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異世界
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ータスケテ‥‥
と、いつもいつも‥‥暗闇から声が聞こえる。それは透明感があり、とても弱々しく‥‥風が吹いたら倒れそうなほど‥‥
誰なのだろうと声をかけるけれどもその声は出ているのだろうか?
唇を必死に動かしているけれど声は喉仏を通ることはなく、空気が口から吐き出すだけだ。
小さな小屋で‥‥彼女は1粒の涙を流し、毎回と、声にならない悲鳴をあげるかのように誰かに助けを求めている。
鋭い刃物が首元に突き刺さる瞬間、いつも目を覚ます。
今もそうだ。勢いよく飛び起きて大量の汗をかいていたのか汗だくで息も絶え絶えだった。
「また‥‥夢‥‥?」
ベットのすぐ横の窓をカーテン越しに見つめた少女は安堵の息をもらす。
小鳥たちのさえずりが聞こえ、大きく背伸びをした。