商会 買物/商談/夕飯(試食)
Side勇者
商会に着くと貴賓室に通され、更にその奥の、襖で遮られた向こう側に案内された。
そこには複数人のメイドと、上質そうな布団が敷かれてた。
訊いたところ、彼女達は、勇者支援特別財務大臣の部下で、聖女ちゃんの介護をしてくれるようだ。
布団に聖女ちゃんを寝かせ、伝言と聖女ちゃんの食事、前菜に甘口カレーを小鉢一杯、メインに鶏ガラベースの薬膳粥、果物と、一応、豚肉の蒸し焼きを用意させた。
かなり無茶を言ったのに、喜々として従ってくれるのには、かなりひいた。
襖を締め、待ってくれていた二人と机を隔てて反対側に座り、
「まずは、急な呼び出しに応えていていただき、ありがとうございます。」
「いえいえ、勇者様のためなら、なにがあっても駆けつけますよ。
女神に認められし、女神の剣であり盾である勇者様。」
「私も、同じく。」
「それにしても、同日にもう一度御会いするとは思ってもみませんでした。」
「それはこちらも同じです。」
「しかも、都市全体に魔法を発動させる、という偉業を成すなんて。」
「成り行きです。 やらかしたのは聖女ちゃんです。」
「それで、次は何を企んでいるのですか?」
「その事を話す前に、訊いておきたいこととがあります。」
「なんでしょうか?」
「数代前からだと思いますが、召喚された勇者様方の活動期間が減っていませんか?」
「………」
「理由は怪我、それも、骨折などの骨に関することで。
違いますか?」
「そう仰ると言うことは、勇者様の国でも。」
「たまに言われるぐらいの、問題になりそうでなっていないですね。」
「?」
「国柄です。」
「そうですか…。
それで、その話をするという事は、解決策をおもちとみてよろしいですか?」
「確証はありません。
私が知っているのは理論だけで、実証もしてません。」
「なるほど、実証はこちらでしてほしいと。」
「はい。」
「承りました。 藁にもすがりたい状況ですので、やりましょう。」
「ありがとうございます。」
「具体的な方法は?」
「私が買ってきた食材で料理をしてもらいます。
それと、毎日食べるれるようなメニューを考えてほしいです。」
「承りました。 早速料理人を呼びましょう。」
「…とりあえず、定食がいくつか出来ましたね。」
(鰯/納豆/緑茶/緑黄色野菜サラダ/味噌汁/ご飯)⇒
(A)焼魚定食/(B)鰯ハンバーグ定食/(C)天ぷら定食
「…まさか、冷凍保存まであるとは思いませんでした。」
「そこは歴代勇者様方の功績です。 他にもたくさんありますよ。」
「知識チートですか…。 年代が経つごとに、勇者は脆弱になるのに、この世界は戦力を求めるなんて、なんだか皮肉ですね。
日本以外も呼べばいいのに。」
「…」
冬⇒魚の種類が豊富
(D)寿司一人前(魚と緑黄野菜の各種握り/納豆巻/干瓢巻き/緑茶)
「…納豆が厄介ですね。」
「癖が強いから、どうしても単品扱いですからね。」
「…そういえば、ソイルミートみたいなのはないのですか?」
「? どのような物ですか?」
「大豆を潰して混ぜて、味と形を整えた模造肉です。」
「ありませんね。」
「そうですか。
とりあえず、それは置いといて、納豆を潰してみて、魚と混ぜてみましょうか。」
鰯と納豆とほうれん草の、なめろう/ハンバーグが完成。
⇒(B)変更、納豆入り鰯ハンバーグ
⇒(D)変更、納豆入りなめろう軍艦巻
(E)ちらし寿司(手捏ね寿司)
「とりあえず、いくつかの定食ができましたので、明日から早速、前線で戦っている勇者様方にお出ししてみます。
そして、ある程度したら、バリエーションを増やしてみます。」
「お願いします。」
「確証が出ましたら、報奨金を出させていただきます。
それまで、お待ちください。」
「はい。
それともう一つ、」
「なんでしょうか?」
「紅茶、緑茶は取りすぎますと、尿路結石とかになりやすくなりますので、一日に十杯以内?でお願いします。」
「承りました。 絶対に注意喚起します。」
これで、試食と提案は終った。




