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邂逅、からの、

何度も呼びかけるが反応が無い。

起動し続けているから死んでないと思うが、判らない。

焦り、不安が募る中、召喚陣から片手、肘が出てくる。

慌てて掴み、「解呪」スキルを放つが、あまり効いてないようだ。


それなら、仕事鞄から目当ての物を探し出して、片手の掌に押し付けて、両手で包み、

「握りしめてください。」

握りしめたのを感じると、再度スキルを放つ。


これは、私が作った、【解呪】スキルの効果が付与された魔道具だ。

道具の魔力が尽きるまで所有者に効果を与えるか、私の放つ【解呪】スキルの効果が増加する道具だ。


呪いは完全に浄化できなかったが、弱めることはできた。

そして、召喚陣から反対側の手、腕、男の頭、胴体、下半身が出てきた。


男は肩で息をしていたが、しばらくして、

「・・・とりあえず、助けていただき、ありがとうございます。」

「いえ、当然の事をしただけですから。」

「そうですか。

ところで、あなたは誰ですか?」

「私は【カーミラ】、神託により、勇者様の生涯の相方として選ばれた聖女です。

えっと、あなたが私の勇者様でよろしのですか?」

「私は女神様より、呪いをなんとかできる者が私の生涯の相方と拝聴してますので、私で合っていると思います。」


勇者様が息を整えて、

「改めまして、女神様より選ばれし勇者【澪】です。

命を救っていただいた、偉大な聖女様の生涯の相方として釣り合うように努力していきますので、よろしくお願いします。

それと、」

男は片膝をついていく、

「なにを」

「完全な浄化とはいきませんでしたが、本体を長年苦しませていた呪いを、コピーとはいえ軽減されました貴方様に、私は生涯、裏切らず、如何なる悪意からも護り、共に繁栄していくことを、ここに誓わせていただきます。」

「・・・っは!!、頭を上げてください。 お気持ちは嬉しいですが、このような事は困ります。(体面が悪いので)」


「勇者と聖女は同格か、勇者様の方が上ですので、そこまでしていただかなくても、お気持ちは十分受け取りました。

ですから、立ち上がってください。」

「判りました。 でしたら、」

勇者様は私の手を握って、

「これからよろしくお願いします。 私の聖女様。」

私は握り返して、

「こちらこそ、末永くよろしくお願いします。」

微笑んだ。


そんな私達に向かって拍手がなった。

音のする方を見ると、

「素晴らしい。 初めてどうしでここまで仲が良いなんて、本当に素晴らしい。 流石は神様がお選びになった方々だ。」

「えっと、あなたはいったい?」

「教皇様ですわ。 勇者様。」

「これはこれは、知らなかったとはいえ、とんだ御無礼を。」

「いえいえ、私より勇者様の方が立場が上ですので構いませんよ。」

「そうですか。 それで、ご用件はなんですか?」

「はい。 御二人の仲がよろしいようですので、このまま【絆の儀式】を始めさせていただきたく思います。」

「【絆の儀式】とは?」

「勇者様と聖女様の繋がりを作るための儀式です。

デメリットとしては、お互いが平民の家一軒分ぐらいしか離れることができなくなりますが、メリットとして、お互いの絆を深めるほど、お互いを強化させ合うことができます。

記録によりますと、お互いのスキルを共有できたりしたようです。」


「あとは、【勇者魔法】/【魔力感知】/【魔力操作】が使えるようになります。

【勇者魔法】は、先代勇者様方曰く、【便利魔法】とのことです。」

「なるほど、理解できましまた。

では早速、お願いします。」

「承りました。」


教皇が儀式を執り行い、私と勇者様に繋がりが出来ていく。


教皇が勇者様に説明した内容は表面だけで、これの本当の意味は、監視と手綱。

勇者様がスキルを得たり、発動するたびに、聖者の頭の中に神の声(アナウンス)が響き、ステータスボートに記録が残るようになっているらしい。

気分は良くないが、【勇者魔術】(便利魔法)が使えるだけで、私は満足だ。

これで生活がだいぶ楽になれて、節約もできる。


「ところで教皇様、あの人達が私を避けているように感じるのですが、何かあったのでしょうか?」

「…実は、勇者様が召喚陣から出てくる前に、黒い靄が出てきまして、しかも、それの正体が呪いだったのです。」

「まさか、私の呪いが具現化したのですか。」

「いえ、触れても問題なかったので、可視化したけだのようです。」

「この世界では、呪いは可視化できるのですか。」

「いえ、そんなことはありません。

おそらくは、召喚陣の呼び寄せる力が、そのように作用しただと思われます。」

「そうですか。」


勇者様は、他の勇者、候補生、教会関係者達に向かい、

「皆様、知らなかったとはいえ、多大なる御迷惑をおかけしまして、誠に、申し訳ありませんでした。」

頭を下げた。

その光景は、誠実に謝っているように見えた。


が、私は、

《スキル【気力操作】/【演技】/【姿勢制御】が発動しました。》

《ギフトスキル【同一化】により、【魔力操作】が発動しました。》

頭に響く声の意味と、ステータスボートに残る証拠が気になった。

私は未来に不安を感じた。

住宅の平均的な広さは、約130㎡ 約40坪

異世界の平民の家に庭があるイメージが私には無いので、もう少し小さいイメージです。

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