転生したら、「猫に餌やりする能力」を手に入れた
あなたは死んでしまいました。
「そうですか。」
けれど、能力付きで転生させてあげます。
「そうですか。」
それじゃあなたには、「猫に餌やりする能力」を与えましょう
「ちょっと待てや」
「ここは…森?転生出来たのか?」
ええ、完了しました。
「えっまだ声聞こえんの」
嫌ですか?
「嫌ってわけじゃ…というか、色々説明してくんない?」
ここは、キャットフード王国のドッグフード村です。
「ちょっと待てや」
なにか?
「名前適当過ぎない?」
一応真剣に考えたんですよ?
「あとさ、…何で俺全裸なの?」
服まで転生させるわけにいかないですし。
「今の俺森のなかで全裸で佇む変態だよ?」
ヤバいですねww
「ヤバいですねwwじゃねえんだよ?」
まあまあ、落ち着いて。あなたには能力があるじゃないですか。
「猫に餌やりする能力、だよね?」
ええ。
「どうやって服を着ろと?」
そこはまあ、猫に餌をやって…
「餌をやって?」
服を着るんです。
「ちょっと待てや」
何か問題が?
「というか、何でこんな能力なわけ?」
だってあなた、死ぬ直前に猫に餌やったか心配してたじゃないですか。
「確かにしたけど、能力としておかしいと思わなかった?」
思いましたね。
「でもやっちゃったんだ?」
やっちゃいましたね。
「能力の変更は?」
出来ないですね。
「追加は?」
出来ないですね。
「レベルアップとか」
ないですね。
「役に立たなくない?」
立たないですねww
「笑ってる場合じゃないよ?」
まあまあ、一見弱そうに見えても、応用次第で強くなるってあるじゃないですか。
「うーんとじゃあ…大量の猫餌召還で敵を埋めるとか?」
猫一匹分の量しか召還出来ません。
「じゃあ、高速で発射とか」
出来ないです。
「敵の体内に召還」
出来ないです。
「弱くない?」
弱いですねww
「怒るよ?」
まあまあ、食料にはなるじゃないですか。
「どうせ乾燥したやつしか召還出来ないんでしょ?あれめちゃくちゃまずいんだよ?」
えっ何で食べたことあるんですか
「いやだって…うちの猫があまりにも旨そうに食べてるから、つい」
あれを食べるとか正気ですか?
「それを食料として勧めてきたのはだれ?」
今日すごく天気が良いですねー
「殴るよ?」
ただ少し日差しが強いですね。そろそろ夏が始まるんでしょうか。
「えっねえ聞いてる?」
ああ、だからあなたは服を着ていないんですね。
「あなたの所為だよ?」