表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/85

招かれざる客

しばらく私はソフィアと談笑し、ソフィア、ルシア様と呼べるような間柄になった。


ソフィアに様はいらないと言ったがそこは頑なに譲らなかった。

貴族のご令嬢な上自分の恩人を呼び捨てにすることはできない、と焦りながら私のお願いは却下された。…仕方ない…今は諦めるか、今は。



その時、ソフィアの身の回りをお世話する神官の女性が「ソフィア様、アルバート殿下がいらっしゃってますがいかがいたしますか?」とソフィアにお伺いをたてた。


アルバート…殿下…!?殿下ああああやっばい王子様やないかーーーい


よく考えたらここ城の敷地にある聖堂だ。王族に会う可能性もあることをなぜもっと早くに気付かなかったのだろうか。


田舎貴族の令嬢でしかない私は冷や汗がダラダラと流れてきた。


粗相のないように…不敬罪にならないように…行儀よく…

心の中で何度も自分に言い聞かせた。


名前を聞かれたらきちんと答える!!きちんと挨拶をする!!!

もはや幼稚園児の目標を脳内で掲げているレベルでパニックを起こしていた。



神官に連れられて入ってきたのは2人の青年だ。

1人は黄金色の髪の毛と空の様な青い眼、すらりとした身長で私とさほど年齢が変わらないと言えど大人びている男の子。

もう1人は白銀の髪の毛を軽く後ろに流しグレーの眼には鋭さもある、金髪の青年は穏やかそうな空気も持っているのに対し彼はどこか冷たさを感じた。

彼もまた長身長でどちらもモデルのような華やかさもあった。



「ソフィア、また街にいったんだって?」

金髪の青年が優しそうな表情をしながらソフィアに尋ねた。


「えぇアルバート殿下、そこでアクシデントがあったのですが、こちらのルシア様に助けていただきました」


そこで私を紹介されたので、カーテシーをして2人に挨拶をした。


「私はルシア・シュレーゼンと申します。」


「ほう、シュレーゼン家のご令嬢か、私はアルバート・グランバニアだ。」

金髪の青年が人の良さそうな笑みで自己紹介した。

「こちらはロイド・ベルベット。私の側近であり友人だ。」

銀髪の青年のことも紹介された。

青年はよろしくということもなくフンと横を向いてしまった。……感じ悪いな。



それから4人で軽く話をしていたら今度はまた別の神官が遠慮がちにノックして入ってきた。

「ソフィア様、ご歓談中申し訳ございませんが神官長様がおよびでございます」

申し訳なさそうにソフィアに告げて、ソフィアも私に申し訳なさそうにしながら「少々お待ちくださいね!すぐに戻ってきますから!」と勢いよく頭を下げるもんだから、逆に気の毒になって頭を下げることを止めて、大丈夫だよ、と笑いながら言った。



部屋には私とアルバート様、ロイド様の3人だけとなってしまった。いや私のとこのメイドのアンやソフィアの侍女もいるから正確には3人というわけではないけど。


私は特にこの2人と喋ることもないのでお茶を飲んでいた。…が視線を感じて顔を上げてしまってから見なければ良かったと後悔した。


アルバート様もロイド様も険しい顔をして私の方を睨んでいたからだ。


アルバート様は口を開いた。

「聖女であるソフィアに近づいて、一体どういう魂胆だい?」

「…え?」


「君はシュレーゼン家でたしか魔力持ちじゃないご令嬢だったよね?聖女の力で魔力を得ようとしてたのか?」


…なるほど、私は魔力持ちではないから打算でソフィアに近づいたと思ってるのか。


「…私は確かに魔力持ちではございません…しかしソフィア…様…が聖女だということを知りませんでした」


「お前がソフィアと会う前に魔具の店に行ったという情報もあるが?その辺りで魔力を欲していたという風に思われても仕方ないと思うが?」

ロイド様が私を睨みながら言葉を吐いた。


「ソフィアは俺たちにとって妹の様な存在だ…傷つけるようなことがあったらどうなるかわかってるんだろうな?」

既に親の仇のような目で見られてますけど…なんて口が裂けても言えない。

たしかロイド・ベルベット…ベルベット家は公爵家だ。王家の次に偉い一族だから私の様な田舎貴族が太刀打ちできはしない…とは言え、先程のアルバート様の発言もロイド様の発言も私はカチンときていた。


「…私は恥ずかしながら田舎の方でずっと過ごしておりましたので、ソフィアが聖女であることも知りませんでしたし、初めての友人ができて私自身とても喜んでおりました。

しかし、魔力持ちではないというだけで憶測で話されるのはこちらとしてもとても不愉快です。

魔力持ちではなくとも皆さんと同じように行きたいとこへ行く権利も友人を作る権利もあると思います。

お二人がソフィアを大事に思う気持ちも分からなくはありません、が、今の発言はそれならば私の人権はどうでもいいという風にも捉えかねませんね」

あくまで笑顔を絶やさず、しかし目は絶対零度の表情で2人の顔を見ながら話した。


2人は呆気にとられてたが、知らんがな、そっちから売った喧嘩じゃ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ