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大怪獣

 情報を追いかけるに、突如山奥から出てきたしゃどくろが、高速道路付近までやって来たようだ。


「情報ありがとうございます!」


 俺は足立さんに頭を下げた後、急いで家に帰りテレビをつける。

 そこにはかつての仲間であるがしゃどくろが堂々と映っていた。


 がしゃどくろ。

 戦死者や野垂れ死にした者など、供養されなかった死者達の骸骨や怨念が集まって生まれる、巨大な骸骨の姿をした妖怪である。

 夜中にがちがちという音を立てながらさ迷い、生きた人間を見つけると襲い掛かり、握る潰して喰らうと言われている。


 一般人のイメージとしては、歌川国芳の『相馬の古内裏』の絵が有名であろう。

 がしゃどくろを描いたものではないが、巨大な髑髏を描いたものであるため、がしゃどくろのイメージとして昔から使用されている。

 テレビではアナウンサーががしゃどくろの様子を報道している。


『こちら、北越自動車道の様子です! 全長五十メートルは優に超える巨体なガイコツが発見されました。がしゃどくろと言うようで、がしゃどくろは突然山から現れ、人里を求めやってきたと推測されます。なんと恐ろしい姿でしょうか。幸いまだ市民の被害は確認されておりませんが、その巨大さから陰陽師協会及び自衛隊に出動を要請しております!』


 がしゃどくろを遠目からヘリコプターで撮影しているようだ。


「おやおや、随分と大事になっておりますわね」


 と莉世が笑う。


「あいつはでかいから、騒ぎになるもの分かるな。とは言え、ここまで騒ぎになられると会いにも行き辛い。祓われることはないだろうが……」


『只今、新しい情報が入りました! 自衛隊の出動が決定し、こちらに向かっているようです!』


 アナウンサーの言葉から、一時間後、戦闘機や軍用ヘリが十機程テレビに映る。


『遂に自衛隊が到着いたしました!』


 そして次の瞬間、戦闘機やヘリから重火器による一斉掃射が始まった。

 凄まじい爆撃音が響く。テレビ画面が全て煙で埋まる。


「虐められてますわね……」


「虐められているな」


 と呑気に見ている俺達。


『煙が晴れてまいりました。がしゃどくろは……無傷です! まったく効いておりません! やはり妖怪に重火器は効かないようです!』


 テレビから映るは全く傷のついていないがしゃどくろの姿である。


「当たり前だろ。妖怪に聞くのは霊気や妖気の籠った攻撃だけだ」


『自衛隊は撤退を開始しました。政府は只今がしゃどくろが居る埼玉県の春野二級陰陽師の出動を発表しました! あの化物を二級陰陽師が倒せるのでしょうか? 埼玉は……日本はあの化物に滅ぼされてしまうのでしょうか⁉』


 その後はどのテレビもがしゃどくろの話題で持ち切りであった。

 まあ、サイズ的に大怪獣がでたようなものだから仕方ないが。

 俺達は皆でかつての仲間が日本中の敵となり襲われている所を見ていた。


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