説明 食材
買い物の後、治療院に行くと、職員さんに合うなり、待合室に監禁された。
これは私のミスだ。
元職場だからと気軽に思っていたのが失敗だった。 自覚が無かった。
…やるせないな。
院長は今、着替えに時間がかかっているのだろう。
あの服は、伝統や見栄やらで装飾が多く、時間がかかるから。
なら、私がしないといけない事は、
「申し訳ありませんでした、勇者さま。」
「!どうかしましたか聖女ちゃん。」
「このような事になったのは、私の失敗です。
聖女として、自覚がありませんでした。」
「そのことなら気にしてませんよ。
いきなり身分が変わったのだから、直ぐには慣れないと思いますしね。」
「ありがとうございます。」
「次は失敗しないように気をつけましょう。
私も気をつけますので。」
「はい。」
「ちなみに、あとどれだけ時間がかかるか、わかりますか?」
「業務の引き継ぎに上位の接客用の服装への着替えで、だいぶかかると思います。」
「なら…、その間に、先程買った商品の話をしましょうか。」
「はい?」
「話というのは、食費についてです。」
「私達は1ヶ月という短い間に、勇者としての成長を各国の王と神に見せないといけません。」
「なので、今日買った食材を毎日食べることが望ましい、のですが、そんな事をしたら、すぐに食費が底をつくのは目に見えてます。」
「!!」
「なので、何か対策を練らないといけません。」
「…思いつくのは、仕事をするか、お昼の脂のように担当の人に話をするぐらいですね。」
「冒険者になれば依頼で様々な経験も積めるので、一石数鳥。
担当の人に話をすれば、上手いこと行けば、私達の名前が後世に残る可能性と、定期的にお金が入る可能性もでてきます。」
「それなら両方やりますか。
確証の無い話ですので、勇者達に影響を与えないと思いますし。」
「わかりました。」
「では、あとはメニューづくりですね。」
「?それは、向こうがしてくれるのでは?」
「私達で先に考えて提出した方が印象が良くなり、後に何かあった時に、こちらを優先してもらえる可能性があるのです。」
「そんなものですか。」
「というわけで、メニューづくりですが、」
「私には無理です。」
「…」
「今までの生活がひどかったので。」
「…これからは、私が美味しいものを作りますね。」
「料理ができるのですね。」
「私も、それなりの生活だったので。」
「楽しみにしてます。」
「話を戻して、購入した物の中で重要なのは、魚と緑黄色野菜と納豆か紅茶か緑茶に、カルシウムが含まれている物。」
「あ!、それらが重要だったのですね。」
「そうですよ。」
「レモンは?」
「あれも必要ですけど、どちらかというと、強化剤みたいなものです。」
「そうですか。」
「っで、それらから考えつく料理は…、【緑黄野菜入り鯵のハンバーグ、又は、なめろう】/【納豆のお茶漬け】/【天ぷら】/【寿司】ぐらいですかね。
魚は秋〜冬に種類が増えるので、【天ぷら】と【寿司】の数が増え、飽きさせないと思いますし、とりあえず、思いつくのはこの辺りかと。」
「十分だと思いますけど。」
「なら、これらをまとめて、提出しましょうか。」
「はい。」
私達の話が終わってすぐに、扉を叩く音がした。




