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聖女ちゃん スキル

目を覚ますと、知らない天井と、全身を包まれる感触があった。

訳がわからない中、目覚める前の最後の記憶を思いだし、

はっ、と全身を確認した。


目視で確認する限り、衣類に乱れも変更もない、今日の朝着た衣装のままだ。

そのことに安心すると、全身を包む心地良い感触に、二度寝しそうになる。


でも、近くに勇者様がいる。

異世界から来た勇者様がいる。

離れられないから、外にも行けない。

そもそもこの場所が、勇者と聖女専用の家だとして、晩御飯と明日以降の食事の食品があるかも確認しないといけない。

それに、私の事情も、話さないといけない。

起きないと。


でも、それを考えたら、余計に寝たくなる。

夢の世界に逃げたくなる。

寝たい。

なんとか動こうとするけど、動くたびに包まれる。

あと、この…ベット?広すぎ。

端までが遠い。 何人用?

もしかして、上級貴族用?王族用?

それか、夫婦用?恋人用?

私が特別小さいと思わないけど、思いたくないけど、勇者様もちゃん呼びだし………。


何とかベットから出て、部屋を出て適当に歩くと、机に向かい何かを書いてる勇者様を見つけた。


あの目線からして、スキル表を見ているのだろう。

となると、書いてる内容は、これからの予定かな?

…さらに、言い出しにくくなったな。 どうしようか。


私が悩んでいると、

「おはよう、聖女ちゃん。」

「おはようございます。 勇者様。」

「具合の方は、大丈夫?」

「はい。 すっかり良くなりました。

ご心配をお掛けして、申し訳ありませんでした。」

「いえいえ、色々ありましたから、仕方がなかったですよ。

良くなられて良かったです。」

「ありがとうございます。」

「もう少ししたら終わりますので、ちょっとだけ待っててくださいね。」

「はい。」


………数分後、

「お待たせしました。

それでは、えっと…自己紹介から始めましょうか?」

「はい。」

「その前に質問なのですが。

女神様より、この世界では経験した事がスキルとして表示させると伺ったのですが、自己紹介の時は、スキル表をお見せしながら話をすればいいのですか?」

「そういうのは、結婚や親子に、国に関する重要な仕事等の、信用が関わってくる時に見せるだけで、それ以外は見せないのが、この世界の常識となっております。」

「そうですか。

ということは、私と聖女ちゃんは生涯のパートナーですので、お見せしたほうがよろしいということになりますね。」

「はい。 そうです。」

「では、まずは私から、」

「あの、」

「?」

「勇者様に、知ってもらいたい、事情がありますので、まずは私から、紹介させてほしいです。」

「判りました。」


「それでは、ご覧ください。」


聖女カーミラ

固有ー治癒(下)解呪(下)

パッシブー耐性(孤独/飢餓/疲労/睡眠/毒(下))

     鑑定(薬草(中)/毒草(下))

     礼儀作法 一般教養 魔力感知 気配感知

アクティブー調合(薬(中)/毒(下)) 魔力操作 格闘 

共有ー神聖魔術


「…質問いいかな?」

「どうぞ。」

「では、この【鑑定】は?」

「【鑑定】は、本などから習う、実習、それを使って何かを作るで、スキルに知識として記録されます。

後ろの(下)や(中)は等級で、下/中/上/特となり、下はそこら辺にある薬草で効果が薄く、中は森など、上は辺鄙な場所、特は特殊な素材となっております。」

「【耐性】は、毒の方は抗体で、それ以外は…疲れない?ですか?」

「そうです。」

「随分と苦労してきたのですね。

でも、この世界の治癒魔法が使える人は確か、貴族より産まれるはずですよね?

なら、この耐性スキルの多さは…」

「それが、私が勇者様に知っていただきたい事情です。」


「(深呼吸)勇者様、私は孤児です。」


「治癒と解呪は、王族や上級貴族から発現するスキルです。」


「つまり、私は貴族の落し胤になります。」


「治癒魔法だけなら、偶に下級貴族より産まれるので、問題がなかったかもしれませんが、解呪スキルも持っているため、確実に上級貴族か王族です。」


「そのせいか、学園でも腫れ物扱いで、ずっと一人です。」


「それでですね、勇者様に謝りたいことがありまして。」

「?」

「あの、ですね、私が、その、落とし胤、ということで、その、上級貴族の、醜聞、ということで、誰からも、その、後ろ盾に、うう(泣/過呼吸)」


「聖女ちゃん。」

「はい(泣)」

「事情はよく判りました。 今までよく頑張って生きてこられましたね。」

「はい(泣)」

「それと、深呼吸をしましょうか。」

「?」

「私のあとに続いてくださいね。

吸ってー、吐いてー、吸ってー、吐いてー、はい。」

「吸ってー、吐いてー、吸ってー、吐いてー。」

「そうです、もう一度いきますね。

吸ってー、吐いてー、吸ってー、吐いてー、はい。」

「吸ってー、吐いてー、吸ってー、吐いてー。」

「どうですか? 落ち着きましたか?」

「はい。」


「聖女ちゃん、自分の過ちじゃないのに、他人に自分の事として謝るのが辛いことは、私も知ってます。

それでも、ちゃんと言えた事は、本当にえらいです。」


勇者様が、泣いてる私をそっと、包むように抱きしめて、

「よく頑張りました。

これからは私も側にいますので、もう我慢しなくてもいいですよ。」

私は更に泣いた。

聖女カーミラ

固有ー治癒魔法(下)解呪(下)

パッシブー耐性(孤独/飢餓/疲労/睡眠/ストレス/毒(下))

     鑑定(薬草(中)/毒草(下))

     礼儀作法 一般教養 魔力感知 気配感知

アクティブー調合(薬(中)/毒(下)) 魔力操作 格闘 

共有ー神聖魔術


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