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無色で透明な、  作者: 柊アキラ
歯車が動き出す
5/11

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そして帰国した私




「おかえり」



「…なんで居るの薫」



「今日オフだったんだよねだから迎えに来ちゃった」



「はぁ…」



目の前にいる男は、私の幼なじみ兼高校の同級生兼…彼氏しかも今、日本で売れ始めた元モデルの俳優様



いや?元子役と言うべき?



モデルをやってた頃は、モテモテの売れ売れの大人気モデルだった。だから、変装しないと気付かれるくらいの人物になったというのに目の前の男は、マスクしかしてない



誰がどう見たも相馬 薫にしか見えないのだ。



「もう文句は、言わぬよお迎えありがとう早く帰りたい」



自分がかぶっていたハットを薫にかぶらせ歩き出した。



「楽しかった?アメリカ」



「んー、日本食が恋しかった」



「どっか食べに行く?」



「いや、食より睡眠かな」



「どうせまた食べてなかったんでしょ?痩せ過ぎ」



…オカンかお前は



「後、祥子さんと兄さんが会いたがってたよ?それと兄さん達の子供も産まれたちょうど2週間前にね?ワザとなの凛子さん俺だけ残して」



「薫だってドラマの撮影でどっか行ってたよね?3週間くらい」



「だから俺も会ってないの凛子と一緒に行くって伝えてあるから」



…私達は、共犯者だ…もう10年以上の



「分かった取り敢えずは、私の家行って」



「はいはい」



心の傷は、もうお互いとっくに塞がっているのにそれでも私達は一緒にいる。だからこれは依存なのだ。それさえもお互いに分かっている。



何より私は、彼の本当の気持ちも分かっているというのに



それを彼自身が気付いてるかどうかは、分からない。でも、私は気付いている…だからやっぱりこれは、共犯ではないのかな



「凛子なんか買って家に行こう俺作るから」



そう言って笑う薫の笑顔が私には、眩しくて仕方ない。嘘で塗り固めた先には、何もないというのに



「女子力高めだね」



「凛子が無さ過ぎなの」



もう少しだけこのままで



きっと後少しだけだから



それまでは、側に居させて



ちゃんと…お別れを




「凛子早くしないと置いていくよー」



「ごめん、今行く」



私は、彼の背中を追いかけた。そして横に並べば当然のように手を繋がれた。こんな光景もきっと……









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