一茜の歌集(にのまえあかねのうたノート)の一周年記念
本当に一周年が来ました。
この小説の中でもなんども繰り返しますが、本当にありがとうございます。
新しく見に来てくださった皆様には、宜しくお願いします。
さあ、一周年企画ですよ。
作者にとっては感慨深い一周年。読者にとってはまあまあどうでもいい一周年。
それでも、作者は茜なので茜の好きなようにやらせてもらいます。
目次
①一周年記念うたノート投票結果発表
②一周年記念っぽいことを喋ってみる
③一周年記念投票のおまけの話
④一周年記念だし、茜の好きな和歌を紹介
⑤これからの活動
⑥弥さんに少し喋らせることにしました
ということでいつものノリでスタート!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
①一周年記念うたノート投票結果発表
皆様、投票ありがとうございました。茜は投票されるたびに喜んでおりました。
(茜の友達に聞き込み調査したものも含まれます。)
【玉の和歌】
①
双眼を
閉じて忘るを
望めども
心耳にのこる
音色定かに
《たぶんの真面目訳&脚色した現代語訳(語り口調)(ポエムっぽく)》
たとえばさ
眠くなったら
目を閉じるでしょ?
そしたら思い出すんだ
君のこと
忘れたくても
離れない
君とたどった帰り道にも
枕に顔を埋めて
ふさぎこんだら
心の君がまた囁いた
《一年たっての解説》
そういえばポエムみたいな訳作ったっけ?って自分の作品を見て思い出しました。
確か現代語訳と口語訳と本文も全て同じような感じになるからポエム風に作ったのだと思います。
(正直作品一つ投稿するのにかかる作者の苦労は大きい。)
その分投票して頂いて嬉しいです。
弥(茜の友達)「同じ内容を同じ作者が異なった芸術形態にしていることに価値を感じます。」
②
がぎろひの
春の桜は
見らるれど
冬の枝こそ
素意まさるめり
《たぶんの真面目訳》
春の桜は
見られるけれど
冬の枝こそ
普段からの志は勝っているように見える
《脚色した現代語訳(語り口調)》
陽炎かげろうが燃えている春に、桜は多くの人に見られます。でも冬の桜の枝こそ、桜が普段から思っているであろう、「花を咲かそう!」という気持ちは強いように、私には見えます。
《一応の解説》
かぎろひ
「春」を導く枕詞。しかし実際は夏によくあるアスファルトの上あたりの空気が揺らいでいるアレ。本当は訳さないが脚色現代では訳すに値する大事な言葉。勿論、虫ではない。
素意
普段から持っている志
《一年たっての解説》
私にしては熱いメッセージな感じですね。桜の染色からイメージを得て作ったものですけれど、染色って奥が深そうで小説とかにすごくなりそうです。というか既にありそうですね。
(実は茜は機織りが好きです。)
③
寂寞の
夜空に願って
叶わずも
慰るのも
空の藍色
《たぶんの真面目訳》
物寂しい
空に願い事をして
叶わなくても
慰めるのも
空の藍色だなぁ
《脚色した現代語訳(語り口調)》
もの寂しい夜空に願い事をしました。それは叶わなかったのですけれど、そんな私を慰めてくれたのも藍色の空でした。
《一年たっての解説》
この感覚ないでしょうか?まあ家からそこまで多くの星空が見えるわけではないのですが。
少し前、星がよく見えるところに行ったのですが、暗いけれどもあるはずの星たちが見えなくなっていました。だいぶ前に来た時は見えていたのに……。たぶん視力が落ちました。眼鏡新しくしないと。
④
いかにして
春か秋かと
分かつべき
紅葉の若芽
朱を帯びるとは
《たぶんの真面目訳》
どうやって(今が)春なのか秋なのか分けたらよいのだろうか。紅葉の新芽も赤くなるとは。
《一年たっての解説》
最近投稿したものだからあまり心境は変化してないと思うけれど、その分しっかりとした記憶があります。これは実際にあった事をそのまま和歌にしています。「染める」を使いたくなかったので「帯びる」にして、「新芽」だったものを「若芽」に推敲しています。
【櫛の和歌】
①
夜火を無み
え見えぬ花は
麝香より
比べて勝る
らうたし色香
《たぶんの真面目訳》
夜の光がないので
見ることができない花(の匂い)は
強い香の麝香の香料よりも
比べると勝っている
可愛らしい匂い、そこから可愛らしい花の色が想像される
《脚色した現代語訳(語り口調)》
夜なのに炎はないので、花の姿は見えません。でも、麝香にも勝っているその匂いから、私はしっかりとその存在を感じていますよ。「や・え・ざ・く・ら」さん。
《一年たっての解説》
折り句の和歌ですね。内容と折り句を融合させて作ったものです。友人たちの間でもほぼ一択で櫛の和歌の代表となりました。
どうして麝香とか夜火とか単語知ってる的なことを言われたのですが、夜火は同義語辞典を読んでいる時に見つけました。麝香は「ざ」で電子辞書を片っ端から探して見つけました。
つまり、結構な時間がかかっています。
この後、何度か折り句の和歌を作ろうとしましたが、全て失敗。最近は挑戦していません。
②
一介の
飛びゆくかりの
憂き世よには
久しき夜を
ひとり越ゆるや
《たぶんの真面目訳》
(群れをなすうちの)一羽の
雁かりが(空を)飛んで行く
その「かり」ではないのだが「仮の憂き世」と呼ばれるつらい世の中には
行ゆく末の長い夜も
一人で越すのだなあ
《脚色した現代語訳(語り口調)》
いつもは群れをなしているガンが一羽、秋の夕空を飛んでいきます。つらい世の中にはこのような、一人で夜を明かすようなこともあるのですね。
《一応の解説》
一介いっかい
とるにたらない一人。
かり
「仮の憂き世」の「かり」と「雁」の「かり」が掛詞
仮の憂き世
儚くつらい現世。
雁かり
「ガン」という名前の鳥
久しい
時が長い。またその行く末が長い。
《一年たっての解説》
実はこの和歌を作るまでに経緯があります。この時期、万葉調の和歌(修辞が少なく、気持ちのままに読んでいる)と、和歌というよりも短歌という方が正しいようなものを多くつくっていたんです。そこで、「原点回帰だ!」と思って茜の一番好きな歌集の古今和歌集の和歌の調子に似せて作りました。見せたい部分は内容より、古典らしさと修辞なので、完全に櫛の和歌です。
【管弦の和歌】
①
ほしまつり
君の短冊
見つけても
え見出せぬ
我が名かな
《たぶんの真面目訳》
七夕に
君の短冊
見つけても
見つけることができない
私の名前だなぁ
《一年たっての解説》
友達に言われて気付きましたが、毎年七夕になると「天気に関わらず天体の距離からして彦星と織姫は会えない。」的なことを言っていますね。私。
②
駒鳥の
二羽で歌いて
離れるも
君の水茎
端に残れり
《たぶんの真面目訳》
駒鳥が
二羽で歌って
離れるが
あなたの筆跡が
端に残っている
《脚色した現代語訳(語り口調)》
駒鳥のように私たちは和歌を歌って、そして別れました。
昨日ノートの端に見つけたんです。あなたと二人で和歌を詠んだ時のメモが。
《一年たっての感想》
これ投稿した後、茜の本当の体験だと2、3人に疑われました。
『いやいや。一緒に和歌を作る恋人いないから』ってめっちゃ思いました。茜といえども、いきなり恋の和歌を送られたら引きます。でも、「実は……。」という展開で始まって、「私も!」みたいになったらおkです。
③
足跡を
沖つ白波
覆ふなら
新たしあした
今や向かはむ
《たぶんの真面目訳》
足跡あしあとを
沖の白く泡だつ波が
覆っていくならば
新しい明日に
今向かおうと思う
《脚色した現代語訳(語り口調)》
もし今までのあなたとの記憶を波が消し去っていくように覆うなら、新しい明日に向かって今新しい人と恋をしようと思います。
《一年たっての感想》
この和歌は、確か英語のポエムを読んでいた時に思い浮かんだものです。「茜ちゃん英語の詩まで手を出してるの?」って言われそうですが、英語で詩を作るという段階までは至っていません。(そういえば最近ゲームに英語でメッセージが届いたので、英語で返したことがあります。)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
②一周年記念っぽいことを喋ってみる
ここまで一年間続いてきたんですよ。驚くべきことに。
さて、一周年なんで「どうして茜がうたノートを始めたのか」について話そうと思います。
既にうたノートの目標は、「LINEの一言に乗せてもらえるような和歌を作る」だと説明していましたが、まだどうしてそうなったかについて話していませんよね。
単刀直入に話すと、『虎にならないため』です。
「山月記」という作品を知っていますか?漢詩の達人を目指していた友達が虎になってしまい、その虎になった友達に主人公はどうして虎になったのか質問します。その返答に、「臆病な自尊心と尊大な羞恥心のせいで虎になった。」と友達はしています。
「臆病な自尊心」とは、自分の作品に自信があるが故に、それが傷つくのを避けようとする気持ちで、「尊大な羞恥心」とは、自分の作品を見せるのが恥ずかしいがために、尊大に構えて他人を遠ざける気持ちです。
昔の和歌の使い方の一つはラブレターの代用じゃないですか。だから茜自信も少し恥ずかしいし、自分の和歌を否定されたら傷つくと知って、でも自分の中で書き溜めてるだけだったら、それは虎になっていってるだけな気がしてたんです。
そんな時に「小説家になろう」のサイトに出会って今に至っています。
最初は古語だし和歌だし修辞多いしでいろいろ倦厭されそうで不安でしたが、皆様の温かいコメント、アドバイス、評価によってなんとかやってきました。
コメント返すのすごい楽しいんですよね。感謝しています。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
③一周年記念投票のおまけの話
一周年記念の投票に参加していただいた人の中から1名に和歌を贈答すると言いました。もちろん作っています。2人分。次の企画からは当選人数増えません。たぶん。
まずは、577577のリズムの旋頭歌です。1人目の当選者、ななる様の物語、『「2」たす「2」の「4」』をもとにして作っています。物語ですので、まずはあらすじから。
《あらすじ》
主人公の遠藤(男の子)、前田(男の子)、花道(女の子)、城ヶ崎(女の子)は4人で花火を見に行きます。花道さんは前田君のことが好きなので、主人公と城ヶ崎さんを残し、二人で屋台を見に行きます。そこで主人公と城ヶ崎さんは残されるのですが、実は主人公、城ヶ崎さんのことが好きなんです。花火が上がるのを待っている二人は少しづつ距離が縮まっていき、線香花火を一緒にする約束をしたところでちょうど花火が上がり始め、物語は終わります。
「さて、どこからはじめよっかな〜♩」と思っていたのですが、作者のななるさんは七夕からこの物語の発想を得たとのことを前書きに書いていらしゃったのでそこから作っていきました。
主人公の遠藤君の気持ちになって作ってます。
短夜に
君と契りし
線香花火
彦星の
待つより長くも
思ひぬるかな
《いきなりだけど口語訳》
夏の短い夜に君と一緒に見ると約束した線香花火。僕はその日を(七夕を一年間待っている)彦星よりも待ち遠しく思っているよ。
この作品で主人公が好きな人と話している時間はとても短いんです。それを短夜という俳句では季語になる言葉を使い、逆に「待って思い焦がれる時間は長い」と表してみました。
次に、2人目の当選者、志茂塚 ゆり様の『かえで【詩】』を参考に和歌を作らせていただきました。
飛鳥川
君 来む願う
みをつくし
待ちける今日に
紅葉散りつつ
《一応の解説》
飛鳥川……歌枕。無常観のイメージがある。川淵が分かりにくいらしい。明日の掛詞や、枕詞。
澪標………川の船が通れるほど深いところを示す標識的なもの。「身を尽くし」と掛詞。
《真面目に訳》
飛鳥川の澪標ではないが、明日君が来るようなことを願って身を尽くして待っている今日、しきりに紅葉が散っている。
元の作品が素晴らしいので、それをまとめるだけにならないように気をつけました。
一行目に「千の手でつかまえて」と書いてあるので、「ちはやふる」から少し始めたくなりましたが、色々脳内のlittle茜たちの会議によってこうなりました。(想像が暴走して、この詩は義母が娘への愛を歌ったものだと一瞬結論付けそうになりました。)
世の中で永久のものはない。花は咲いたら枯れる運命にあり、永遠の命は手に入らない。ましてやあなたの気持ちなんて変わるものだと分かってるけど、でも待っちゃうんだよね。『無常』という言葉は分かってるけど……みたいな気持ちを和歌にしました。
自分ではない誰かが作った作品に和歌を添えるということもあり、時間と心を込めて頑張りました。それぞれ解釈が間違っていたらごめんなさい。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
④一周年記念だし、茜の好きな和歌を紹介
好きな和歌はたくさんあるのですが、今回は、お祝いの和歌にしようと思いながら手元の歌集、ネットを探っていました。そして結局、お祝いとは少し離れた話題のものになりました。
桜花
散りかひもくれ
老いらくの
来むといふなる
道まがふがに
《訳》
桜よ散ってしまって曇らせろ。老いが来ると聞いている道がわからなくなるように
こんな上手い歌をつくりたいな。
ついでに日本の国歌である「君が代」も和歌です。
元々は万葉集の「我が君は千代に八千代にさざれ石のいわをとなりて苔のむすまで」という和歌からきています。お祝いの和歌の例ですね。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
⑤これからの活動
今、月一投稿なのは理由がありまして。作者が忙しい。さらに、歌論や歌集を今まで以上に見ています。古語も忘れないように単語帳よく見てます。
(古語⇨現代語はまだしも、現代語⇨古語は大変です。)
今までありがとうございました。感想や評価ポイントにはとても励まされました。
そして、これからもよろしくお願いします。
こんな作者ですが、どうぞこれからもお付き合いください。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
⑥弥さんに少し喋らせることにしました
いつも色々な意味で協力してもらっている弥さん(茜の友達)に少しだけ喋ってもらいました。一周年なんでささやかにパーティーしてた時の抜粋です。
「茜の和歌の特徴?それは絶対に
・その場の気持ちを、感動の中心を捉えて感情豊かに読み込む
・和歌の内容はともかく、技法を見せたい魅せたい
でしょ。」
「どういうこと?」
「和歌読んでたら、多分あのことだなって大体わかるから。結構生活に影響受けてるよ。まあそこは親友ですから。」
「でもう一個は?」
「そっちね。うたノートの形式見ただけで分かるよ。うたノート訳2つあるじゃん。普通なら訳だって必要ないから57577だけでいいんだよ。でも、特に脚色した現代語訳のところで自分は何が言いたかったのを読者に伝えて、これを自分がどう和歌で表したのかを見てねーって感じがすごい伝わる。」
無くて七癖、そして自分の癖は言われないと気付かないものです。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
最近、書き忘れることが多かったですね。ついでに初期の頃載せていた言葉も加えておきます。
和歌ということもあり、定期更新は難しそうです。最初は毎日更新でもどうにかなるでしょうが、すぐに終わると思います。(いろはにほへとちりぬるを……ですからね。)
ぜひ、作者のお気に入り登録を(ブックマークだと短編中心に書いていく予定なのですこし困り……)して新作をチェックして頂ければ……。(偉そうにすみません。)
皆様に三十一文字の魔法がかからむことを
ちゅんた(茜の庭に住み着いた雀)の話です。最近はカーテンを開けても逃げなくなりました。庭の草取りをしていても逃げません。少し前ですが、道路の中央を歩いて(鳥なのに)車の邪魔をしていました。
かわいいですよ。




