。

 俺は倒れた奴等から勾玉を回収する。

 陸が二十二点、他から五点、計二十七点を得た。

 元の物と合わせて、百六十四点である。

 勾玉の回収が終わった頃、リーゼントがようやくたどり着いたようだ。

 だが、いつもの睨むような目つきではなく、真剣な顔をしていた。


「道弥さん、貴方は真の漢だった。今まですみませんでした。無礼な行いを謝罪させて下さい」


 リーゼントは膝を開くと、両手で膝を掴み、深々と頭を下げた。

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