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無色で透明な、  作者: 柊アキラ
歯車が動き出す
7/11

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でも、春馬の要件は何なんだろう?



「ちょっと連絡の内容気になるからスマホ持ってくる」



「おー」



下に降りて仕事部屋の机の上を見るとやはりここにスマホがあった。勿論1ヶ月も放置すれば電源が入る訳もなく画面は真っ暗だった。



てか、スマホの充電もコードささなくて良い世の中になるなんてね近代文明恐るべし



薫の元に戻り机の上にあるワイヤレス充電にスマホを置くそして数分後に凄まじい通知音が鳴り続けた。



「引くわー」



「私も引いたわー」



電話が100件オーバー

アプリのチャットの通知は、なんと200オーバー



スクショしとこうかな記念に



「どうしよう見る気失せちゃった…明日は休みだからそうだ明日にしよう」



「面倒なことは、先に片付けるに尽きるけどな」



「正論やめて」



もう1度電源を落としてご飯を食べることに集中した。そして何よりビールが美味しい。



食後食器まで洗い食べ残ったものをタッパーに入れるという女子力を出してきた薫に多大なる感謝の念を送りながらテレビを付けた。



ワイドショーか興味ないけどまぁ一応仕事の為には見ておくか



暫く番組を見ていると有り得ないニュースが飛び込んできた。



『bloodのボーカルであるルイさんと同バンドのベースのジンさんの不倫騒動です。なんとジンさんは、既婚者であり〈 ガッシャーン 〉



その音を聞き後ろに振り返ると驚きが隠せない薫の表情と無残に割れたマグカップがあった。



「ご、ごめん凛子」



「いいよ、怪我ない?ここは、私が片付けるから薫は座ってなよ」



「え、いや大丈夫」



「いいからいいから」



薫を無理やりソファーに座らせてから私は、この無残に割れたマグカップの片付けをした。私は、見てられなかったのだ…あの薫の表情を



そして淹れ直した珈琲を持ち薫の横へと向かう



「はい」



「ありがとう…マグカップごめんな」



「気にしない気にしない」



テレビは、まだ類達の話をしていた。あの人がこんなスキャンダルを防げない訳がない。なら一体どうして?



1週間前にジンから来たメールそしてなんとも言えない顔で画面を見つめる薫



「ねぇ、薫はさ類が好き?」



「は?何言ってるんだよ」



…無自覚って残酷だと思うんだよね。



「いや、そうだ薫さんは今日どうするの?泊まる?」



「そのつもりだった」



「ならお風呂でも入ってくれば?もう就寝しますよー」



「…分かったでも、凛子も一緒に入ろう湯船溜めて」



「いいよでも、やっぱりスマホ確認するからお風呂任せていい?1ヶ月振りだから汚れてるかも」



そう言って笑えば



「ああ、掃除は任せろ」



薫も笑ってバスルームへと向かった。それを見計らいスマホの電源を入れバルコニーへと向かった。



電話出ると良いけど…



『はい』



「ごめんね、連絡遅くなってジン」



『…本当だよ凛子』



「状況は、まだ分かってないけど取り敢えずスキャンダルネタは、見たよ。だから軟禁されてると思うんだけどいつ会える?」



『明日の夕方なら会えるちょうどそこに社長も来るから都合がいい場所は、後で連絡する』



「分かった。奥さん大丈夫?」



『今はな…』



正直、ジンの奥さんは苦手だ。出来れば会いたくない。…でもこんな報道が出てしまったら少し同情してしまう。



ジンは、いつだって類を優先してきたから恋とかそういうんじゃなくてアレは、もはや家族みたいなもの出来の悪い妹を心配してる兄貴って感じの



でも、それを分かっていても面白く記事を書く奴はいる。…でもなぁ2人の距離が近かったのもまた事実だ。だから忠告したのに



「じゃあ取り敢えずまた明日」



『ああ、すまんな』



その言葉に私は、返さず電話を切った。そして持っていたタバコに火をつける



「ふぅ…」



スマホを見ながら考える結構面倒な事になりそうだ。世論は、ルイ達に対して厳しい意見ばかりだ。



例えそれが偽りだろうが自分より立場が上の人間や魅力のある人…芸能界の人間の失態には、厳しい。



何故、同じ人間なのに芸能人が不倫をしたらあそこまで叩かれるのか



勿論、不倫を実際にしたのならそれは1番に悪い事だ。



「なんで外で吸ってるの?」



「何となくそれと1本電話してたから」



「風呂良いよ」



「ありがとう」



「泡風呂です」



「最高」



火を消して中へと入る。秋が近いこの時期は、少し冷える。





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