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分からねえ

 翌日、陰陽師協会の者が雷獣が祓われた現場検証を行っていた。


「確かに、ここで式神と雷獣が戦った痕が見られますね。ですが、芦屋悠善さんは負けたとおっしゃっています。まだ、生きているんでしょうか?」


「いや、その可能性は低いな。全く目撃情報がない。それにわずかに霊力を使った痕跡が見える。誰かが祓ったんだ。おそらくな」


 二人組の男が血の付いた現場を調査している。若い男と、三十代の男。二人とも陰陽師免許を持つ協会の者だった。


「ですが、式神も使わず雷獣を一撃で祓うなんて、かなりの実力者ですよ。今日一級陰陽師の方、ここらへんにいましたっけ?」


「居る訳ねえだろ。今、この付近に居る二級陰陽師の方に訪ねて回っているが、誰も知らないそうだ」


「じゃあいったい誰がやったんですか?」


「知るかよ」


 一級は七人、二級ですら八十人ほどしか全国に居ないのだ。現在東京を拠点にしている二級陰陽師は九人。誰もが、多忙なのは間違いない。

 三級陰陽師なら割といるが、三級ではこの痕跡では矛盾が生じる。

 明らかにこれを祓った陰陽師は雷獣より格上だからだ。


「逆に不気味だな……裏の連中かもしれないが、あいつらがそんなことするとは思えねえしよ」


 裏の連中、それは陰陽師の力を持ちながらも陰陽師免許を持たない、もしくは免許をはく奪された者達を指す。

 中には実力者も当然いるが、多くは素行がよろしくなかった。


「えー、どうするんですか~。このままじゃ調書も作成できませんよ」


「仕方ねえ。正直に書くしかねえだろ。謎の人物又は妖怪が、雷獣を討伐。詳細は不明だ」「先輩なら、雷獣を祓えますか?」


 後輩の男が笑いながら、聞く。


「正直、分からねえ。呪具も揃えて、万全の状態ならって感じだな。ここに居た雷獣は中鬼を一撃で仕留めている。弱くはねえ。そもそも鉄平が、怯えた顔で協会に自分が逃げたことを報告したことが既におかしいんだ、今回の件は」


「なんでですか?」


「あの男は自分で罪を悔いるような男じゃねえからさ。ただ、自分の犯した罪を償いたいと言ってるがどこまで本当だか。雷獣を一撃で祓った人物、もしいるのなら間違いなく実力者だろうな」


 男は、憂鬱そうな顔でそう言った。

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