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アロマキャンドルの光だけがこの空間を照らす
「アロマキャンドルなんてあったけ?」
「俺が買ったのこの匂い好きでしょ?凛子」
「好きだよ。これは、私の匂い」
匂いには、拘りが強いというか得意不得意が多くて更に人と被るのが嫌で自分専用の香水を作ってもらった。…あれ?どうやって再現したんだろう?
「凛子と同じところで作ったオリジナル香水がほぼ一緒の匂いだったの忘れたの?だからこれは、俺の香水が元で作られたアロマキャンドルの匂い」
何も言わずとも謎の解明をしてくれた薫さん確かにちゃんと嗅げば少し違う
でも、ほぼ一緒
小さい頃から一緒に居たからなのか私と薫の好みは似てる。だから、この香水が出来た時は、驚いたものだ。
「兄さん達にいつ会いに行く」
「ちょっどこ触りながら言ってるの」
「久しぶりの凛子だからね止められないかも」
「…あ…っ」
「俺来週の土曜日また休みなんだよ珍しくだからそこで行けたら行こうか」
「んっ…」
優しい声で囁きながら随分とやってくれる。私だって久しぶりなのだ。
「取り敢えずここで襲っても良い?」
「…っ…そんな事聞かないで」
体を洗い流してくれる薫さんは、本当何から何までやってくれる。
そういえば意外と良い体してるんだよな薫さん恥骨からV字状に外側上方向に広がる筋肉…確かエロ筋?モテ筋?だったやつとかもあるし
程よい筋肉量で脱いだらギャップがある芸能人ランキング1位らしいよこの人
お風呂から上がり髪の毛まで乾かしてもらいベッドにダイブした。
「髪切ろうかな」
「え?切るの?」
なんだいその反応は
「前髪も伸びたし前髪に揃えてバッサリと」
「本音は?」
「髪の毛乾かすのが面倒」
「でも、凛子は髪長い方が似合うけどなぁ」
髪を撫でながらそう言って微笑む
昔からロング派だもんね薫さんでも確かに今切るのは、冬寒いかなぁ
「でも、そんなこと言うなら私的には薫さんは前髪下ろしてる方が好き」
「見慣れないの間違いだろ?」
そうとも言うし好みの問題だ。でも、ファンからは人気らしく当分の間は、やめないのだろう
私達は、今のところ週刊誌にネタにされることもなく薫の事務所公認で付き合っている。
普通は、反対されるだろう薫は若手人気俳優として今確実にキャリアを積みこれからって時だから
あの変人社長の考える事は分からない。本当に
「凛子?もう寝る?」
「なんで?」
「久しぶりに会えた彼氏に冷たいねぇ」
「…どうしたの?」
薫に抱き締められた。
「俺は、時々ね凛子が居なくなりそうで怖いんだよ」
「っ…何突然」
「どうしても見えない壁で塞がれてるようで凛子に触れてるのに触れられてないみたいな感じで」
「薫?」
「いや、何でもないよそろそろ寝ようか凛子も帰ってきたばっかりで疲れてるでしょ?」
「あー、うん」
おやすみとキスされてそのまま後ろから抱き締められながら眠りに付いた。様子のおかしな薫のことが気にはなったけど疲労で睡魔に抗えず聞くことが出来なかった。
でも、今思えばこの時ちゃんと聞いていれば未来も少し違ったのかもしれないね
ごめんね、薫