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国民性 不足成分

「…話を戻すために、少し休憩をしませんか? 」

私が応じると、勇者様は台所?の方に行った。


先程の勇者様の話は衝撃だった。

私が普段接している、少し様子のおかしな患者様の正体があんな理由だなんて。

勿論、勇者様の体験した事と、他の人が体験した事が同じとは限らないと思うけど、それでも驚愕だった。

…今度から、軽症しか治せないことに文句言われても、適当に受け流そう…


そんな事を考えていると、

「ごめん、お茶は有ったけど、お茶菓子が無かった。」

勇者様が戻ってきた。


私達は一服して、

「さて、話を戻すけど、聖女ちゃん。」

「はい。」

「先程後ろ盾と言っていたけど、具体的な話はわかるかな?」

「えっと、すぐに思い付くのは、より質の良い補給物質に教育、生活環境に、勇者様の望む物が手に入ると思います。」

「望む物は、どこまでの範囲かわかる?」

「えっと……」

「じゃあ、訊き方を変えるね。

何でそこまでしてくれるの?」

「…勇者様の体目当てですね。」


「明日の授業で習いますが、神様の創りしその体と子供をつくると、普通の人より基礎能力が高い子供が生まれ、勇者様が授かりましたギフトスキルの要素を持つスキルを授かります。

しかも、【治癒】と【解呪】のスキルを所持することもできます。」

「つまり、戦力を増やすためって事?」

「はい。」

「それなら、大体の事は聴いてもらえそうだね。」

「そう思います。

敵の数は減らずに、増える一方ですので、皆さん必死になると思います。」

「そんな状況で、よく生きてこられましたね。」

「はい…」


「ところで聖女ちゃん、訊いておきたい事があるのですが、よろしいでしょうか?」

「はい?」

「聖女ちゃんは、これから先、何をしたいですか?」

「……?」

「誰よりも早く魔王を殺して、皆を見返したいですか?」

「無理です。 後ろ盾の無い私達があの人らより先に殺しに行くなんて不可能です。」

「ところが、そうでもないんですよね。」

「え?」

「あのね、聖女ちゃん。 言いにくいことなんだけど、私の国の国民には、どうしようもない欠点があるの。」

「?」

「私の世界で、カルシウムっていう、骨をつくり、強靭にする物質があってね、それは、普通は土壌に含まれていて、その土壌で作物を育てて、その作物を食べる事によって、私達の体内に吸収されるんだけど、」

「…」

「私達の国の国土には、そのカルシウムが含まれていないの。」

「!!」

「この体は神様が作ったものだけど、」

そう言って、勇者様が指で口を大きく開け、

「(約)ほら、歯が少し黄色いでしょう。

これが、カルシウムが少ない証拠。」


勇者様が見せてくださった歯には、確かに薄っすらと黄色かった。

私はその光景に、寒気がした。


「驚かしてごめんね。

それと、話はまだあってね。」


「厨房で、料理長達と話ししたことを覚えてるかな?」

「!!」

「筋肉をつくるのに必要なのは、タンパク質、と呼ばれる、赤身の部分を食べる必要があるけど、私の国の国民が喜ぶのは脂身で、赤身はあまり好まれてません。」

「……」


「加えて、」

「!まだ有るのですか!」

「米信仰があります。」

「?」


「内容は、米さえ食えれば全ての栄養が取れる、というものです。」

「………は?」

「そういう反応をしますよね。 私も同じ思いです。

一応調べてみたのですが、最低でも、第二次世界大戦と呼ばれる、私の世界にある国の殆どを巻き込んだ大戦が終わった時の世代から、孫ぐらいの世代は、信仰まではいきませんが、大体米が好きです。」


「その度合は、お年寄りの介護をしたら、米しか食べなかったり、投稿小説で異世界に行ったら、主人公がほぼ必ず米を探したりするほどです。」


「実際は、戦後に米しか食べなかった結果、栄養失調で多くの人が亡くなったのに、ですよ。」

「(絶句)」


「だから、あなたから後ろ盾の話を聞いた時に、あの勇者達が、こちらの世界の人々のような食生活をするのでは無く、元の国と同じ生活をすると思ったのです。」


「対してこちらは、ギフトスキルに、食材に詳しくなるスキルを頂きましたので、より効率よく、不足を補うことができます。」

(!あのスキルはそのための、)

「ですから聖女カーミラ様、よくお考えになってほしいのです。 あなたが何をしたいのかを。」


「…でも、それだけだと、実際に勝ち抜けるかは、」

「それで無理なら、別の方法で、見返してやればいいのです。」

「…他にも何か方法があるのですか?」

「検証してみないことには、確実なことは言えませんが、いくつかあります。」

「…わかりました。

てすが、返事は今すぐでなくてもよろしいでしょうか?

もう少し、考えてみたいので。」

「いいてすよ。

こちらの自己紹介もまだしてないので、その後で構いません。」

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