検証 錬金術 ②
「やっと終わった〜。」
買ってきた物全てへの、【干渉】スキルの行使が終わった。
初めは手応えが無かったが、途中からボンヤリと何かがわかって→最初からやり直して→買ってきた物全てに共通するものがわかって→最初からやり直して→分類ごとの違いが何となくわかって、やっと終わった〜。
途中で、
《勇者澪へ、【干渉】スキルを共有します。》
「よし。」
グツグツグツグツ、ボコボコボコボコ
「やっべぇ!!」
ボン
って聴こえた気がするけど…。
コンロの前に立つ、澪様の後ろ姿を見て、
「澪様、先程から何をしているのですか?」
「湯冷ましを作ってるよ。 【干渉】スキルで。」
「………そもそも何で使えるんですか?」
「聖人って、半勇者でしょ。
だったら、勇者が使えないわけないよ。
先日の女神様降臨で、聖女ちゃんが俺のスキルを共有してたのもあるし。」
言われてみれば、そのとおりだった。
「湯冷まし?」
「水から空気を抜いて、冷ました水。」
「出来ましたか?」
「多分?」
「そもそも、何で湯冷ましを作っているのですか?」
「煮込みに不要な物ってわかる?」
「? 水と煮込む物しかないのに、不要な物って有りますか?」
「水に含まれている空気だよ。」
「??」
「水の中に物体を入れると、空気が物体を包むんよ。
それが、物体の温度が上がるのを邪魔するんだよ。」
「そうなんですか。」
「【干渉】スキルを使ってみてくれる?」
「はい。」
「………普通の水と比べて、何かが減っているように感じます。」
「それなら、成功かな?」
「それで、そっちはどう?」
「………共通するものと、同じ分類ごとの違いが解りました。
あと、解○草と同じか似ているのが、野菜にも有るのが解りました。」
「それらを弄って、治癒薬を作るのは、」
「はっきり言って、無理ですね。
何十年、何十人もの人がいれば、可能だと思いますけど。」
「それじゃあ、次の方法を試しましょうか。」
「まず普通に、治療薬、解○薬を作ります。」
「指示を出しますので、澪様、お願いします。」
「治療薬、薬草を入れただけの水、この2つに【干渉】スキルを使ってください。」
「あ〜、何となく違いが解ります。」
「薬草入り水から、治療薬を作れそう?」
「………出来そうです。」
「出来ました。」
「同じ要領で、解○薬も作りましょう。」
「はい。」
「出来ましたけど、スキルが手に入ってません。」
「[小声]………(何となくの)構造把握と(煮込み代わりの)合成じゃ、駄目か。
!!あっ、聖女ちゃん。」
「はい?」
「この治療薬を、粉薬に変えられるかな?」
「………市販の粉薬があれば、多分?」
「買いに行こうか。」
「お話のところ、失礼いたします。」
「勇者様、聖女様、一般に売られています薬でしたら、この家にも置いてあります。」
「教えていただき、ありがとうございます。
その薬を持ってきてくれませんか?」
「私どもに敬語は不要です。
直ぐに薬をお持ちします。」
「ありがとう。」
「それじゃ、やってみますね。」
「出来ました。
そして、【錬金術(薬)】スキルを覚えました。」
「おめでとう。 聖女ちゃん。」
「ありがとうございます。」
侍従達3人が頭を下げて、
「おめでとうございます。 聖女様。 勇者様。
侍従一同、心より、ご祝福申し上げます。」
「ありがとう。」
希少なスキルを手に入れた事で、侍従達は大臣に連絡、事情説明、お祝いをするための準備、自分達が立ち会えたことへの歓喜で、騒がしくなった。
危うく祝賀会が開かれそうになったが、国が祝賀会を開く可能性があったので中止し、私達5人でささやかに祝った。
夜中、私と澪様しかいない、私の自室にて、
「それで、本当はなんのスキルを手に入れたの?」
「【干渉(物質)】です。」
「スキル補正とかは、解る?」
「なんとなくの理解力でも、錬金術が使えるようです。」
「それなら、何度も使って理解力を上げて、既存の治療薬の効能を上げたり、別の治療薬を作れるようにした方がいいだろうね。」
「はい。
今日の体験で、様々なことが解りましたので、色々と試してみるつもりです。」
「それにしても、元々使えた治療関係には、何もつかないんだね。」
「言われてみれば、干渉(人体)、(生物)ぐらいは、ついてもおかしくないですよね?」
「何か足りないのかな?
もしかしたら、それを見つけるのも、異世界人の役目かもね。」
私の思う錬金術は、
把握→理解→分解→再構成
把握→理解→形状変形
だと思ってます。




