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魔族軍再編成

「さて……どうしたものかしらね……」

「どうしたんだ?メイ」


 俺は困った顔になってるメイに声を掛けた。


「この前のクーデターでかなりの人員が不足がちなのよ……」

「ああ、部隊の再編成を考えてるんだな?」

「そうよ」


 確かに……このままだと俺の部下が居ないぞ。


「カズマ、アンタ部下にしたい奴指名できる?」

「一人だけなら」

「誰?」

「ランティスだ」

「ああ、元ボーギャン隊第一部隊隊長ね……え?」

「え?」

「裏切ったんじゃないの!?」


 おいおい……把握してないのかよ。いや、ランティスが報告し忘れただけか?


「ランティスは魔王城まで案内してもらったし……この前のクーデターでは俺の補佐に居てもらったはずだが?」

「……元ボーギャン隊は全員裏切ったものだとてっきり……」

「ランティスから報告は受けて無いのか?」

「ええ、受けて無いわ」


 ランティスがそんなことするわけ無いと思ったが……。

 

 というわけでだ……ランティスを呼んで事情を説明してもらうことにした。


「ランティス……何故報告しなかった?」

「忘れてはいませんよ、ただ、昨日行った時に魔王様が居なかったから次の日……つまり今日報告しようと思っていたのですよ」

「……なるほど」


 じゃあ、メイが悪いな。うん。


「アンタ……失礼な事考えて無いでしょうねえ?」

「そそそ、ソンナコトナイデスヨ?」


 鋭いな……まあ、後で怒られる事は多分無いだろう。


「で、ランティス、アンタはジョーカーの部下になる気はあるの?」

「ジョーカー様は私を推薦してくれるのですか?」

「ああ、第一部隊隊長としてな」

「……私は構いません」

「決まりだな」

「ええ、これで一人は決定ね」


 本当に一人だけな……あとどうすればいいか……?


「……一応、人員を増やす方法ならありますよ」

「本当か?ランティス」

「はい、魔物を造ればいいんですよ」


 なるほど……いや待て?


「魔物はスケルトンやゾンビが主だったはず……死体はあるのか?」

「地下の倉庫にあったと思いますが……いや、クーデターの際反乱軍に使われた可能性も否定できません……」


 マジか……これじゃ戦力がかなり少ないままだぞ……。


「……いいこと思いついたわ」

「ん?」


 メイが何か閃いた様だな。


「何か良い案でも?」

「ええ、逆にさっさと人間共に攻め入れば良いと思うわ」

「……ああなるほど、死体集めも一緒に出来ますね……」


 だがその案にはやはり問題がある……どこに誰が向かうかだ……わざわざ本拠地みたいな所に行くわけでないし、ならメビウス程の実力者を出す必要もない……それに俺の部隊の為だ……肝心の俺が留守番してるわけにはいかない……しかし俺の戦力は少ない……。


「ジョーカー、ジャックの部隊と組んで人間の砦を落としてくれないかしら?」

「なるほど、俺だけじゃなく他の四天王にヘルプを……わかりました」


 俺たちは玉座を後にし、ジャックの居る部屋へと向かった。


「どうかしたんっすか?」

「魔王様の命令だ、俺とお前の部隊で人間の砦を一つ落とすそうだ」

「へえ、面白そうじゃないっすか」

「まあ、俺の戦力増強の死体集めも兼ねてるから下手に暴れて死体を使えなくしたらダメだからな?」

「はは、分かってるっすよ……てことはドラゴンは作戦から外すしかないっすね、ブレスと踏みつぶしか基本行わないっすから」


 この魔族軍ではドラゴンすら使役しているらしい。まあ、知能高いドラゴンもいるがその場合魔人が手下になる逆転現象が発生するが。

 ファンタジーで言えばドラゴンは代表的なものに入るがこういう作戦では要らない子になってしまうな。


「まあ、事情はなんとなく分かるっすよ、部下がそこのランティスしかいないんっすよね?」

「ああ、だからお前と組むように言われた」

「……どうしておれの部隊となんすかね?」


 確かに、メビウスは動くまでも無いとして……サリエウムは……。

 そうか……。


「なんとなく分かったが……」

「なんっすか?」

「すまんが答えられない」

「……まあいいっすけど」


 メイ……嫉妬か。別にサリエウムと一緒になっても何も起きやしないのにな……多分。


「ではジョーカーさん、おれの部下を紹介してくっす」


 そう言って、俺を連れ出していく。


 ジャックに連れられて来た所は中々豪華そうな部屋の扉前だった。


「ここにはおれの部隊の第一部隊隊長、クインティーがいるっす」

「そうか」

「おれだ、ジャックだ」

「…………」


 ……無反応だな。


「おい、居ないのか?」

「おかしいっすねー……居留守っすかね?」

「知らないよ」

「……おいがします」


 ん?今扉の向こうから声がしたような……?


「人間の匂いがします……」

「やっぱ居るんじゃないかー開けてくれー」

「人間が居るから……いやです」


 ……何か俺がいけない状況になってないか?


「大丈夫だ、ジョーカーさんって言う噂の新しい四天王だ」

「……分かりました」


 そう言って扉が開く……部屋から出てきたクインティーという娘を俺は思わず凝視してしまった。


「どうしたっすか?おれのクインティーが可愛すぎて見惚れてるんすか?」

「いや……この娘……獣人だろう?」


 この娘には所謂猫耳と猫の尻尾が生えていた。他は人間に近い所を見ると獣人の中でも人間に近いとされる亜人に分類されるだろう。


「そうっすよ?」


 さも当然の様に言いやがった……しかし珍しいな。獣人が魔族軍にいるなんて……しかも第一部隊隊長じゃないか。まあ、元人間なのに四天王な俺が居るが。


「先程は申し訳ありません、わたしはジャック様率いる部隊の第一部隊隊長を務めさせて頂いているクインティーというものです」


 礼儀正しいな。直属の上司はチャラ男なのにな。

 しかし人間の匂いがしたから出たくなかったというのに疑問が湧く……もしかして。


「少し、聞きたいんだが」

「何でしょう?」

「君……人間恐怖症か何かか?」

「……はい」


 やはりな。獣人は過去に散々人間からの迫害を受けている。それによって人間に過剰に怯えてしまう個体も少なからず出てきてるらしい。


 本当に人間は碌なことしないな。


「今の俺は魔剣の影響で魔族化してるから厳密には人間じゃないぞ?」

「そうですか……すみません」

「まあいいさ、それよりジャック、伝える事があるんだろ?」

「そうっすね、近日中にジョーカーさんと協力して人間の砦を落とす……これを他の兵士達に伝えてくれ」

「承りました……」


 そうして俺たちはその場を去った。

 そこで俺はある疑問が浮かんだ。


「ジャック、彼女は大丈夫なのか?」

「人間の砦を落とすことっすか?大丈夫っすよ、人間を嫌ってるっすから寧ろ喜んで人間共を血祭りに上げるっすよ」

「……怖いな、それ」


 普通に接するのはダメなのに殺すのは問題ないとか……いや、全部人間が悪いんだろうけど。


「ジョーカーさん、一応今回はよろしくっす」

「ああ、よろしく」


 ジャックが握手を求めてきたので一応応えておく。


「そうそう」

「ん?」

「昨日、魔王様とデートしたらしいっすね?」

「ブッ!いや、デートじゃ……」


 やっぱ魔族軍内でも有名になってますよ。魔王様……と突っ込みたくなる。


「いやー羨ましいっすね?」

「……だろ?」

「無理して乗らなくてもいいんっすよ?」

「いや、昨日のあれははっきり言ってデート以外の何物でもないからな……」


 俺はジャックに昨日の事を簡単に話した。


「完全にデートじゃないっすか!?」

「ああ……」

「しかもメビウスさんと同じ待遇まで……仲が進展してるじゃないっすか!?」

「そうなんだよな……俺だってメイと呼んで良いと言われた時はマジかと思ったもんな」

「じゃあおれもカズマさんって呼んだ方が良いっすか?」

「どっちでも構わ……いや、ジョーカーで頼む」

「気にいったんっすか?中二病乙」


 おいおい……この世界には中二病という言葉があるのかよ?


「今の言葉は過去の勇者が言っていたものっす、一応意味も理解してるっす」


 過去の勇者よ……あんたらは何この世界に吹き込んでんだよ……。


「まあ、無駄話しはここまでにしておいて……」

「明日から早速でいいっすね?」

「ああ」


 俺はジャックと別れ、部屋へと向かった。

 明日からはいよいよ本格的に魔族として活動できるな……そう思いながら、俺は明日に備え準備を整えるのだった。





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