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センセーショナル

 道弥が津野港にやってきた時、テレビ局は生放送で中継をしていた。


「どうやら陰陽師の方がやって来たようです。この規模の鉄鼠を祓えるのは二級以上の陰陽師とのことですが、もう手配が整ったのでしょうか? 見た所まだ若いようですが……今情報が入って参りました! あそこに居るのは芦屋三級陰陽師です! あの去年の超新星的なデビューから既に半年。あっという間に三級になった神童、芦屋三級陰陽師です! 東京が拠点のはずですが、特別に手配したのでしょうか?」


 アナウンサーが少し興奮気味に話す。

 中継を聞いて、スタジオに居る陰陽師が返事をする。


「普通の三級陰陽師では困難な案件であることは間違いありません。ですが……芦屋三級陰陽師の実力はまだ未知数。祓うこともできるかもしれません。ですが、万を超える鉄鼠をどのように祓うのか。私も気になりますね」


「今、何かを感じました。あれは……? け、結界です! 凄い巨大な結界が展開されました! 鉄鼠を逃がさないように、でしょうか⁉」


 アナウンサーが大声を上げる。


「そして、結界が少しずつ小さくなっているような……? 中に居る私達は大丈夫なのでしょうか?」


 アナウンサーが少し不安そうに言う。


「結界で逃がさないように閉じ込める。これはよくある手段ですが、そこまで大きな結界は中々聞きませんね。普通は何十人もの人数で、時間をかけて展開する規模です。これはおそらく閉じ込めるだけの結界だと思うので、人間に被害はないと思うのですが……」


 と曖昧な返事をする陰陽師。

 選捕結界を知らないのだ。


「わ、わ……結界がどんどん小さくなって私に迫って……逃げた方が良いのでしょうか?」


 アナウンサーは恐怖で目を閉じる。


「いや、通り抜けました! この結界は妖怪だけを閉じ込めるもののようです! どんどん小さくなり……凄まじい数の鉄鼠が小さな結界に密集しております。凄い光景です。ここからどうやって一度に祓うのでしょうか?」


 その時、アナウンサーの目に巨大な鬼火が写る。


「あれは……太陽?」


 そう呟く。


「今、道弥三級陰陽師から太陽のような物が放たれ、今着弾しました! 凄まじい火力です! なんということでしょう! 一瞬で鉄鼠達が、灰となりました!」


 その鬼火は道弥から放たれると、一瞬で鉄鼠達を焼き尽くした。

 その光景に興奮するアナウンサー。

 それを見ていたスタジオの陰陽師も大きく息を吐く。


「まさか……こんなあっさりと解決するとは思いませんでした。今の術は何だったのでしょうか? 火行であそこまで火力のある術はそうありません。見た目は鬼火のようでしたが、大きすぎる。ですが、噂では芦屋三級陰陽師は試験でも凄まじい鬼火を放ったと言われています。信じられませんが、あれは一番初歩の術である鬼火の可能性もありますね」


「あんな凄い技が初歩なんですか?」


 スタジオに一緒に居たキャスターが尋ねる。


「いや、本来鬼火はこの程度の術です。火行・鬼火」


 陰陽師の男は指先に小さな火の玉を生みだす。


「ですが、これはあくまで僕が使う鬼火であって陰陽術の練度によって差が出る訳です。あの年で、あそこまでの術を使えるとは、やはり怪物ですよ」


 陰陽師の男はそう締めくくった。

 その圧倒的な放送はSNSもざわめかせた。


『凄すぎわろた』


『あれ絶対鬼火じゃねえよ。あんな火力出る訳がない』


『あの結界術も地味に凄いよな。対象を鉄鼠のみに絞った訳でしょ? 皆アレ使って妖怪閉じ込めたらふるぼっこにできるじゃん』


『俺陰陽師だから分かるけど、対象を絞った結界なんて、強度保てねえよ。普通の結界より十分の一程度まで落ちると思う』


『十分の一でも十分だったんだろう。芦屋陰陽師の力なら』


『白陽に入ったらしいな』


『白陽黄金期じゃん! 』


 こうして再び芦屋道弥の名が全国に広まることとなる。



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