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222/229

私が

 仁骨が高速道路から消えたという事実はすぐに日本中に報道された。

 テレビもニュースキャスターがその件について触れていた。


『本日、陰陽師協会は北越自動車道に現れたがしゃどくろの無力化に成功したと発表いたしました。がしゃどくろは一級妖怪以上と推測され、誰が祓除するのかが話題となっておりましたが、芦屋道弥三級陰陽師により無力化されたとのことです』


『素晴らしいですねえ。他の一級陰陽師よりも活躍しているのではないでしょうか?』


 ニュースのコメンテーターがコメントする。


『彼による活躍のニュースが多いことは事実ですね。これによりようやく北越自動車道の封鎖が解かれました。彼に依頼をしたのは国会議員の蓮華氏ということで、彼の党は大々的にこれをアピールしています。次回の総選挙への布石ではないかと、との声もあります』


『ここ最近の目覚ましい活躍のお陰か、若者を中心に彼の支持者も増えているようです。一方で、若手の癖にという意見も一部で見られますが』


 テレビによる報道と共に、SNSでは再び仁骨が話題になった。


『最近の一級さぼってねえか? ガイコツも芦屋に任せてるしよー』


『無力化ってなんだろ?』


『無力化って、実は妖怪を調伏した時にニュースで使われる言葉なんだよな。おそらく芦屋はあのガイコツを調伏しているな』


『まじで? あんなでかいの調伏できたなら、日本転覆できそうなんだけど』


『あのガイコツの一番の使い方は間違いなく、工事現場』


『無効化された途端、皆ガイコツ舐めてて草。それまではずっと日本終わりだと騒いでたくせによー』


『日本の陰陽師は世界一!』


 と皆好き勝手に盛り上がっていた。




 仁骨関係では、陰陽師協会本部も対応に頭を悩ませていた。。


「国会議員の蓮華氏から、芦屋道弥の階級が実力に似合っていないため、早急に実力にあった階級に上げるよう意見が届いています」


 部下の言葉を聞き、本部事務長が頭を悩ませていた。


「ああ……がしゃどくろ問題を解決してくれたのは助かったんだけど、最近は彼関連の連絡ばかりだ。階級に関する規則を変える件について、一級陰陽師達に聞いてみたけど、賛成二、反対二か。規則は変えられないだろうね。なんと回答したものか……」


 事務長はため息を吐いた。


 一方、安倍家本邸。

 本邸の一室では現当主安倍信明とその息子晴海が顔を合わせていた。


「晴海、なぜ飛び級に関する連絡に返事をしなかった?」


「どうでもいいからですよ、あんなこと」


 晴海はソファに座り文庫本を読みながら、軽く言葉を返す。


「芦屋が一瞬で一級になる。その事実が安倍家に悪影響を与えることは分かるだろう?」


「彼の実力は一級以上なのは父様もご存じでしょう。早いか、遅いかの違いしかありませんよ」


「……晴海。取るに足らない芦屋家であれば、私もわざわざ干渉したりはしない。だが、彼はそうではない。まだ若く発展途上。だが今なら殺せるはずだ。なぜ動かん」


「ご冗談を。同じ日本を守る陰陽師ですよ」


 晴海は本を閉じながら、笑う。


「そんな綺麗事を本気で言っている訳ではなかろう?」


「はい、冗談です。彼はまだ青い……もっと美味しく熟れるのはまだまだ先です。では、私は仕事ですので」


 晴海は立ち上がると、部屋を出て行こうとする。


「あまり奴を舐めない方がいい。お前が動かぬのなら、私が……」


 信明のその言葉に、晴海は返事をせず部屋を出た。

 廊下を歩く晴海が小さく呟く。


「父よ。貴方こそ、道満を舐めない方がいい。貴方では役不足だ。道満よ、君だけだよ……」


 晴海はそのまま本邸を後にした。


「あ奴め……実力があるからと言って、芦屋のことを舐めているな。まあ、晴海が動かずとも、既に手は打ってある」


 そんな時に、部屋にノックの音が響く。


「ああ。夜月か。入っていいぞ」

 信明の言葉を聞き、夜月が室内に入った。


「お父様、失礼します。この間頂いた修行は既に完了しました。新たな修行を」


「ほう。もう終えたのか。教育の成果がようやく出始めたようだな」


 信明は感心したように言う。


(ここに来て……目覚ましい成長を遂げている。この子もいつか一級に到達するかもしれんな)


 晴海の規格外の強さに目立っていなかった夜月であるが、日々凄まじい速度で成長していた。


「私は全てを理解しました。私と彼は殺し合うしかないということを。なら……芦屋道弥は私が殺します」


 夜月は淡々とそう言った。


本日

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役不足の使い方が逆定期。 この場合は力不足の方が正しいかと。
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