表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異形塔のトートロジー  作者: Damzel
第一章「堕王の都」
1/3

塔とは即ち玉座、或いは怪物の権化である。

──外れる事の無い鎖と塔。


永く永く絡み合い、やがて一つとなる。


或いは再び裂け、一欠片の可能性と成る。

__信仰とは堅牢かつ脆弱な人の営み。

畏怖、狂気、悲嘆、憎悪を一心に背負う崇拝対象も又脆弱性を孕むが、同時に人を捉えて離さぬ「魔性」さえ持ち合わせる。信者とは即ち魅せられた者。


かつて神を奉じられた巨塔は樹木にも似たその歪な体躯を街の中央に据え、王の消えた街を睥睨している。敬虔な信徒も最早死に絶えた。ただ広がるのは所狭しと並んだ住居、犯罪、喧騒、退廃、耽美論。


ある者らは正義を振りかざし、退廃に満ちた世界に秩序を生み出す白き狼と成らんとした。


ある者らは欲のまま、衝動のままこの世界に君臨しただ退廃に興じる狡猾な狐と成らんとした。


またある者らは圧政を非難し、大人を非難し、自らの燻る反骨精神のまま侵略する猿と成らんとした。


三つに分かれ、未だ戦火燻る彼の地を、人々はただ『九龍天楼』と呼ぶ。かつて極東に存在したという退廃の都の名に相応しく、その街に正しさは無かった。


_ 畏怖するな 魅せられた者共よ _


退廃に酔え 魔性に身を捧げよ


三つに分かれ 未だ混じり合わぬ廃都に


_ ただ一時の 交わりを _




読んでいただきありがとうございます。

不定期更新ですがちまちま書いていきます。


良ければ次回も読んでいってください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ