仲の良い友達なんて、3人もいれば十分である
「んー!...疲れたぁ」
僕は机に突っ伏した。
ちょうど、二時限目の間休みの時だ。
別に特段、これといった事があったわけでもないのだが、妙に体が気怠いのである。
これは本当で、例えば他の級友なんかは、楽しく歓談するものや軽い討論をするものなど、こんなグダッている人は一人も見当たらない。
しかし、僕は何故か、今すぐにでも仮眠を取らなくては、三時限目は持たないのではないかと言う具合なのである。
と、こんな戦地の鬼神どこえやらの体たらくに呆れる友人が一人、隣でため息を洩らした。
幸せが逃げるぞ。
「余計なお世話だ」
軽い痛みが後頭部に走る。
なんと、チョップを受けたじゃないか。
「心でも読めるのか?」
「生憎さま、16年目なもんで」
まあまあ、これが以心伝心というやつか。
男同士でなんて気色が悪いし寒気がする。
おっと、皆さんには紹介していなかったか。
彼の名前はグシード。
僕が生まれた時からの腐れ縁で、なんでも僕の左腕らしい。
僕には左腕が二つあるのか。まるで怪物じゃぁないかと彼に言って見たことがあるのだが、これと同じようにチョップされた。
敬意の足りないサディストである。
まあ、彼の実力だけは本物なので、近衛連隊時代は何度も助けられた。
意外と頼れる人物でもあるから面白い。
ちなみに彼に補足をすると、茶髪の短髪で、筋骨隆々の高身長。おまけに顔は男前なんだから、これぞ帝国男児と言ったところか。
あまりにも完璧だから、剥製にして王宮にでも飾りたいところだね。
「本当に二人は仲がよろしいですね。」
と、自然な導入でグシードと反対の横に腰掛けてきたのは、セシルである。
彼女は中身長の、やや青味がかった白髪をロングヘアーで靡かせ、端正ながら愛嬌に満ち溢れた顔をくっつけた美少女だ。
ただの愛玩動物のような姿、動きなのに、意外にも卓越した頭脳と母性を兼ね備えた、完璧超人である。
人呼んで<ダメ男製造機>とは、的確だと僕は思う。
僕には、彼女が嫁なんかになった暁には、ダメ男になる将来を確信できる自信がある。
だが、その完璧超人を持ってしても、人間関係というのはわからないらしい。
若しくは、仲がいいと言う単語の意味を間違えて覚えさせられたのだろうか?
いや、そうに違いない。教育係を恨むことにしよう。
そんな事だから、僕たちが返す言葉なんかは一つだけで
「「それはない」」
に尽きるのである。
ここまで、タイミングまで一致して否定していると言うのにセシルが暖かく微笑むのは何故だろう。
普通は、この劣悪なる雰囲気に戦々恐々と頬を引きつらせるところだろうに。
やはり、この戦場の魔神を持ってしても理解しきれない何かが彼女にはあると思って違いないだろう。
間違っても、僕たちの仲の良さに思わず頬を緩めてしまったなんてことは無いだろうし。
「それにしても、なんだか小腹が空きましたね。」
セシルが急に話題を変えてくる。
さっきまで僕たちを、何故か暖かく見守っていた視線も今は教室のドアに向けられている。
とは言っても、この教室は講堂型で出入口は前に二つだけだから、前を向くだけで大体視線には入るのだが。
っと、これは気付かなかった。
ドアの所で、パンをちょうど四つ持った男子がこちらを見つめているじゃないか。
彼は僕が手招きすると嬉しそうに駆け寄ってきた。
水を得た魚というか、ボールを追いかける犬のようだ。
「先程、購買でパンを買ってきたのですが、如何でしょうか!」
無論、僕たちは美味しくいただくことにした。
1日1話は出せたらいいなー
なんて。
ようやく自分の大好きなキャラが出てきたんですけど、ちょうど切りやすかったのでここら辺でどうぞ。




